映画ノイズを観ました。
どえれえ雨風の日にたまたまお休みで、もちろんのこと外に出るなんて選択肢はなく
ネトフリのマイリストを見たときにあぁ〜と思い出したようにタイトルが目に入りました。
見始めるまでがいつも遅い。取り掛かるのも遅い。
はじめの一歩が大事、だるまさんがころんだでは残しておく派でした。使うのを忘れることもしばしばあったのでよくないです単純に。
島民の少ない小さな島に、今回の主要メンバーの若者が3人。いちじく農家、猟師、そして新人警官。幼馴染な3人はそれぞれの道で大人になり、これからの島の未来を担っていくと思っていたところに島外から1人の前科者が来たことで物語は動き始めます。
かわいい妻子がいて、島復興のきっかけになる救世主だと期待されているいちじく農家
猟師でありながら、猟の時期以外は農家を手伝い、幼馴染の子供にも優しく接する存在
警官になる夢を叶えて地元に戻ってきた2人より少し年下の青年は、先輩駐在から"島民を守るということは"をある言葉で教わり強く胸に刻んでから職務にあたっていました。
それぞれのキャラクター像がくっきりしていて、また職は違えど目指す方向も同じだったのが開始1時間まで。
よかれと思って、協力し、正義のためにやっていたことが崩れ始めてからの展開ははやくておもしろかったです。
ああいう孤島での事件は、やっぱりそもそものコミュニティの狭さがめちゃめちゃ悪さをしていて、だからこそ人格が極端になりがちみたいなのをよく見ますが、それに気づく術もないんですよね。
まあ、だからといって都会の人がそうじゃないかというとそれも違うと想いますし。
私は主要3人それぞれ、
はぁー、そうよなー、そうなるよなぁー、お前だけのせいじゃないよォ
と思いながら見ていました。
農家の圭太は生まれながらの主人公みたいな感じで、海難事故で親を亡くしても同級生の女の子に俺が守ると言えるような男で
まさに誰が見てもいいヤツ。大人からも年下からも好かれる、きっと島に子供がもっといたら子供にも好かれていたんじゃないかと思います。当たり前に島の為、みんなを守るため、と行動できる男。離れ離れになってもずっと待ってると妻に言わせる男。
終盤になるにつれてもっと闇が出てくるのかと思ったんですがそんなことなかった。本当にただただかっけーヤツ。光属性。一番最後になって懺悔がありましたが、それもそっち側の人間だから出る言葉だなと思ってしまいました。
そしてそんなヤツとずっと一緒にいれば日陰者になってしまう存在もいるわけで。猟師の純は本当に優しい人だと思います。あとはなんだかんだ事件のときだけではなくいつだって自然と背中を押すというか、発破をかける役割なのも純だったんじゃないかなと。その自覚はなかったと思いますが。
今回のきっかけがなければ陥れようとも思わなかったでしょうし、一生自分の部屋の写真を増やして、ひっそりと歪に想い続けて、最期にはそれらと自分を一緒に燃やして死ぬつもりだったんじゃないかななどと。思うわけです。
一番歪で一番クソで一番美しいですね、私はかなり好きだ。
ひたすら真面目だった真一郎は、人からの言葉を名前のとおりに真正面から受け取る素敵な人でした。先輩駐在の「かさぶたになれ」を体現しようとした。心に負担をかけすぎて耐えられなくなったのと紙一重だと思いますが、駐在所でのきれいに貼られたビニールが、残されたビデオメッセージが、真面目なところの"強さ"だと思ってしまいます。
母親に聞いた自分の名前の由来と「嘘はつかないで」の言葉、タイミングがあまりにもすぎた。嘘を本当にするためのかさぶたになる決意を固めるには十分すぎる言葉の重みでしたね。見ててずっと辛かった真一郎は。
あとは最初のほうで前科者を捕まえるために手錠をだすのにもたもたしていたのが、最後は自分の銃でしっかり幕引きをしたところに対比を感じてしまってマジでツラではあった。
刑事の畠山が動かなくなっている真一郎を抱きしめたところ、好き。
圭太に「お前一体、何を守ろうとしてんだ。」って言ったところ、かなり詰まってる。
畠山が圭太と純に自白させるために真一郎のビデオメッセージの内容を偽って伝えたのに、奇しくも"親友”2人はブレなかったところ、いたたまれないのよねほんと。マジでさ、もっとあっただろお前らそれだけお互いわかってたら。
原作が漫画なのを観終わってから知ったんですが、畠山は過去がありそうですね。若い警官を亡くすことに少々トラウマがありそうというか。
経験からくる「何を守ろうとしてんだ」だったらもう俺はどうにかなっちまうよ。
どこからどこまでがノイズなんだろうと思って観てました。
隠れていたものが今聞こえてきたってだけで、ずっと鳴り続けてはいたんでしょうけれど
きっかけは前科者だったとしても、最終的にあの町長がいちばんわかりやすい雑音だったのでは、と。
圭太への期待もそう、純へのひどい言い草もそう、真一郎がビデオメッセージで語っていた嘘はもともと町長のバカな提案でしたよね。
町長が部下にきつく当たっているシーンで、耳元で怒声を浴びせ、町長がいなくなったあと部下は耳を抑えながら小さくわめいていました。頭で鳴り響いていたのは、どんな声、音だったんですかね。
ネトフリで映画を観ると映画館に行きたくなるし、映画館で観ると帰ってからネトフリ見よーってなる。
上映中の作品を検索してみましたが個人的に目ぼしいものがあんまりなかったのでどうしようかなというところです。
マリオ観ようかな。SNSで見た、キノピオの歯が見えているのがヤバいという画像で先週あたり一番笑いました。ちょっとおもろすぎた。
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