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「おっさんだって恋はした~ダメな恋だったけど~6」
結衣に美香との関係を話した後、結衣は少し引いていたが受け入れてくれて良かった。本当は違ったのかもしれないが・・・。でも、私に対しての反応は変わっらなかったので結衣には本当に感謝している。話を聞いてくれて。受け入れてくれて。
結衣に話してから2週間、その他のことは、これまでと同じように出来るだけ普通に過ごした。実は結衣に「職場の人には絶対にバレるな」と念を押された。職場にバレることでみんなに与える衝撃は大きい。なのでみんなには絶対にバレるなということだった。それは絶対に守らなくてはいけない。
そう思ってバレないようにしていたが、職場での美香との関係はそれに反してどんどん楽しく心躍るものだった。アイコンタクトが増え、お互いに笑顔が増えたように思う。そして、絶対に他に誰もいないと確信している時の倉庫での数秒のキス。
バレてはいけないギリギリの中での最大の瞬間のだった。やり過ぎな部分はあったかもしれないが、お互いにどうにか抑えていたんだと思う。
来週はデートだから。それまでは何とか抑えていた。
デートは月に1回。もっと会いたいが、お互いに職場や家庭にバレてしまうわけにはいかない。そのために月に1回が最大の頻度なのかもしれないと思っていた。
会いたい。会いたい。そう思いながら過ごす毎日は辛かった。でも、居場所のない家庭の中で、何もなく過ごす時間よりも、美香を想い「会いたい」と気持ちを募らせている方が、心は満たされていた。
そして、美香と会う日がきた。
初めて会った時と同じ時間と同じ場所で待ち合わせをしてる。
午前9時に待ち合わせ。この時間から行けるところなんてほとんどない。しかもこの日は平日だ。喫茶店くらいだが、そんな時間から2人で喫茶店にいって職場の人に見つかってしまっては意味がない。職場の人と会わないような場所で待ち合わせはしているが、可能性は出来るだけ低くしたい。
可能性は低くしたいが、何より1か月ぶりに美香の温もりを感じることができると思い、気持ちは高ぶっている。高ぶる気持ちを必死に抑え、待ち合わせ場所に向かった。
今日も美香が先についていた。美香のことを見つけ足早に近づくと、美香も私に気づいた。
美香「おはようございます」
私「おはよう。今日も早いね」
美香「早く来て待っているのが好きなの」
私「そうなんだね。待たせるのは申し訳ないけどね」
美香「今日は。どこ行く?この時間はどこもないから、私の行きたい場所に行ってもいいかな?」
私「いいよ。でも俺も行きたい場所があるんだけど・・・、ホテル行こう」
美香「私もそう思って」
お互いにちょっと笑ってしまったが1ヶ月抑えていた気持ちがギリギリの状態で、今にも破裂しそうだった。
近くのホテルを探し、向かった。念のため周りに知っているような人が誰もいないことを確認しながら。
やっと美香と会えた。やっと美香を抱きしめることができた。やっと美香を感じることができた。求めて求めて。何度も何度も抱きしめて、何度も求めた。お互いに求めあう理由は違うかもしれない、でも足りないものを必死に埋めるかのように求めあっていた。
こんなに激しい一面があることに自分で驚いている。今までどこか冷静で客観的にしか自分を見ることができなかったが、美香と同じ時間を過ごすと、自分でも知らない自分が出てくる。自分の欲望のまま美香を抱いた。
ふと気づくと数時間たっている。また昼の時間になっていた。
私「自分勝手に何度も求めてごめん。」
美香「大丈夫。それがすごくいい。本当に私のことを求めてるんだって思えるからすごく満たされる。」
私「時間たつの早いね。もう昼食の時間だよ。何か食べる?」
美香「うん。でももっとこうしていた」
年甲斐もなく理性を飛ばして美香を求めた。
こんな風に誰かを求めることを、心のどこかで諦めてた。自分にはもうできないことなんだなと。でも実際にはできている。それも思っていた以上に自分を取り乱して。
結局、この日はずっとホテルにいた。
あぁ最悪なことをしてしまった。
本当は他のカップルのようにデートしようと思っていたけど、できなかった。
私「ごめんね。こんな時間までホテルで過ごすことになってしまって」
美香「良いの。ずっと一緒にいたからこれでまた来月まで我慢できる。何より浅広さんが私のことをどれだけ求めてくれてるかわかったから。」
私「そう言ってくれてありがとう。でもなんか恥ずかしいね。」
美香「また、来月会ってくれる?」
私「もちろん。また会おう。」
美香「良かった。来月はデートしよ。本当の恋人みたいに手を繋いでデートがしたい」
私「そうだね。それならちゃんとデートコース考えてくるね」
美香「嬉しい。楽しみにしてるね」
そんな風に次回の約束をして、美香とはこの日は別れた。
別れた後に美香からメールが届いた。
美香「今日はずっとホテルにいたけど、気にしないでね。私は凄く満たされてるから。」
私「自分勝手かなと思ってたけど、そう言ってくれると安心する。」
美香「うん。もうまた会いたくなっちゃった。」
私「俺もだよ。」
美香「嬉しい。このメールもちゃんと削除するんだよ!」
私「わかったよ」
美香とのメールはいる。全て消している「削除」しているこれもバレるのを防ぐためだ、連絡を取っていた証拠が残っているとそれだけでリスクが上がってしまう。
本当は残しておきたかったメールはたくさんあったけど...。
本日はここまで続きは次回
次回は「完全に好きになってしまった」です。
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