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Paris2024のピクトグラムからデザインにおける選択を学ぶ

もう終わってしまったParis2024。
今月のデザイン勉強会でオリンピックの気になるテーマをあれこれ持ち寄ったのでこちらにまとめました。
私が取り上げたテーマは「ピクトグラム」と「フォント」でした🧐

モチーフ「アール・デコ」

ピクトグラムとフォントが共通して表現しているモチーフは「アール・デコ」でした。

アール・デコ風な建物やグラフィック

「アール・デコ」はフランス語で「装飾美術」を意味。
アールデコは、シンプルで合理的な、幾何学図形をモチーフにした直線的で記号的な表現が特徴の装飾美術。
直線的な表現と対して、曲線的なスタイル「アール・ヌーボー」も流行しましたがアール・デコよりも少し古い時代のデザインです。

現代的な直線「アール・デコ」がパリの歴史と文化を象徴するスタイルとして選ばれたのかもしれません。

詳細:https://olympics.com/en/paris-2024/the-games/the-brand/design_full_old

ピクトグラム

Paris 2024のピクトグラム

ピクトグラムというより、紋章ですね。

特徴

  • 紋章スタイル:各競技のピクトグラムは、フランスの石畳をイメージした「紋章」のようなデザイン

  • シンメトリー:左右対称のデザインが多く、フランスらしい美しさと優雅さ(アール・デコ調)を表すデザインに

  • 競技用具の表現:各競技の特徴を示すために、アーチェリーの矢やテニスのラケットなど、競技用具がデザインに取り入れられています。人の要素が排除されていますね。

  • 色彩:多様性とパリ2024のスローガン「広く開かれた大会」の精神を表すために、青、赤、緑、紫などの色彩が使用されています。

TOKYO2020 のピクトグラムはとっても話題になりましたが、一目見ただけで情報が伝わる「ピクトグラム」はいつ始まったのでしょう。

ピクトグラムは東京1964オリンピックから採用されており、各競技を表現するために様々なシンボルが使用されてきた。東京1964以降、各競技を象徴するピクトグラムは、開催国によって様々な工夫が凝らされ、大会ごとに様式が変更されてきた。

パリ2024オリンピック、62スポーツのピクトグラム発表

な・・なんとー!!

東京1964オリンピックのデザイナーさんの精神

東京1964オリンピックのピクトグラムは、11人のデザイナーが3ヶ月かけて制作した重要なデザイン成果でした。制作完了後、大会のアートディレクターを務めた勝見勝氏は、デザイナーたちに「ピクトグラムの著作権放棄」に関する書類への署名を求めました😳 😳 😳

この著作権放棄により、ピクトグラムはオリンピック後も広く一般に利用可能となりました。その結果、多くの公共施設や交通機関などで案内表示として採用され、現代の標準的なピクトグラムの基礎となったそうです。
配布サイトはこちら

競技や種目を表すピクトグラム
設備案内を表すピクトグラム

東京2020
この1964の東京オリンピックの東京オリンピックのピクトグラムをもととしていますね。


フォント

ちなみに、疲れてきたのでフォントは割愛します🥺

こちらでフォントも配布されています。こちらもアール・デコ調のフランスらしさとスポーツの力強さが掛け合わさった内容ですね

デザインの選択

「文化的要素」か「ユニバーサル」か。

正直、Paris2024のピクトグラムを見たときに、一瞬では競技を理解できず2-3秒見てじわじわ理解できました。
理由は、以下のようなことが考えられます。

  • デザインが複雑:デザインがシンメトリーになって線の形状になっています。要素が多く、複雑性が高いので識別しづらいのかなと。

  • 人型のモチーフがいないこと:競技中心になっていますね。

    • なんで人型のモチーフだとわかりやすいのかは、競技のポーズ表現で観客として見慣れている「競技の姿」を極力洗練させシンプルにしているからではないかと思います。

ただ、「東京の方がわかりやすい」と感じるのも文化的な背景でそう感じることもあるかもしれません。

競技や種目を表すピクトグラム
PARIS2024のピクトグラムは文化を表し、大変美しいです。
一方、TOKYO2020は、極力シンプルなユニバーサルデザインな「おもてなし」による人型のポーズ表現が中心に描かれています。
PARISのピクトグラムもこれまでのオリンピックの流れを変える決定は相当なものなのかと思います。

今後のスポーツでは、どのようなピクトグラムの変遷が生まれるか楽しみですね。

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