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人と人はわかりあえないもの、という前提【毎日note】#29

昔。そう、ほんとは数年前だけど、昔と呼べるくらい、気持ち的にはずっと前のこと。

知り合ったばかりで、たいして何も知らないけれど、すごく好きだった人のことを、私はとても信頼していて、この人となら大丈夫、と根拠もなく信じていたころがある。

「人と人はわかりあえないもの」という、共通認識があったから。

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この前提を持っている人は、白黒つけられない人間の関係も、世の中のことも、直感的によく知っている人だ。

「人と人はわかりあえないもの」

これって、悲しいことのようで、決してそうじゃない。

話し合えばわかる。言葉を尽くせばわかる。そう信じ込んでいると、まるで自分のことをわかってくれない相手が悪者のように思えてしまう。相手のことを、自分もわかってはいないのに。

わかりあっているつもりになっていても、本当にそうかは、わからない。私たちは、みんな、それぞれ違う世界を見ているのだから。

よく理解していたつもりの人が、お金や人間関係などで、何かトラブルが起きたときに、思いもよらない顔を見せるときもある。

私自身、前述した人とは結局、信じていた通りにはならなかったというか、あっという間に縁は切れてしまった。わかりあえなかった。


私たちは、わかりあえないことを前提に他者と向き合った方がいい。

これが互いの間に共通認識としてあると、かえって「伝える」ことを怠らなくなるし、言葉を尽くす努力も生まれる。部分的にでも、わかってもらえたことへの喜びや感謝の気持ちも大きくなる。

それに、相手が自分と同じ世界を見ているという思い込みは、悲劇しか生まない。ちょっとのズレも、許せなくなるから。


「人と人はわかりあえない」という前提を忘れない。でもわかりあえないからこそ、簡単にはあきらめない。伝えることも、わかりあうことも。全員といい関係なんて築けなくていいけれど、自分を必要としてくれる人との関係は、簡単にはあきらめない。


*2021/10/15にKindle出版予定です~♪


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