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『IDEA』レビュー
『IDEA (アイデア)』は、ドローンで空撮された北欧の実写映像上を、ひらめきの象徴である『電球』となって転がっていく雰囲気と感性を重視したゲームだ。
様々な風景を目にしてインスピレーションを高め、それによって得られた『アイデア』をメッセージとして書き残して他のプレイヤーに共有していこう。
開発:TLR Games
販売:TLR Games, Shinyuden, IndieArk
配信日:2023年3月10日 / 日本語サポート有
Steamにも同レビューを公開中:Link
ゲームシステム
先に触れたとおり、プレイヤーは電球となって実写映像の上を転がって進んでいく。
自由に操作することはできず重力に従って転がるだけ。実写映像なので建物や地形、走っている車などがそのまま障害となるが、自機をクリックして弾くことで行きたい方向に導くこともできる。
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広い道ばかりではなく障害も多いので、思い通りに進もうとすると意外とテクニカルに感じるだろう。
1画面=1マップという構成となっていて隣の画面に移ると風景も変わる。田舎道から川沿いの道、街なかの道路、線路や雪道など様々だ。そうした風景からインスピレーションを得ていくというわけだ。
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特定の地点にたどり着いてエンディングを迎えるか、制限時間内に次のマップへ移動できないとゲームオーバーとなり、その場にアイコンとテキストメッセージを書き残せる。
メッセージはゆるいオンライン要素として他のプレイヤーに共有されるので、そこでどういう『アイデア (考え・思いつき・理解など)』に至ったかを残すわけだ。
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1プレイを通して流れるBGMが終了することでもゲームオーバーとなるが、マップに留まれる方の制限時間よりもだいぶ尺が長いので、それほど気にする必要はないだろう。
日本語サポート
UI/テキストが日本語に対応。
メッセージ機能を除いて、プレイ中にテキストの類は登場しない。しかし本編のプレイ前に用意されているチュートリアルはわかりすく読みやすい文章となっていて、品質は良いと感じた。
できることや目的がわかりにくいゲームでもあるので、プレイヤーを放り出すことなく、こうして丁寧なチュートリアルを用意してくれていることは評価したい部分だ。
ローカライズサポートは 合同会社Shinyuden (http://shinyuden.com) が担当している。
2023.3.13のpatch1.19.11で日本語フォントが差し替えられ、またリリース当初違和感のあった一部の訳語が修正された。しかし、新たにテキストの一部が欠けてしまったり、文字化けが発生している状況だ。
またゲームオーバー時のリトライを示す「NEW JOURNEY」が「しんろく」と不明な訳が当てられて状況もそのままなので、筆者からも再度フィードバック済だ。
気になるポイント
エンディングやゲームオーバーを迎えた際にメッセージを書き残せるが、2023.3.10のリリース時点ではマルチバイト文字は入力できず、シングルバイト文字のみが入力可能だ。
つまり日本語で書くことができないのだ。
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本作のユニーク且つ重要なゲームシステムなので、日本語サポートを謳うのであればここも多言語に対応してほしかった。既にフィードバック済なので、修正に期待してそれまではアルファベットやローマ字で書き残すといいだろう。
総評
アーティスティックなゲームなので目的を持ってプレイするようなものではないが、そこで何かを発見できるかも知れないという期待を持って望むことはできる。
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同じゲームをプレイしたとしても、その体験を通じて得られるアイデアはそれぞれだ。それを個人だけのものとせず、メッセージという形で誰かに共有できるという試みはステキなことではないだろうか。
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