もものかんづめ さるのこしかけ読みました。


友だちと文通をしている。
まだ続いている。

友だちはもともと読書家なので、最近読んだものでオススメを聞いた。
私は本当に気分が乗った時しか本は読み続けられず、オススメを聞くならば私もなにかひとつタイトルを、と吹けば飛ぶよな男だがを書いた。

私なんかでも読みやすいやつで頼む、とお願いし、
返ってきたのはさくらももこさんのエッセイだった。エッセイを紹介したから、エッセイで返してくれたのだろう。そういう粋なことがさらっとできてしまう友人なのだ。
調べるといくつか出ているらしい。順番に読みたい質である。
早速図書館のHPから予約図書にて探した。便利な時代に感謝。

するとどうだ、全て貸出中になっている。
誰か私たちの手紙を見ているのではないかと思うタイミングだと思ったが、よくよく考えれば子供たちは夏休み期間である。明らかに異質なのは私だ。
"大人"なのだから、買えばいいものを。最近SNSでこのての論争を目にしたばかりだったので勝手に拭えない気まずさを感じている。

結局1週間ほど待った。その間に今度会った時に貸そうか?と返事が届いていたが、せっかくなら会う前に読んで感想を手紙にしたためたいと思ったのでそのまま図書館のものを借りることにした。


さくらももこさんは面白い。
面白い人、というのがこんなにも当てはまるのかとニヤニヤした。
もちろん私も幼少期、日曜6時は必ずアニメを見ていたし、
のちに作者がさくらももこという人だと知り、まるちゃんはほぼ作者本人ということを知るのだが
創作というフィルターを通さずに見たときのヤバさ。
どこか達観していて、それでも子供心のようなものを忘れない姿勢。
興味関心のままあっちへそっちへ行ったり来たりで、民間療法と旅行記の類は特にツボだった。

私はどうしても、こういう人は感性が他の人と違う、というような感想を持ってしまうんだけれど
全く同じ感性の人などいないとも思っているし、"私"と違うだけなんだよな。
だからこそ面白いし、とても羨ましくなる。

本人の中にずっと変わらない1本の芯があって、だからこそいろんな挑戦が出来るし、愛し愛され面白くなるんだろうなと思った。

巻末の対談で、身の回りでまだまだ面白い事は起こっている、本当に起こっている、書き切れていないというようなお話をされていて
そんなことあってたまるかと思いつつも、ガチなんだろうなと笑ってしまう自分もいて
さらにそれが身内ネタで終わることなくこちらに届けられている構図全てが素敵である。ほんと、なんであんなおもろい。わからん。おもろい。


全体をさらさら~っと読んで、覚えている面白さもあれば、すぐに忘れてしまった面白さもある。忘れてるの、おもろ。
内容は強烈なんだけれど、日常に近すぎて逆に覚えてられないのかも。
いや、知らん、ただの記憶力の問題の気もする。
私、感想を手紙に書くとか言ったけれど、なんかこんなうっすいことになっててウケるな。

まだまだ彼女の自伝は何冊も続いているようだ。私はこれからも少しづつでも手に取って、強烈さに笑ったり乾いた声を出したりしたい。
そして忘れて、あれ、なんだったっけと気になってもう一周したりしたい。


親愛なる友人へ。オススメどうもありがとう。

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