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社交不安障害

社交不安障害へ認知行動療法も有効です。

社交不安障害には、
(1)他者から否定的に評価されることへの恐怖と
(2)自意識が過剰な状態が関わっています。 他者に良い印象を与えなくてはいけない、という固定観念を持つ場合が多いと考えられてます。



自分はうまく出来ないという思い込みが加わり、自分に対して実際以上にネガティブに評価してしまいます。他者から否定的に評価されることへの不安は、一層強く感じられます。



実際には、他者は、自分が考えているほど否定的に評価していない場合も多いですが、自分の感情に気を取られて、周囲の人を冷静に観察しづらくなります。結果的に社交的な状況を避けるような行動習慣が身についてしまうと、慣れていくことが難しくなります。 誤った固定観念を修正し、自意識が過剰な状態を解消して、適応的な行動パターンを獲得していくことが必要です。
そのためには、自分の考え方のクセに気づくことが助けになります。認知行動療法では、毎日ノートや日記などで、その日の思考記録を記入していきます。

思考記録の具体的な記入例
①どのようなことが起こりましたか?
出来事と自分の行動について、できるだけ具体的に一つの出来事を切り取って書き込んでみましょう。

②どのような気持ちがしましたか?
嬉しいとか悲しいとか一言で、その時感じた気分をすべて挙げてみましょう。それぞれの気分を0〜100%で評価しましょう。

③どのような考えが頭に浮かびましたか?
自動思考とは、そのときどきでぱっと頭に浮かんでくる考えやイメージです。主語を入れて書いてみましょう。先ほどの気分と一番結びついている考えはどれでしょうか?

④考えを正しいとする事実を振り返りましょう。
なるべく客観的な事実を書いてみましょう。

⑤考えと矛盾する事実を振り返りましょう。
自動思考と矛盾する事実はないか、反証を探してみましょう。

⑥バランスのよい考え方をしましょう。
根拠と反証に基づいた新しい考え方を導き出してみましょう。

⑦気分が変わりましたか?
気分と強さを書いてみましょう。

新しい考え方に基づいて、可能でしたら、これからの行動計画を立ててみましょう。



自動思考をうまく思い浮かべるには練習が必要です。
自分についてどう考えたか、相手についてどう考えたか、こんなことが起こるのではと心配したことはあるか、など振り返ってみましょう。



思い込みや白黒思考、べき思考、自己批判、深読みなど考え方にクセがある場合があります。最も辛い気分に関係する考えを探してみて下さい。



辛い気分の時に反証(その仮定的事実や証拠が真実でないことを立証すること。そのための証拠。) を考えるのは難しいですが、冷静に見逃していることはないか、他の人が同じ立場にいたらどうアドバイスするか、自分の力ではどうしようもない事柄で自分を責めていないか、これまでにどのように考えたら楽になったかなど振り返ってみて下さい。


一人で解決が難しい場合、公認心理師の協力を得ることが有効です。通常、カウンセリングでの認知行動療法は、1セッション50分で、10回以上のカウンセリングが標準的です。

アサヒカウンセリングではカウンセリング以外で困ったこと、どうしたら良いかわからない時など、LINEでメッセージをしてくだされば、その都度サポートしていきます。
次のカウンセリングまでの不安を少しでも軽減できるようにケアをしていきます。詳細は初回カウンセリング時にお聞きください。

不安感の背景にある考え方に気づくことで、見方を変えて、不安が起こりにくい適応的な考え方を習得することができます。
その上で、不安な状況にあえて直面することで、対処できる自信が身につきます。そのような経験を通じて、不安感を克服することができるようになっていきます。

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