第2回『中華そば』

はじめまして、あさい妹です。
この度、血は繋がっていないけれど、遠い親戚であろう浅井同士で交換ノートを始めることになりました。

前回のお兄ちゃんの回を読んだ方は、私がどんな人間かなんとなく想像できたでしょうか。想像できなかった方は、白いおまんじゅうが笑っているのを想像してみてください。まんまる笑顔でケタケタ笑っているそのおまんじゅうが、私です。

この『散歩のつづき』は、お兄ちゃんとの浅草散歩がきっかけで始まりました。
その日は小雨が降っていて、しばらく屋根のある道を歩いていると横断歩道を渡るところで屋根がなくなり、傘をさしたり閉じたりを繰り返していました。
屋根がなくなるたび「あ、」と少し慌てる私に対し、傘の動作がスムーズなアサイ兄。ふとした仕草から「あぁ。お兄ちゃんはやっぱりステージに立つ人だなぁ。」と感じることがよくあります。


私は中学1年生の頃からGOING STEADY(ゴイステ)の大ファンでした。初めてゴイステを知ったきっかけは、他校の男の子から遊ぼうと誘われ、その子が公園に着てきたのがゴイステTシャツ。

「ごーいんぐ…すてあでぃ…?」

スペルを間違えないようTシャツに書かれた文字を変な読み方で覚え、忘れないよう何度も口ずさみながらそこままCDショップへ。その日から私はゴイステファンになり、通学時も寝る時も毎日聴きつづけ、歌詞カードをじっと見つめては、同じ苗字だからという理由で「いつかアサイタケオさんに会う!」と念じていました。

特別調べたり、探したりすることもなく。それでも私の強い思いは大学生になっても変わらず、友人に「いつか絶対会いたい人がいるんだよね」と話すと、友人は「会いたい人には3人辿れば会えるよ」と言って、「3人かぁ…」とお天気の良い日のバス停でぽかーんとしていた思い出があります。

そして数年後。友人の松本くんの紹介で知り合い、こうして交換ノートを書くことになるとは。


もしかしたら会いたい人には、こっそりでも強く願っていれば会えるのかもしれません。


話は逸れましたが、お兄ちゃんと行った浅草の甘味処『山口屋』で食べた中華そばが、初めて食べたのに懐かしい気持ちにさせてくれる一杯でした。

そしてその懐かしさは私の心をほぐし、素直な気持ちを引き出してくれます。

そこでは2人で色んな話をしました。

お兄ちゃんは大会に出場するほどアジが好きなこと、
コロナ禍での飲食業のこと、
友人の松本くんが最近頑張っていること、
SNSに対して感じていること、
私が新しく仕事を探していること…

中学生の頃から会いたいと強く願っていたのは、きっとこういう自然な話がしたかったからかもしれません。

胸がいっぱいになった日の翌朝。
昨日までお兄ちゃんに新しく仕事を探していると話していた自分が嘘のように、新しくやりたいことが花火が打ち上がるように思い浮かびました。



…寿司職人だ!


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お兄ちゃんへ
あれから新しくやりたい仕事が見つかりました。
寿司職人です。
これから大変なことも増えますが、その分ブログのネタも増えそうです。(すしだけに)
交換ノート、これからどうぞよろしくお願いします。
妹より
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