吹けば飛ぶよな男だがを読みました。


前々からSUPER BEAVERのフロントマン、渋谷さんのダ・ヴィンチwebでの連載【吹けば飛ぶよな男だが】が大好きだ。

私が読み始めたのは確か連載3回目くらいが投稿されていたあの日。
2年弱も連載されていたのですね。
この度晴れて、一部書下ろしと短編小説を加えたかたちで書籍化、おめでとうごさいます。めちゃめちゃ嬉しい。嬉しすぎる。

日常で、考えまくっていることを、あーだこーだと自分の中でも視点を変えながら
それでも俺はこうだと筋を通しているあれこれ。言葉のチョイスが面白い人は文字にしたとておもしろい。文字であるからなおの事、みたいな感じもあってマジで好き。語彙のなる木、蒲生の大クスくらいありそう。

そこかしこに転がっている
「いやわかってる、わかってるけどさ。」
と言いたくなるものに、目を向けまいとしても細目でもう一度見てしまったら拾わずにはいられない。
拾い上げる代わりにため息なんてものを落っことして、更にそれをいや良くない良くないなんて大きそうな肺で吸い込むんでしょうよ。

腹式呼吸だったら腹か?
でもあんな細身の腹にそんな、いやでもあの響く声の肺活量たるや、てかそれってすなわち喉のたくましさなわけで、あれ、なに?


ベッドで仰向けになり、腕を伸ばしたり曲げたりしながら、
1ページ1ページめくってはニヤニヤする。
私が特にお気に入りなのは、《ワインはいかが?》
(ダ・ヴィンチwebのときは《イッツノットマイフェイバリット》)

「なんだこいつ」の破壊力、おもしろすぎるだろ。
これ、ワインを嗜むうら若き女性が何も悪くないのが(いやそもそもその場において善悪どうのは存在しないと思うんだけれど)マジでオモロ。
アッヒャア!!と下品な笑い声が出る。好きだ~

いたって真面目な、相手にとっちゃなんてことない発言が、
私の世界を飛び出して更に180度周ったところにあるようなものだとバカおもしろいかバカ嫌悪かの2択だと思っている。
バカおもしろいがたくさんある人生だと良いと常々思っている。
常々はウソ。
ふとしたときに思っている。


短編小説もよかったですね。(恐らく)本人も出てきたりしていて。

大学生の彼はきっとそれなりに大学生活を過ごし、なんやかんや彼女もできちゃったりして、現を抜かしすぎてバイトに全然入らなくなるけれど、何かうまくいかないときは自然と足はコンビニに向かい、トシさんだかヤスさんだかの本当の話を聞きながら裏でごはんを食べるんでしょうね。
就活はきっとうまくいかないし、彼女にはなんやかんやでフラれてしまうけれど、出来るようになった発注作業を終えて、マノジのお母さまの写真を見てやっぱり小石川さんにしか見えないよと笑っていたらたった1通の内定通知が来てみんなでワッショイワッショイするんでしょうね。

良すぎ。人の縁、人生に粋すぎ。


私がよく行く近所のコンビニ、青と白の制服が眩しいコンビニの夜勤の若い兄チャンは
レジ越しで友だちとしゃべっていて、私がレジに並ぶとやっとこさ談笑を終えて
その時はチケットの支払いだったもんだから払い終えたあとは帰るだけかとその場を離れようとすると
「ちょっと!!!コレがあるんで!!まだっスよ!!!コレがあるんで!!!」とにらんできた。

コレってなんやねん。

それはまあ、支払いの控えだったんだけれど
お友だちとの談笑邪魔して虫の居所悪かったかいな。すまんな。

こういうタイミングの時に、私はどうしても偏見で、チビな女だからとなめとんちゃうかと思ってしまうわけだ。
だから帰り道、
「コレってなんやねんはっきり言えやボケぇ!!!!!!」
と下手くそな関西弁で私がレスバの火ぶたを切って落とした場合、若き兄チャンはどんな反応をするのかなと考えてしまう。


まあ、"深夜に店員に向かってブチ切れるチビの女"の方が個人的にいささかきしょいのでやらないんですけれど。
あと口下手だしリアルレスバとか無理。カンカンカン。

他の時間にそこのコンビニに行くと、よくしゃべってくれるおばちゃんや可愛くて丁寧なお姉さんがいらっしゃるので
兄チャンを含めた従業員の皆々様が、あの場所で良い縁で繋がっていたらいいなと思いました。


そんなことを思い出しました。
でももしまた深夜の兄チャンににらまれることがあれば私ははりきって精一杯思います。

「なんだこいつ」

この感じだと次は笑えるかもしれない。




この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?