漫画 殺戮の天使(無印~EP,0)読みました。
数年前にゲーム実況で見たんですよね、最初。
そのストーリーの鮮やかさにすごくびっくりしました。
こんなことを言うとそういう方面の方々からは呆れられてしまうと思うんですが、私はほとんどゲームに縁がなかったですし、今も自分でプレイすることは0.5%くらいで、そもそもPCもハードと呼ばれる機器の類もないのでスマホゲーしか触れないような輩です。
なので見る専になっていて、製作者への還元云々を言われてしまうと頭が上がらないどころか地中深くまで行き畑から汚ェ足が生えていることになってしまうんですが
初めて"ゲーム自体にストーリーがある"と認識したのが殺戮の天使でした。
幼少期、マリオとかポケモンとか一応通ってきたんですけれど、やっぱこう、攻略じゃないですかああいうのって。わかんない、なんかこう、育てて戦うとか、技術がいるとかそういうの。さつてんもアクションゲームの括りだと今調べて初めて知ったんでそういうものなんだと驚いています。
所謂ノベルゲーみたいなほうが好きなんでしょうね私。
どんどん読んでいって選択肢でエンドが変わるみたいな。詳しいカテゴライズはわかんないので適当に書いています。
とにもかくにも、さつてんの、あらゆる溝を埋めていくようなストーリーに感動し、展開にも感動し、キャラひとりひとりに感動し、心がずーっとぶるぶる震えておりました。ザクレイ…………頭を抱えずにはいられない。
実況が見終わって、すぐに漫画を全巻買いました。丁度最終巻が出たくらいのときだったと思うんですよね。タイミングが良すぎてなんかそのこと自体にも『おれ…ツイてる……』と感動したことを覚えています。
その後アニメを見て、Episode.0の既刊分を購入。充実度が半端なかった。
ダニー「僕の瞳はアレキサンドライト」
ザック「今だけ、俺に殺されるな」
レイチェル「私の新しい神様は死んじゃった」
めちゃめちゃだいすきです。これらの台詞たち。
キャシーにもグレイにもエドにもそれぞれ象徴するような言葉の数々。
本編だけでも満足度No.1!!!!とデカポップがつきそうなのに、Episode.0にて更に深掘りされた各々を、愛さずにはいられなかったですね。
頭抱えずにいられないし愛さずにいられないし続巻を買わずにいられない。いられなさすぎ。読んでて眠れなさすぎ。
ザックは人間だと正面から伝えるレイチェル、人間だから誓いは叶わなくてもいいというレイチェル、
それでも誓いを守りに来たザック、…ッハーーーー!!!!
先日Episode.0の最終巻が発売され、終わったのか…と。
今までの天使たち、さらにその関わりのある人たち、イカレ殺人鬼たちがなぜ天使と呼ばれて違和感がなかったのかすっきりしました。
結果的にあのビル内における前日譚での天使"ではなかった"、"なりきれなかった"人らも、そこを含めてイイ。
脇を固めるキャラたちの過去ほどうまいものはありません。大好物。
公式がくれる解像度が高ければ高いほど美味しくいただけるタイプです。あんまり解釈違いみたいなのもないですし。大感謝。
レイチェルの、なぜ神という存在に執着するようになったのか、というところまで書かれていて最高でした。
まさか聖書に触れるその瞬間の描写まであるなんて。かゆいところに手が届く、人にかいてもらってる。超気持ちいい。
あのシスターが亡くなったところが、とても理不尽で綺麗でした。
確かにレイチェルのフロア以外は天使たちによって動いているんですよね。自らが手を下すことに各々の欲と美学と信念があるから。スイートスポットにハマらない人たちはどこへ行ってもらっても興味はない。ダニーはまたちょっと違うところもあるとは思いますが…
その点レイチェルは殺すこと、に対してはなんの感情もないので"天使"たりえなかった。家族になってほしいから、手段として殺しをしていたものの、別に家族になってほしいと思わない人には関係ないんですよね。
自ら手をかけたら自分のものになる、という考え的に、エドが自分とレイチェルは似ていると惚れこんだのもうなずけますが、仕掛けで死んだらそれまで。
子供でありながら頭脳明晰なばかりに、無慈悲な場面がたくさんあった気がします。でもそれも誰よりもレイチェルがいちばん身近な家族から受けてきた扱いが生んだ結果だなと。
ザックは逆に、ぬぐい切れない幼さ、無垢さが故にいちばん天使に近かった。
グレイの思う、というかっこ書きがつくと思いますが
それでも物語のなかで化け物だと思い込み、神じゃないと否定し、天使と呼ばれたことに疑問を持って、人間だと言われ少し心が解放された。
どんなときも"何を言うかより誰が言うか"が大事だと思っています。良くも悪くも。
レイチェルを天使たりえなかったと書きましたが、本編の最後で、ダニーやキャシーもやはりみな人間だったとグレイが言ったことが全てですね。
どこかおかしい、けれど人間という枠からは出られない。出てはいない。ビルに行きついた理由が様々あれど、どれも人間だからこその思考の域を出ないからだと思うと皮肉すぎて美しい。
おもろ。
アニメももう一回見ようかな。
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