完璧な発音や文法よりも身に着けたい能力
☆写真は森でのキノコ狩りの取材で撮影
今週はツイッターでやけにつぶやいていました。
理由はわかっていて、取材対象が5日連続でイノベーションウィーク(オンライン配信)とフィンランド語の勉強で、ずっとデスクトップの前に座っていたから。
発音についてのつぶやき。
最後に書いている、「伝わらない・分からないなら、別の方法でコミュニケーションを図る」能力。これ結構大事だと思います。
ジャーナリストとしての仕事には必須。
外国で暮らすうえでも、あったほうが便利なスキルだと思う。
発音、文法、ボキャブラリー量だけじゃなく、単語でも社会制度や政治に関する情報でも、「全部わかる」なんて無理です。
そんなこと目指してたら、いつまでたっても前に進めない。
日本語の漢字を全部暗記するのが無理なように。
海外で暮らしていたら、わからないことは何年住んでいても出てきます。
その時にいちいち落ち込むことにエネルギーを使わず、別の言い方をしてみたり、恥を気にせず質問するとか、「じゃあどうしよう」という切り替えをさっさとできたほうが生きやすい。
大学受験や学校での筆記試験の対策でもなく、通訳や語学の先生になることを目指しているわけではない。
日本以外の土地で暮らして、現地の人とコミュニケーションするスキルというのは別の舞台で起きていることなので、必要なスキルや知識が違う。
発音しにくい単語があれば、同じような意味の単語で説明するようにする。
わからないことはすぐ聞く(取材中にそのままにしておいたら後で大変なことになる)。
私にとって大事なのは完璧な文法で書けることではなく、取材中に聞いたり質問するスキル、新聞を読んで分析するスキル、何か問題があったらクレームするスキル、交渉するスキル、議論するスキル、外国で起きていることを日本語に編集するスキル……。
「じゃあどうしようかな」という発想転換スキルもあれば、よい武器になる。
教科書をじっと見ているだけでは得られない語学スキルはたくさんある。
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