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☆心友との小説 4☆

どうも朔月です!
今回も【の章】の続きを投稿していきます。

「さて、二年の教室に戻るか。今の時間ならまだ間に合うな」
階段を上がり、二階へ辿り着く。
長い廊下を歩き、二年の教室へと戻る。

ガラガラガラ
「あ、隼斗はやとくん。どうだった?有津真ゆづまくんの様子。熱は?やっぱり早退させてあげた方がいいかな?」
「……」
教室に戻ってくるといつもこうだ。
予想以上に質問攻めに遭う。
全く、勘弁してくれ…。
「別に。気になるなら人に聞いてばかりじゃなくて、ちっとはご自分で様子を見に行ってあげてはどうですか?<教師>でしょ」
そう言うと青柳あおやなぎは何も言わず俯いた。
有津真ゆづまはよく体調を崩す。今までだって何度も保健室にお世話になっている。放課後まで休むことも珍しいことじゃない。だけど。
…その中の一度だって、青柳あおやなぎ有津真ゆづまの様子を見に行ったことなど無いのだ。
…お前がどんな理由で様子を見に行けないのかは知らないが、っていうか興味もないが。
副とはいえ、担任をしている生徒の様子を見に行くよりも優先しなきゃなんねぇ用事なのか?それは…。だから、<教師>は嫌いなんだ。
『生徒を守る』『助ける』とか言っといて、結局は何もしない。どんな教師でもそうだ。
俺はそれ以上何も言わず自分の席へと戻った。
すると後ろの席に座っていた義哉よしやが、
「なぁ、有津真ゆづま…どうだった?」
と聞いてきた。
「…辛そうにしてた。顔色悪かったしな…」
「…そうか…」
「放課後、有津真ゆづまの所に行くつもりなんだ。良かったら義哉よしやも一緒に行くか?」
「え…あぁ、行く!架芭音かばねも誘って行こうぜ!」
少し考えてから、明るく義哉よしやは答えた。
その時、一時間目が終わったことを知らせるチャイムが鳴った。
「…じゃあ、今日の授業はこれで終わりにします」
青柳あおやなぎの言葉と共に皆が席を立ち、礼をする。青柳あおやなぎは教室から出て行き、日本史の授業は終わった。

「…ふぅ、やっと終わった…」
俺が安堵していると…
隼斗はやと
ふんわりした優しい雰囲気をまとった少年、堂在架芭音どうざいかばねが声を掛けてきた。
架芭音かばね
「図書室に行かないか?」
「ちょうど良かった。行こうかなって思っていたところだったんだ」
「そっか、良かった。じゃあ行こうか」
架芭音かばねと共に教室を出て、長い廊下を歩く。図書室は、長い廊下を真っ直ぐ歩き、曲がり角を曲がった先だ。少し話をしながら図書室へと向かう。
「なぁ、架芭音かばね梨夜りよが言ってた"よみがえりのほこら"の調査について、どう思う?俺は反対なんだけどさ…」
俺がそう言うと架芭音かばねは少し考えてから話し出した。
「俺も正直反対なんだ。ほら、俺とお前と蝶葉ちよはの三人でほこらの前まで行ったことがあっただろ?」
「ああ、あったな」
「あの時、蝶葉ちよはが言ってただろ。『これ以上近付くと、何かを呼び覚ましてしまう』って」
「あぁ。それで俺は、その"何か"が零鬼れいきではないかと思った。だからあの時、戻ることをすすめたし、あれ以来ほこらに近付いてもいない。あのほこらに本当に零鬼がいるのだとしたら、近付かない方が賢明だと思ったんだ。それなのに梨夜りよの奴は…」
俺が半ば呆れながらも話していると、架芭音かばねも俺と同じく呆れながら、
「…まぁ、いつものことだけど…。今回のは命に関わることかもしれないからね…俺から梨夜りよにやめるように説得してみようか?」
「…う~ん…。お前は梨夜りよに言えるか?言えそうならお願いするけど…」
「大丈夫だよ、任せて」
「…分かった」
とは、言ったものの、心配なとこもある。大丈夫なのか…?
まあ、架芭音かばねなら止められるかもしれないと思っているし、任せてみるか。
曲がり角を曲がり図書室に到着。
鍵は開いているようで、図書室の電気も付いている。 4

今回はここまでです。
閲覧頂きありがとうございましたm(*_ _)m
また続きを投稿していきますので、良ければ覗いていって下さいね((ヾ( ◍´꒳`◍ )

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