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世界の文字

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世界の文字:アフリカ~中東

世界の文字:アフリカ~中東

アフリカのサハラ以南では、一部の部族単位で固有の文字があったりするが、広範囲で支配的な文字文化は存在せず、ヨーロッパによる植民支配時代に各現地語にラテン文字が当てはめられ、現在はほぼラテン文字。

サハラ以北のイスラム圏では、アラビア文字が主流。

アラビア文字は、右から左(ただし数字は左から右)。
ネットカフェでパソコンを使ってみると、Windowsのディスプレイが左右反転している。
スタートボ

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世界の文字:ヨーロッパ~中央アジア

世界の文字:ヨーロッパ~中央アジア

西洋言語の文字のルーツは、フェニキア文字。
現在のレバノンにあたる海洋民族フェニキア人が考案した文字は、古来より海上ネットワークでつながる諸外国で広く採用された。

フェニキア文字は、エジプトの象形文字とは違い、単体では意味を持たない記号と発音を対応させて、20あまりの種類の記号の組み合わせでどんな言葉も表記できるという、画期的な表音文字だった。

フェニキア文字をアレンジしてつくられたギリシャ文

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世界の文字:ペルシャ~南アジア

世界の文字:ペルシャ~南アジア

アラブ文化圏との区別がつきにくいイラン。
かつてのペルシャはエジプトからトルコ、パキスタンまで広大な領域を支配する大帝国で、今もイランは、アラブっぽさもあればトルコっぽさもあり、でも地理的にはアジアに分類されている。
現在、イランだけでなくアフガニスタンやタジキスタンでも、言語名は違うがペルシャ語が話されている。

アラブの影響は大きく、ペルシャ語もアラビア文字を使用している。

もちろん右から左

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世界の文字:東アジア

世界の文字:東アジア

漢字はラテン文字の次に使用人口が多いが、それは東アジアの人口の多さゆえであって、世界の大半の国にとって漢字は複雑怪奇きわまりない謎の文字に違いない。
ジョン・サールの思考実験「中国語の部屋」でわざわざ中国語が例として選ばれたのも、西側の人にとって漢字が理解不能な文字の代表であることを示している。

文字数も異常、画数も異常な表意文字。
中国では毛沢東の改革によって、画数が簡略化された簡体字が使用さ

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世界の文字:東南アジア

世界の文字:東南アジア

東南アジアは、西欧からインドシナと名付けられたように、インドと中国の影響が見られる。

ベトナムはもともと漢字文化圏だったが、フランス植民支配時代にラテン文字に切り替えられた。

複雑な発音体系を持つベトナム語をラテン文字でカバーするのは無理があったのか、特殊な記号が多用されている。

書道の文化もある。
漢字文化時代から引き継がれているのだろうが、ラテン文字の書道にはどうも違和感が残る。

ラオ

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