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働く意欲について半世紀前の研究から学ぶ

働く意欲を左右する条件とは何でしょうか?

人間関係・給与・働き方・福利厚生・勤務地・仕事内容…

色々な要素が考えられますよね。

その答えにつながる参考として、仕事の意欲を左右する条件を解明しようとしたハーズバークの二要因説を紹介したいと思います(1959年に発表)

仕事に対する満足と不満に関する調査

アメリカの心理学者であるハーズバーグは、仕事の意欲を左右する条件を解明しようとし、エンジニアと会計係200名に対して、「仕事上どんなことに幸福を感じ、満足を感じたか、またどんなことに不幸を感じ、不満を感じたか」を面接調査しました。その結果、以下のような事が分かりました。

①幸福・満足を感じている人は仕事そのもののあり方に満足を感じていた。

②不幸・不満を感じている人は仕事の環境について不満を述べる傾向があった。

これらの結果を基にハーズバーグは①を「動機づけ要因」②を「衛生要因」と名付けました。

そして、仕事に対する満足・不満足の要因は、同じ軸の対極にあるのではなく、軸そのものが異なると結論づけました(※満足⇒仕事そのもの。不満⇒環境。なので、軸がそもそも違いますね)

「動機づけ要因」と「衛生要因」

「動機づけ要因」として、言及されたものとして「達成すること」「承認される事」「仕事そのものの中身」「責任があること」「昇進すること」などがあったそうです。ハーズバーグは、これらが十分に満たされれば、満足感を増大する事になるが、例え満たされなくても満足感が減るだけで、不満足感が増加するわけではないと述べています。(※プラスから0に近づくイメージです)

一方、「衛生要因」として、言及されたものとしては、「会社の政策と管理」「監督技術」「給与」「対人関係」「作業条件」等があったそうです。そして、これらが十分に満たされても、不満足感が減るだけで、満足感が増大するわけではないと述べています。(※マイナスから0に近づくイメージです)

これらの点からハーズバーグは、仕事への適応を高める為には、不満足につながる「衛生要因」ではなく、満足につながる「動機づけ要因」を充足できるような管理方法を行う必要があると述べています。

まとめ

ハーズバークは、仕事のやる気を高めるには給料アップや作業内容の改善ではなく、仕事の達成や作業者の承認等につながる行動をとる方が有効であると述べています。

現在でも、働く人にモチベーションを上げるための研究が行われていますが、個人的にはハーズバークの説は共感できる部分が多いように感じています。

半世紀以上前の研究結果ではありますが、「部下や後輩のやる気がなくて困っている」という人は、今回紹介した説を少しでも参考にしてもらえればと思います。

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