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【世間の常識は芸能界の非常識!?】 エンタメ業界の『常識』あれこれ

こんにちは。演劇・エンタメ分野をビジネス視点で語るAsakawaです。

世間一般的な常識が、このエンタメ業界では実は通じないという事はそれなりにあると思います。

例えば・・・、

学校で真面目に勉強して卒業した経歴のある人が特別、優遇されるわけではない、それどころか全く未経験の人がその人を差し置いて採用されることがある、

声優さんのギャラはメインキャストとそうでない人や台詞の量の多さでは決まらずランクが同じであれば費やした労力に関係なく一律である、

どこも人手不足って言われているけど、この世界は常に出演枠を奪い合っていて仕事が欲しくて仕方がない人が大勢いるからまた別の意味で殺伐とした所だよ〜、

など必要な技術・知識を勉強してきたのに優遇されない、私これだけ出演時間も長く台詞喋ったのに一言喋って終わった人とギャラは同じ、人手が余っていて待機状態の人がたくさんいる・・・、

この現状は他の業界と照らし合わせたらなかなか信じ難いかもしれません。

特に「逆に人手不足じゃない業界ってどこ?」と疑問に思われる人がいるくらいどこも人手不足なのに、そうではないのは珍しいと言えば珍しいです。(成り手が集まっても全員には満足に報酬は払えない、それだけの市場規模であるという見方もできますが)

これらの例は度々これまでの記事でも言及してきましたが、
今回はもう一つ挙げたいと思います。

それが・・・、

所属タレントがたくさんいる所や、有名タレントが多数所属している事務所=大手企業ではない!

です。

やはり一般常識としては就職するなら大手企業が良い!という気持ちはまだまだ多くの人が持っていると思います。

実際その方が福利厚生が充実していますし、労働時間も適正に管理されて有給も取りやすい場合が多いですしね。

そのようなノリでこっちでも事務所に所属するなら大きい所がいいよねーと思ってしまうと、「あれ思っていたのとなんか違う・・・」という事態に陥ります💧

そもそもエンタメ業界というのは、

個人で、或いは数名程度の小規模で活動していくが基本です。

それらの個人が一時的に集結してコンテンツを作り上げていき、完成したら解散してまたそれぞれの道へ〜この流れをずっと繰り返すことになります。

なので多数の所属タレントが在籍している事務所の一員になれたからと言って、その所属タレントたちは『同僚』という関係性ではありません。

それどころか同じ事務所内の人でも、貴重な仕事を奪い合うことになるライバルであると言っても良いでしょう。

この事務所に所属したい動機を聞かれると、
「憧れの〇〇さんがいるから」

とよく言う人もいますがこの世界に足を踏み入れたのであれば、その憧れの人も越えていかなければいけない存在であるとどれだけの人が自覚しているでしょうか?

逆に自分はテレビでメインキャスト張っているような人にならなくていいと出世欲のない姿勢で入ってしまうと、

この世界にそんな中途半端な立ち位置で食っていけている人は皆無
定期的に依頼が来て食っていけている人は何かしら秀でた光るものを持っていて、上手くそれを生かして居場所を見つけた凄腕の人物です。

自分も先輩から、
「Asakawaは本当にこの世界で売れたいと思っているの?全然そうには見えないんだけど」

と言われたことがありますが、そんな消極的な姿勢で小さな事務所を選んでもまず波に乗れないってことですね。

そこで、芸能事務所の役割とは?

これは旧ジャニーズ問題をきっかけに大きく注目されて議論されることになりましたが本来、事務所というのは所属タレントが円滑に活動できるようにそれを補助、サポートしてくれる存在であって決して仕事を与えてくれる、活動方針は自身で決めてもらいその活動の根幹部分には干渉しない存在であると見直されて始めていると思います。

それで「エージェント契約」なんて言葉がトレンドになりましたよね。

私の周りには「事務所に所属できなきゃ仕事はできない、売れない!」と思っている方々がたくさんいましたが、別に事務所に所属していなくたって有名になれてエンタメ分野の幅広い活動をしている方はもう時代の変化によってそれなりにいますよね?

逆に有名になれたことによってうちの事務所に所属しませんか?とオファーが来た人もたくさんいたことでしょう。

そんな努力をせずに、先ずは事務所に所属しないと有名になれないと思っている時点でそれはもう古い考え方かもしれません。

そのように無名から、事務所の猛烈なプッシュによって有名にさせてくれるようなケースを望んでいるなら高校生、中学生、いやもしかしたらもう小学生からでも早すぎるとはもう言えないかもしれませんね。

そのくらい早い段階から行動を開始して、事務所から認められてもらうようオーディションを受けたり努力する必要があると個人的には思っています。

もしくは街中で声をかけられてスカウトされたパターン。

事務所に無名から有名にさせてもらう

とはそのくらいハードルの高い事なのに、芸能事務所とは所属できればタレント全員に仕事を与えて有名にさせてくれるように働きかけてくれる所と勘違いしてしまっている節はあるように感じます。実際外から見ればそのように見えてしまうので仕方がない部分もありますが。

タレントは100名超所属している事務所でも殆どはマネージャーなどはとても全員をカバーすることはできない人数しかいませんので物理的にもそれは厳しいと思われます。

私が研修生時代にある連携していた事務所から頂いた仕事の資料を貰いに事務所を訪れたことがあるのですが、雑居ビルの一室を借りた小さな部屋でした。そこには確か2、3名ほどの事務員しかいなかったので、5人とか多くても10人以下で回しているんじゃないですかね?💦

このように大きな事務所に所属できたからと言って大手企業に就職できたみたいに浮かれてはならない、むしろライバルが多すぎて自分に構ってくれる時間などないと放置されてしまう可能性すらあると頭に入れておきましょう。

では、事務所に所属したメリットとはやはり問い合わせ窓口を代行してくれる所だと思います。

フリーだとそれらも全て自分でやらないといけませんが、事務所に所属することによってその作業の負担が軽減できることが期待されます。

またなんか怪しい仕事だとそれを弾いてくれる事もあるかもしれません。

私の現在の認識としては、

まだ個人で全ての作業を賄えるほどの忙しさであるなら焦らずに事務所に所属する必要はないと思います。

自身の努力が実りどんどんブランドが確立しつつあり、忙しくなってきたーと感じ始めたらタイミングでそのサポートをしてくれる所を探すでも有りなのかなと。

ただこの世界は非常に閉ざされた世界で仕事の公募も一般公開されず事務所に所属している人のみに行き渡る事も多いので、待っていてもそんな情報が来る環境に身を置いて小さい仕事でも現場へ行けるチャンスを伺うのは間違ってはいないと思います。現に私も事務所から貰った情報で現場に立たせてもらった身なので。

他にもうちの看板俳優を出演させる代わりに新人の子も脇役で出演させてほしいと交渉できるくらい影響力のある事務所もありますしね。

それでも、

事務所に所属していればいつか有名になれる、売れるチャンスはやってくるはず、

そんな認識は改めた方がいいと重ねて申し上げます。

小さな、エキストラのような仕事はちょこちょこ貰えてもそこから大きな仕事を勝ち取るためには、事務所に所属しているとか関係なく自身を起用することによって絶大な効果が見込める、もっと言うなれば大きな売り上げが見込める、そこまで価値を高めていかないとなかなか難しいのは変わりがないと思います。

それを事務所がお手伝いしてくれるなんて都合の良い話はそうそうはない、結局は自分で努力して、考えた戦略を実行してこの世界での価値を高めていき道を切り開いていかないと売れることはないのかな〜と。

この世界で売れるか売れないかは事務所に所属しているとかではなく個人の持っている価値に大きく依存する、

行く着くところはここではないかと思います。

ということで、

大きな芸能事務所に所属する意義とは?

その点についてお話をさせていただきました。皆さんも芸能事務所という存在を正しく認識した上で活動していってくださいませ。

では今回は以上になります。ここまでお読みいただきありがとうございました。


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