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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

問われてきました。


※ネタバレあります


そんなに興味があるわけではなかった。
観てない作品も結構ある。ナウシカは虫が怖くて観られない。
だから映画館に観に行くつもりも正直なかった。

ただあまりにも0か100かと言われているので、自分はどちらなのかを確かめに行った。
というよりは、理解できるはずがないという前提で、自分の理解できない度を量りに行ったというほうが近い。私は猫の恩返しが好きです。


一人の少年が母を亡くし、見知らぬ土地で母に顔がそっくりな女の人に自分の新しい母だと告げられた。お腹にはどうやら弟妹どちらかがいるらしい。
でかい屋敷に老婆がたくさん、父は新しい母らしい人を好いている。
あのとき、母を火の中から救えていたなら。
燃える夢は少年の目から涙を流させるのに充分だった。
胡散臭い鳥と謎の塔、まつわる噂、異世界に迷い込んだ母らしい人を助けてあげなければ。それに、まだ母は生きているというし…

物語を通して私が思えたのは、火と水(液体)の対比です。
病院で燃えた母、思い出し涙、アオサギが液体でつくった偽物の母、火を操る異世界の人、海に沈み、上がったら目覚める自分。あとなんか他にもあった気がするけれど忘れた。
対比だなんて言葉を選んだけれどそれが何を意味するのかはわかりません。意味なんてないかもしれないし。
なんかただ、火と水って真反対だよなあ、描写がよう出てくるなあって思ったくらいです。

あとは落ちていった異世界が"人が生まれる前の世界"だとして、アオサギやペリカンやが出てきたので
鳥…生まれる…コウノトリ…とかも思いましたが全然でてこなかった。むしろペリカンらはワラワラを喰ってた。そのあとインコも出てきたから鳥パーティーきたじゃん!って思ったけれど全然出てこなかった。はは。

今までのジブリ作品で見覚えのあるシーンとかもありましたよね、ないですか?違いますか?なんていうんですかああいうの、セルフパロ?セルフオマージュ?なんか観たことある!って思ったところがいくつかあった気がするんですけれど。



こんな感想をだしておいてアレですが、最初から集中して観ていました。
なんとかわかるところを探して、持って帰ろうと思っていたんです。考えることをやめたらその時点で「おもしろくなかった」の感想しか出てこなくなってしまうと思ったので。
映画の観方としてこれはどうかわからないけれど、私はそうしてよかった。

エンドロールで救われた部分がたくさんあります。
本編を観ただけではできなかった紐づけが、曲を聴いたことで私でも少しできた気がします。


観終わってからすごくわかってそうな方たちの考察や感想を少し読みました。
監督の頭の中、自分自身の物語、退く前に本当の自分をさらけ出した、等々書いてあったと思いますが
なーんだ、そりゃわかるわけねェか。となりました。これは悪い意味ではないです。自分的にはめちゃくちゃすっきりする理由。

だってすげー人の頭の中って未知であるだけワクワクします。
わからないから見つけようとするし、すごいすごいっておもしろがれると思うので。
そう思った上で、監督と、制作に携わったすべての方々との、情報感情の共有が恐ろしく素晴らしいんだなと改めて感じました。
監督一人の頭の中の表現であるならなおのこと、余すことなく伝えきるってとっても難しいですよね。え、できんだそれってって。
でも誰かと何かを作るって、そこがないと始まらないんですもんね。

曲を聴いて少しわかったと書きましたが、主題歌を紐解くことで理解するという記事も読みました。とてもわかりやすかった。
もし監督と、主題歌制作の方がお話を重ねていく上で
「このじいさん…何言ってんのかわかんねェな……」
「言いたいこと伝わってる気がしねェな……」
って一瞬でも思っていたら、私のような者はわかった気にすらなれなかったんだろうなと思うとありがたい限りです。
天才、すごすぎる。


「おもしろかったな」と思えてよかったです。
ただ、自分が自分に思ってきたことを投げかけてくれているだけだとしても
"ストーリーどうのではなく監督の頭の中を表現"である作品のタイトルで
【君たちはどう生きるか】って問うてくるの、激ヤバ。



ちょ、思い出したことをもうひとつだけ。
主題歌の曲中に鳴る何かが軋む音、何十年とあらゆる作品に向き合い、机に向かってきた時間そのものだとしたら。

私は明日何をしようかな。

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