【小説】アネシカルリサーチ シークレットクラブと倶利伽羅のカルマ 15
「和馬なら、分かってくれると思っていたよ」
「おだてる必要はない。瀬戸熊は、おれなら簡単に説得できると思っていたんだろ?」
「言い方が悪いな。和馬はぼくたちと同じ、選ばれた側の人間だと信じていただけさ」
「選ばれた側ね……。だから他人の生活を覗き見てもいいし、大麻を吸っても捕まらないと」
「なあ和馬。それ以上突っかかるのはやめてくれ。やると決めたんだろ?」
「……分かったよ」
「今は幽玄の試験をクリアすることだけを考えよう。倫理と道徳について議論を交わすのは、それからでもいい