【試練】実習生 VS 実習記録
こんにちは、たかなしです。
今回は、実習記録についての考察をお伝えします。
このnoteを読んで、保育者養成課程に通う学生の皆さんにとって、少しでも参考になれば幸いです。
実習記録?日誌?皆さんの学校ではどう呼んでいますか?
まず、皆さんの学校では実習記録をどのように呼んでいるでしょうか。
実習記録、実習日誌、または他の名前で呼ばれているかもしれません。
呼び方は異なっても、その本質は同じです。
実習記録とは、実習生が保育現場での体験を詳細に記録し、振り返りや考察を行うための重要なツールです。
実習記録とは?
実習記録は、保育の現場での体験や観察を詳細に記述し、それに基づいて考察を行うものです。
これには、日々の活動内容、子どもたちの様子、自身の気づきや学び、さらには改善点や反省点などが含まれます。
実習記録を通じて、保育者としてのスキルや知識を深めることができるのです。
私は実習記録に悩まされた4年間でした
正直に言うと、私は実習記録に悩まされた4年間を過ごしました。
毎日の実習後に詳細な記録をつけることは非常に大変でした。
疲れ果てた状態で、さらに頭をフル回転させて記録を書くのは、まさに「睡眠時間をむしばむ」作業でした。
しかし、この記録作業がどれほど重要であるかは、保育士になってから改めて実感することになりました。
実習生の睡眠時間をむしばむ実習記録
実習生の皆さんにとって、実習記録を書く時間は大きな負担となることでしょう。
実習が終わった後、身体も頭もクタクタの状態で記録を書くのは、容易なことではありません。
しょうもない寝てない自慢になりますが、実際、私が実習生だった頃、毎晩遅くまで実習記録を書いていました。
ある日のこと、私は朝から夕方まで実習に出かけ、帰宅後すぐに記録を書き始めました。
時計を見ると、すでに深夜の1時を過ぎており、翌朝の実習のために4時間しか眠れないという状況でした。
その夜の記録には、子どもたちの細かな行動や発言を書き留め、その背後にある心理や背景について考察を加えました。
例えば、ある子どもが突然泣き出した場面では、その理由を探るために保育者としてどのような対応をしたか、そしてその対応が子どもの心情にどう影響を与えたのかを詳しく記述しました。
こうした細かな作業は時間がかかりますが、実習記録を通じて自分の保育の質を高めるためには欠かせないプロセスでした。
過酷すぎる実習もいかがなものか
このような過酷な実習については保育者養成課程の教員としていろいろと思う部分があります。
みなさん当たり前のように実習していますが、これが保育業界の当たり前だと思わないでほしいです。
少し話が逸れましたが、慢性的な人手不足であるこの業界であるあからこそ、より魅力的な職業として認知してほしい。
だから学び方についても検討が必要だと思っています。
保育士になってから改めて思うこと
保育士になった今、実習記録の重要性を改めて痛感しています。
記録は、自分の保育を振り返り、子どもとの関わりを見直すための大切なツールです。実際のエピソードとして、ある日、4歳の男の子が友達と遊ぶ中で喧嘩になった場面がありました。
その時は即座に介入し、双方の話を聞きながら仲直りを促しましたが、その日の実習記録に詳細なやり取りを書き込み、喧嘩の原因や子どもたちの感情の動きを分析しました。
保育士として働き始めてから、この記録を見返すことで、同じような場面に直面した時にどのような対応が適切かを考えることができました。
また、他の保育士と情報を共有する際にも、この記録が役立ちました。
例えば、新しい同僚が同じクラスを担当することになったとき、その子どもの特徴や過去のエピソードを伝えるために実習記録を参考にしました。
これにより、新しい保育士もスムーズに業務を進めることができ、子どもたちに一貫した対応ができるようになりました。
記録の形も様々
実習記録の形は一つではありません。
エピソード記述やドキュメンテーションなど、様々な方法があります。
エピソード記述は、具体的な出来事を詳細に記録する方法で、子どもたちの行動や発言を通じて、その背景や意味を考察します。
エピソード記述をする際に参考にした書籍が,鯨岡先生の本です。
少し難しかったのですが,エピソードが書けないという悩みの客観的な解説や、エピソードが立ち上がる具体的な場面などについても記載があり、参考になります。
一方、ドキュメンテーションは、写真や図を用いて視覚的に記録する方法で、子どもたちの活動やプロセスを視覚的に追うことができます。
私の園でもドキュメンテーションの作成を行っていました。
大豆生田先生の書籍が、写真付きで解説もわかりやすくておすすめです。
よろしければ参考にしてください。
Kindle版の方が少し安いですね↓
図書館にもあると思います。保育者のみなさんは園で一冊あると便利かもしれませんね。
実習記録で特に難しい「気づき」と「考察」の部分
実習記録の中で、特に難しいと感じるのが「気づき」と「考察」の部分ではないでしょうか。
気づきとは、子どもたちの行動や発言から何を学び取ったかを記述することです。
そして考察とは、その気づきを元に、自分自身の保育や子どもたちの成長に対する理解を深めることです。
これを行うためには、観察力と分析力が必要です。
難しいと感じない方は?
もし、この部分が難しいと感じない方がいれば、それは保育の才能を持っているか、またはまだ考察が十分にできていない可能性があります。
実習記録を通じて、自分自身の保育を深く見つめ直し、改善していくことが重要です。
難しいと感じることは、それだけ自分が成長する余地があるということです。
大変ですね。実習中にこのnoteまでたどり着いた方、早く書き終えて早く眠れますように。
エピソードとして捉える4つの視点
大前提として私は、実習 = 記録を書くためのネタ探しの時間
になってしまうのは、大変もったいないことだと思っています。
書き方や捉え方は、経験と共に力がついていくものであり、トレーニングが必要です。
記録はもちろん大切なのですが、実習に取り組むみなさんには、子どもと全力で遊んで、保育者としての責任を感じ、何より保育園の日常を楽しんでほしいと思っています。
ですが、記録からは逃げてはいけません。エピソードとして捉えるための視点を5つにまとめました。
子どもに対する視点
個々の発達段階の把握:子どもの年齢や成長に応じた行動や言葉遣いを観察し、どのような支援が必要かを考える。
興味・関心:子どもが何に興味を示しているのか、その遊びや活動にどのように取り組んでいるかを観察。
情緒の理解:子どもの感情表現やストレス反応を捉え、その背景やサポートの方法を考える。
集団行動と個別行動:子どもが他の子どもとどのように関わるか、また一人でいる時間にはどのように行動しているかに注目。
保育者に対する視点
コミュニケーションの取り方:保育者が子どもにどのように話しかけ、指導・支援しているかを観察。
配慮のあるサポート:子どものニーズに応じた適切なサポートやケアが行われているか、どのように工夫しているかを確認。
専門性の発揮:保育者がどのように専門的な知識や技術を使い、日常的な保育を行っているかを記録する。
チームワーク:保育者同士の連携や他スタッフとのコミュニケーションの取り方に注目し、施設全体の協力体制を理解する。
子ども同士の関わりに対する視点
相互作用:子ども同士の遊びや対話、問題解決の様子を観察し、社会性の発達を確認する。
協調性と競争:どのようにして協力し、競い合う場面があるか、それがどのように解決されているかを捉える。
友達関係の形成:子どもがどのように友達を作り、その関係がどのように維持されているかを観察する。
対人スキルの発達:子ども同士の関係性や会話から、対人スキルやコミュニケーション能力の成長を把握する。
子どもと保育者の関わりに対する視点
信頼関係の構築:子どもと保育者の間に築かれている信頼関係の深さや、それを形成するためのアプローチに注目する。
導入とフォローアップ:保育者が子どもに対してどのように活動を提案し、サポートしながら活動を続けさせるかを観察。
感情的なサポート:保育者が子どもの感情に対してどのように寄り添い、適切に対応しているかを記録する。
学びの促進:子どもが保育者からどのように学び、指導されているか、その結果としてどのような成長が見られるかを記録する。
保育環境に対する視点
安全性と快適性:環境が子どもたちにとって安全で快適であるか、どのような配慮がなされているかを確認する。
学びの空間:教材や遊具が子どもの学びをどのように促進しているか、その配置や活用法を観察する。
活動の多様性:室内外の活動や静と動のバランスが取れているか、環境がそれにどのように貢献しているかを評価。
環境の柔軟性:子どもの発達やニーズに応じて、環境がどのように変化し適応されているかを記録する。
以上、ざっくりと4つの視点にまとめました。しかしこれが全てではないとも思います。参考にしながらも、保育現場で感じた、感動、驚き、苦悩など、記録として残しておきましょう。
最後に
実習記録を書くことは、決して簡単なことではありません。
しかし、その苦労が後々の自分自身の成長に繋がることを信じて、取り組んでください。
保育士として現場に立つとき、この経験が必ず役に立つことでしょう。
皆さんの実習が充実したものとなるよう、心から応援しています。
実習記録をもっと効果的に、そして楽しく書くためのコツになりますように
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