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縦長の島に住むということ【毎日note】#115

日本列島も縦長だれど、沖縄島も南北、というより北東から南西にかけて縦長だ。日本列島では西側の方が雪が降りやすいなどの特徴があるけれど、私の出身は北海道の旭川市で、つまり西側でも東側でもなく、北寄りの内陸に住んでいたので、東西の差のようなものを感じたことはなかった。

しいて言えば、北海道の西側の沿岸部も東側の沿岸部も、冬は海風と雪で大変だろうな…と想像していた程度だ。そういえば紋別のガリンコ号(流氷観察する船)、乗っておけばよかったな〜

Wikipediaより)

沖縄本島は南北端の直線距離が約106キロメートルということで、実際の道路の距離はもっとあるにしても、日帰りで往復が可能な長さだし、横の距離に至っては、どの部分であっても1時間はかからない。つまり、1つの県にいながら、東西南北の気候の違い、特に風の当たり方の違いを感じることができるのだ。そんなことを私はこの1年を通して、風の影響をもろに受ける釣りをしながら知ったし、北海道ほど極端な移ろい方ではないけれど、沖縄にも四季があると分かった。

もともと北海道で農業を手伝っていたからだろうか、その土地ならではの気候というものにはとても興味があるし、頭で理解し、それを肌で実感することが私にとって重要なことだった。

夏の終わり、風が北寄りになってくると、内地からシイラが回遊してくると教わった。実際、9月の終わりころからマンビカー(シイラ)の大群がやってきて、船はもちろん陸からも釣れた。魚屋だけではなく、スーパーにも切り身や刺し身が並び、私は多分人生で初めてマンビカーを食べた。

それから、北風が少しの間だけ南寄りの風になった昨日・一昨日の2日間。北側を向いている岸に押し寄せていた軽石は別の場所に流されて行っていた(ただし内海の軽石はとどまったまま)。そして北風が戻り始めると、軽石もすぐに戻ってきた。それは、一日中、北側沿岸部にいた私の目にはとても明白な出来事で、軽石が、潮の流れではなく、風に影響を受けているのだとはっきりわかった日だった。

一方、北風が強い冬であっても、風裏となる本島の東側は、軽石の影響が西側に比べかなり軽微だった。軽石を避けて釣りをするため、東側に行くことが増えた。同じ沖縄に住んでいても、中南部の人は、北部の西側に来ると驚いて写真を撮る。

沖縄本島を日本という国の離島とするなら、離島に暮らす、それも縦に長い島に暮らすということの意味を、気候と生活とのかかわりを、冬の訪れとともに強く感じている。

そして、「冬の姿」はまるで違うけれど、北海道で積雪が深くなっていくのと同じくらい明白に、沖縄にも、様々な角度から冬が深くなっていることがわかる。

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