見出し画像

ブンデスリーガで1番倒産の可能性が低いクラブは!?〜2019年度財務成績の分析〜

こんにちは!
渡邉 旭(わたなべ あさひ)です。
本当は、「アリアンツ・アレーナで試合を見て」について書こうと思っていたのですが、
ドイツ時間で2020年6月25日、ブンデスリーガ全18クラブの財務成績が発表されたので、急遽テーマを変更してお送りします!

※僕は簿記の資格持っていませんし、財務に関して無知です。
このnoteを書くために、たった今2~3時間ほど勉強しただけですので
参考程度に見てください!汗
そして今回のnoteは、ボリュームたっぷりで約6,000文字あります。
だいたい7~10分くらいで読めるので、参考にしてください!

ちなみに、2021年発表の2020年度のデータはこちらからご覧ください↓

0.今日は何の日?

毎度恒例になってきましたね!
本日、2020年6月27日。何の日でしょうか?

画像2

そうです!サム・ライミ版スパイダーマンの主人公ピーター・パーカー役の
トビー・マグワイアの誕生日です!
スパイダーマン好きの僕にとってはたまらないです。

画像1

どこか、バイエルンのゴールキーパー、ノイアー選手に似てませんか?

実は顔以外に共通点があるんです。
スパイダーマン(ピーター・パーカー)の名前はPeter Benjamin Parker
ノイアー選手の名前はManuel Peter Neuer
どちらも"Peter"なんですよ!

…と、話がぜんぜん違う方に行ってしまいましたが、
本日は、2019-2020シーズンのブンデスリーガ最終節の日です!

バイエルンの優勝は決まっていますが、注目はレヴァンドフスキ選手の個人記録です!

これは、ブンデスリーガの歴代得点ランキングです。
5位にいるのが、今シーズンのレヴァンドフスキ選手。
1試合残して33得点ってすごいですね。

参考までに、昨シーズンのJリーグの得点王が、仲川輝人選手とマルコス・ジュニオール選手で15得点。
2倍以上取っているのか。。。

今日の試合で1点取れれば、タイ4位に
2点取れれば4位になります!期待したいですね(^^)
あと、ゲルト・ミュラーがすごすぎる。。。
1971/72の40ゴールって…さすが爆撃機✈

1.決算概要

さて、本日のメインである、”ブンデスリーガ18クラブの財務成績(2019年度)”についてお話します。

自分で分析したいという人はこちらの元データから分析してください!

財務素人の僕が調べに調べて、下記3つの指標について説明します。
「自己資本比率」
「ROE」
「ROA」

*貸借対照表のデータはあるのですが、損益計算書のデータが不十分で、売上高が記載されていないので「総資本回転率」や「営業利益率」「人件費比率」などは出せませんでした。。
もし売上データが得られたらこのnoteをアップデートします!

ぞれぞれの指標の説明と、バイエルンのデータ、その他17クラブのデータを紹介していきます!

2019年6月30日までのデータです。
下記クラブのみ、決算時期の関係上2019年12月31日までのデータです。
「フランクフルト」「レヴァークーゼン」「ボルシア・メンヒェングラードバッハ」「シャルケ」

2.自己資本比率

「自己資本比率」とは、会社の安定度を表す指標です。
こちらが本日のメインテーマである、倒産の可能性を表す指標です。
資本は、"自分のお金"+"借金"の合計値ですが、借金は銀行などに返さないといけないですよね。
今の資本のうち、何%が返さなくていい自分のお金なのかを表すものです

「自己資本比率 = 純資産 ÷ (負債 + 純資産)」
で算出できます。

目安の数値はこちら↓
・ 〜10%:倒産の危険性が非常に高い
・10〜20%:倒産の危険性あり
・20〜40%:一般的な水準値
・40%〜 :安定している

ブンデスリーガは健全経営で有名で(これについては、また今度note書きます。)
そんなブンデスリーガのクラブが実際どのくらい安定しているのか見てみましょう!

まず、バイエルン!
破格です。

驚異の68%!!

とても安定していますね。
さすが王者バイエルン。財務面でも王者たる結果を出しています。
影響度の大きいところで言うと、リーグ8連覇や国内杯、チャンピオンズリーグでの賞金、あとは移籍金ですかね。
これらで、自己資本を稼げているのが大きいですね。

スクリーンショット 2020-06-27 14.54.30

これはバイエルン・ミュンヘンの売上推移になるのですが、右肩上がりで、少しずつ資本が溜まっていることも考えられます。
影響度は小さいと思いますが、バイエルン・ミュンヘンはサッカー(TOPチーム、セカンドチーム、レディース)だけではなく、バスケ、ボウリング、チェス、体操、ハンドボール、卓球、審判員等、さらにアリアンツ・アレーナスタジアム運営を合わせたグループなので、その関係もありそうですね。

あとはスポンサー。この影響が1番大きいと思います。
この数年、カタール航空やコナミとスポンサーを組んだり、既存のスポンサーと増額契約を結んだりしています。
2020年の1月にアウディとスポンサー契約を延長しましたが、噂では年間6000万ユーロ(78.2億円)の契約と言われています。
半端ないですね。。

その他のクラブはこちら↓
1.ホッヘンハイム 81.0%
2.フライブルク 79.8%
3.ドルトムント 71.0%
4.レヴァークーゼン 65.6%
5.マインツ 50.0%
6.ボルシア・メンヒェングラードバッハ 42.8%
7.ケルン 40.8%
8.ライプツィヒ 40.3%
9.アウクスブルク 39.2%
10.フランクフルト 33.9%
11.デュッセルドルフ 22.3%
12.ブレーメン 13.9%
13.ヴォルフスブルク 12.3%
14.パーダーボルン 11.8%
15.ヘルタ・ベルリン 6.1%
16.シャルケ -8.3%
17.ウニオン・ベルリン -21.6%

1番倒産の可能性が低いのはホッヘンハイム!
バイエルンは4位…
ただ、20%以上で倒産の心配はないので、バイエルンは全然大丈夫ですし
ブンデスリーガ18クラブ中12クラブがこの基準値を超えています!

以下、いくつか僕の推測を述べます。
まず、ホッヘンハイム。素晴らしすぎますね。
SAPの創業者で、出資者であるディートマーホップ氏のおかげですかね。

あとは、ドルトムント。
最近は安く獲得した選手を高額で売っているので、その影響が大きそうですね。
ウスマン・デンベレ選手が1億500万ユーロ(約136億円)でバルセロナに移籍したことが大きいですね。
また良い成績をおさめているので、その賞金なども影響してそうですね。

厳しいクラブだと、ウニオン・ベルリンやシャルケ。
特にシャルケは、このコロナの影響でシーズンチケットホルダーに払い戻し放棄を要請したこともあり、ファンからの信頼感を失いつつあります。
経営土台がきちんとしていれば、このようなこともしなくて済んだので残念ですね。。。

3.ROE(Return on Equity)

ROEとは自己資本利益率のことで、純資産(返さなくていい自分のお金)に対してどのくらい利益を出せたか表す指標です。
企業の収益性判断の指標として、また株式投資の指標として重要視されているようです。

計算式は、「ROE(%) = 当期純利益 ÷ 純資産 × 100」です。
目安として、上場企業は8%を目指しているようで
一般的に、10~20%程度であれば優良企業であると判断されるらしいです。

さてさて!早速バイエルンのROEを見てみましょう!!
10.6%!!優良企業!!!
流石です。
気になるのは、全てのビッククラブが抱える問題である人件費。
売上の約50.0%が人件費に消えています。
さらに、2019年以降は、コウチーニョ選手やペリシッチ選手のローン組の高給やレギュラーメンバーの契約延長に伴う年俸の引き上げも有り、
人件費は高まる一方です。
正直下げることはできないと思うので、売上を伸ばすしか無いですね。。

その他17クラブの結果はこちら!
1.シャルケ 146.9%
2.ホッヘンハイム 113.1%
3.フランクフルト 54.4%
4.ブレーメン 33.4%
5.マインツ 31.9%
6.デュッセルドルフ 30.3%
7.アウクスブルク 16.7%
8.ボルシア・メンヒェングラードバッハ 11.8%
9.フライブルク 8.3%
10.ドルトムント 4.9%
11.ライプツィヒ 3.5%
12.ケルン 2.7%
13.レヴァークーゼン 0.0%
14.ヴォルフスブルク 0.0%
15.パーダーボルン -131.1%
16.ヘルタ・ベルリン -318.1%
17.ウニオン・ベルリン -3001.0%

はじめに例外クラブから。
シャルケは、当期純利益も自己資本もマイナスなので例外扱いです。
ウニオン・ベルリンは自己資本がマイナスなので、ROEもバグった数字になっています。
レヴァークーゼンは利益が全額少数株主損益に消えています。親会社がいるため、利益分は全て取られるんですかね?
ヴォルフスブルクは利益はマイナスなのですが、マイナスの分が少数株主損益から補填されていて当期純利益が0になっています。これは親会社からのサポートですかね?

レヴァークーゼンとヴォルフスブルクを見ると、親会社がいるクラブは、黒字でも赤字でも当期純利益が0になるように調整されるのですかね?
このあたりはわからなくてすみません。
ただ、ブンデスリーガで親会社がいるのはレヴァークーゼンとヴォルフスブルクだけです。
(ライプツィヒは、レットブルがオーナーではなく保有権を一部持つスポンサーの形を取っています。)

あとホッヘンハイム。
計算が間違っているのかな?

スクリーンショット 2020-06-27 16.27.33

これは、はじめにリンクを載せた先の元データで、1番右がホッヘンハイムです。
赤帯の[8]が税引後利益で、[10]が当期純利益なのですが、[8]〜[10]の計算が合わないんですよね。。。
なので、これもひとまず例外で。

さて、以上を踏まえてみるとすごいのはフランクフルト。
おそらく、国内杯の結果が関係しているのかなと思います。
この前年は国内杯優勝、前々年は準優勝をしています。
ドイツ国内杯の優勝賞金は500万ユーロ(約6億円)、準優勝は250万ユーロ(約3億円)と言われています。
優勝賞金だけではなく、優勝によってスポンサー費に変動があるのかもしれません。
あと、売上に対して人件費が少ないのも特徴的でした。(約30.8%)

高い利益によりROEが良かったフランクフルトと反対なのがブレーメン。
当期純利益だけでみると、リーグで11番目ですが
元々の資本金が少なかったので、上手くやりくりして利益を生み出せていると思います。
ただブレーメンは現在降格圏内で、本日の試合次第では2部に降格してしまいます。
2部だと放映権等、売上が大幅に下がると思いますので。。。。
がんばれブレーメン!がんばれ大迫選手(ブレーメン所属)!!

最後に、パーダーボルンとヘルタ・ベルリン。
どちらも当期純利益がマイナスなのが、悪い要因です。

パーダーボルンは、売上に対して人件費とその他営業費が高く、それぞれ約50.0%と約46.1%
この2つで、売上の96%を使っていますね。
ヘルタ・ベルリンは、売上に対してその他営業費が高く(約60.7%:バイエルンですら約29.6%)ここが原因ですね。
その他営業費って何に使っているんでしょうか?

4.ROA(Return On Assets)

ROAとは総資産利益率のことで、会社の資産に対してどのくらい利益を出せたか表す指標です。
先程ご紹介したROEは異業種間でも比較する際に参考になる指標のようですが、ROAは同業種間での比較に参考になる指標のようです。

計算式は、「ROA(%) = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100」です。
一般的に、5%程度であれば優良企業であると判断されるらしいですが
先程も記載したとおり、業界によって違うようなので、そこだけは気をつけてください!

さてさて!早速バイエルンのROAを見てみましょう!!
7.2%!!優良企業!!!
流石どの項目においてもいい数字を出しますね!
元々の純資産が高いため借入金が少なく、ROEと比べるとやや下がっていますね。

さて、その他17クラブはこちら↓
1. ウニオン・ベルリン 646.6%
2. ホッヘンハイム 91.6%
3. フランクフルト 18.4%
4. マインツ 15.9%
5. デュッセルドルフ 6.8%
6. フライブルク 6.6%
7. アウクスブルク 6.5%
8. ボルシア・メンヒェングラードバッハ 5.0%
9. ブレーメン 4.6%
10. ドルトムント 3.5%
11. ライプツィヒ 1.4%
12. ケルン 1.1%
13. レヴァークーゼン 0.0%
14. ヴォルフスブルク 0.0%
15. シャルケ -12.1%
16. パーダーボルン -15.5%
17. ヘルタ・ベルリン -19.5%

ウニオン・ベルリンは純資産がない分、借入金を上手く使って経営できていますね。
ホッヘンハイムは元々のROEが高かったことも有り、ROAも高い数字を出しています。
ただ、ウニオン・ベルリンとホッヘンハイムは元データ事態が間違っていそうなんですよ。。。
先程ホッヘンハイムの指摘をしましたが、この2クラブのみ、桁が1つ違っていて。。。
ウニオン・ベルリンがバイエルンの約5倍の利益を出すのは流石に信じられない。。。
その他は気にならないのですが、この2クラブは元データの入力ミスの可能性が高そうです。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか?
僕の拙い説明と、元データのミスや不足等もあり、僕自身満足できる分析はできませんでしたが、
それでも分かることは合ったと思います。
簡単に今回のまとめを記載します。

会社の安定性
健全経営として有名なブンデスリーガ全18クラブの内12クラブが倒産の危険性はないと分析できました。(自己資本比率)
僕の肌感としては、1部にずっといるクラブの殆どはこの12クラブに入っています。
逆に、毎年降格争いをするクラブや1部と2部を行ったり来たりするクラブは少し危ないかなと。
このあたりは、チームの強さと経営が紐付いているように感じます。

また、シャルケのように状態が良くないとチケット払い戻しなどで、思わぬトラブルが重なり
経営状況だけではなく、ファンとの関係地も悪化させてしまいます。。。
日々の経営が何より大事ですね。

親会社との関係
レヴァークーゼンとヴォルフスブルクは黒字でも赤字でも、親会社によって利益0に調整されるようです。
ヴォルフスブルクのように赤字の場合は助かりますが、レヴァークーゼンのように黒字の場合は全部持っていかれるので困りますね。
ただ、基本的にブンデスリーガでは企業がクラブのオーナーになることが禁止されているため、この2クラブは特例ですね。

クラブの利益
売上の詳細までは見えなかったため、具体的な要因は推測になりますが
バイエルンのようなビッグクラブはスポンサー費の向上が利益率が高い要因のようですね。
また、フランクフルトのように大会で結果が出ると、いわばボーナスのように資金が入り、期待ができますね。

今回は、「クラブの安定性」を中心に、利益に関する話も交えてまとめました。
いずれ、売上内訳の詳細が発表されたら、もう1歩深く踏み込んだ分析をしようと思います。

それでは、来週7月5日(日)に、本日公開するはずだった「アリアンツ・アレーナで試合を見て」を公開します!
お楽しみに!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?