ある国【ショートショート】

少年は少女とゴミ捨て場で出会った。二人の家はどちらも、彼らの拾ったゴミを売って生計を立てていた。

ある日二人は駆け落ちをした。

この国は身分制度が厳しく、逃げ切れないことは分かっていた。

それでも二人はがむしゃらに逃げた。

やはり大人たちに捕まり、2人はそれぞれの家へ連れ戻され、折檻を受けた。

それから半年が経ち、少女は牛10頭と引き換えに20も年上の男に嫁にもらわれていった。

少年は何もすることができず、ただ見守るだけだった。

少年は大人になった。がんばって勉強をして、教師になった。そして学校の仕事の合間にはあのゴミ捨て場へ行く。

今でもゴミを拾ってそれを売り、家計の支えにしている子供はたくさんいる。彼は、そんな子どもたちのために読み書きを教えている。

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「あとがき」

昨日名古屋へお参りへ行って、ふと帰りに思いついたので、書きました。

まるでそんな話も出なかったのに、と不思議に思っています。

多分本当に書きたかった？部分はゴミを拾う少年少女、売り買いのように嫁に行かされる少女についての部分だと思います。