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今年の音楽10選2023

おい!!もう2月だぞ!!!その2月ももう終わるぞ!!!
超お久しぶりです、というか明けましておめでとうございます。去年(2023年)は全然更新できてなくて、いや、もう言い訳も思い付きません…。一応M3で個人サークルで出展してソロアルバムを売ったりとかもしてたんですけどこっちに書く気力がなかなか湧かないし、11月以降は心身の調子を崩したりなどしていて、年末年始もずっと寝込んでました。最悪!!!
とか言っててもまぁ、記事の下書きはぼちぼち書いていたのでやけくそバーゲンセールのつもりで2023年に聴いてて良かったと思った音楽について、つらつらと書いていきます。是非よろしくお願いします。あ、タイトル画像は最近食べたぼっかけそばめしです。美味しかったです。



Itai the maid "Nonsense"

https://youtu.be/XIXrnoBhtiU?si=7jwqLJp01yobPYK9

ゴールデンウィークのときyoutubeのおすすめにmaidcoreのmixが流れてきて、その中で特に好きになりました。maidcoreはロシアのSNS Vkontakte発祥のネット音楽ジャンルで、日本のアニメや漫画由来のメイドさんをイメージした音楽らしいです。ロシア人のメイドさんがシューゲイザーとかポストパンクやってるとかオタクの性癖ドストライクすぎるだろ。名義は全員○○ the maidと言う名前で統一されてます。rate your musicの記事ではふたばちゃんねる等の掲示板が各アーティストの名義の由来とされていますが多分違う気がする…イタイ、とか解体とかヤクイとかって名前、掲示板のハンドルネームとかで使うかなぁ…。(追記:どうやらふたばちゃんねる虹裏板の虹裏メイドが元ネタのようです)
音楽性の方は様々でチップチューンライクなピコピコ電子音楽をやっている人もいればグランジやシューゲイザーのようなポストロック的な手法がメインの人もいます。最初は電子音楽系だった人も最近はポストロックっぽい手法に移る人が多い気がする。ただそのなかに退廃的かつゴシックな雰囲気を漂わせているのがmaidcoreをmaidcoreたらしめている部分で、その精神は共通のものなのではないかと思います。
itai the maidは以前は今回取り上げたNonsenseのようなゴシックな電子音楽的なアプローチで作品を作っていましたが、近年の作品では歌もののポストロックの作風になってますね。そちらも好きではあるのですが、maidcoreにハマるきっかけになった曲ということで。そのうちmaidcoreの記事も書きたいですね。
参考記事:

https://rateyourmusic.com/list/Straisand/maidcore-%D0%BC%D0%B5%D0%B9%D0%B4%D0%BA%D0%BE%D1%80/



Ken Ishii "Awaking"

https://youtu.be/NeN2YSLEkWo?si=huZSdBhl7zxXTGhY

今更感がありますが、今年はケンイシイを結構聴いてました。ケンイシイの曲って初期に音色をリアルタイムでいじれないKORG M1を使ってた影響か、手動でツマミをいじって音色変化で聴かせるよりもパートの足し引きで展開する曲が多い(気がする)のでアシッドとかミニマルと聞き方がちょっと違うと思うんですね。音もあんまビキビキしてないし。なのでデトロイトテクノ大好きアシッドテクノブリープテクノ大好きな自分は、最近まであんまり好きじゃなかったんです。でも最近になってこの他にありそうでない独特な爽やかなデジタルっぽい質感にハマりまして、結構聞きました。いやーさすが東洋のテクノゴッドですね。


In Aeternam Vale "La Piscine"

https://youtu.be/9ZffDVUh7eA?si=gjx9JDRwkSKNaOhK

今年は初めてレコードを買いました。丁度5月ごろ、自分のソロアルバムの製作をしていた頃なのですが(秋M3で沢山買っていただきありがとうございました)、ダブテクノ、ディープテクノの音源が欲しくて。ただこの辺のジャンルってCDでのリリースがほとんどなくてレコードで買うしかないんですよね。という話を某レコ屋の店主さんにしたらおすすめされたのがこれでした。80年代から活動を続けているフランスのニューウェーブ~テクノユニットなのですが、初期はDAFなどに近い歌ものをやっていたのが段々と先鋭化が進んでいって歌がなくなってミニマルテクノな作風になっていき現在は完全にテクノDJとして活動しているようです。この曲は80年代後半の丁度ニューウェイヴからテクノへの過渡期(ただしもうほぼテクノ)の作品で、もう歌やボイスは入っていないのですがまだデトロイトテクノ的なダンサンブルさは控えめで、ミニマルな電子音楽(クラウスシュルツェやタンジェリンドリームをもう少しテクノ寄りにした感じ?)全開でレコード片面全部使った15分の曲です。すごくシンプルな曲なんですがディレイがかかった独特なパーカッションとアナログシンセの骨太な音色のおかげで飽きません。タイトルはフランス語でプール。映像は東ドイツの水泳選手の英才教育みたいなやつ(多分ドーピングとかしてて有名なやつ)だと思うんですけど、この東側の管理されたディストピアっぽい雰囲気と曲のダークな質感がマッチしててすごく良いです。


Ciber milkちゃん "Hime"

https://youtu.be/_EdBVZ5hWUQ?si=Ps6mHkJtVi6vLqnI

お す も う(迫真)
去年ぱちぱちコズミックコンピューターを知ってからずっと追っているのですが、これすごく良かった。アーバンギャルドとかもそうなんですけど、こういうリアルな人間らしさが滲み出てるような音楽、たまらなく好き。「可愛い私は高ぇんだ」「君には私だけだ」「全部忘れさせるbad endは、町行く人も固まってんな」「親ガチャ最高」「私がサンクラのヒーロー、一番可愛い姫でしょ!君の」←特にこの辺がすき。自分自身への自信(ただ「私は自由に生きてる?」という一抹の不安も見え隠れしているのがリアルでいい)と「親ガチャ最高」と自分の置かれた環境を肯定的に受け入れる(親ガチャという言葉が家庭による格差を悪い意味で指す言葉であるから余計に言葉の切れ味がある)姿勢。「全部忘れさせるbad endは、町行く人も固まってんな」と世の中を(シニカルに)しっかり見つめる態度(まさにヒップホップ!!)。こういう部分はある意味無頼派っぽいかもしれません。しかしこのような地に足のついた姿勢が見えるからこそ「君には私だけだ」という本来歯の浮くような台詞(私には言えない台詞…)が説得力を持ってまるで少年漫画の主人公のようなカッコよさを以て響くと思うんです。ラノベのヤンデレヒロインが「君には私だけなんだよ♥️」とか言ってるのとは全然違う。単に韻を踏むだけでなくそこにしっかりとしたメッセージと人間としての芯の強さがあるのがカッコいい(まぁ本来のラップってみんなそうだとは思うんですけど)。ヴィジュアルや声、サウンドはロリィタ~地雷系の過剰なまでのkawaiiに満たされていますが、芯にはジェンダーレスなカッコよさに満ちているこのギャップが彼女の作風の強みだと思います。本当に応援しています。


最高に幸せな私たちの世界。 "No.1ホストにガチ恋"

https://youtu.be/WUNrBHq1MvQ?si=YZDuIAgk3hZHLOT8

ネ タ 枠 。実は以前の月面避行名義の頃から追ってる同人サークルで、高校の頃からサンクラとかで聴いてたのですが今年のM3で、久々にリアルで出展するということで試聴もせずに買いました。アルバムの中ではそれまで劇伴ぽいのとかエピックな感じのハウスとか今時のEDM(ハウス周辺疎いんでよく分からない…)っぽい曲が流れてたのに、流れをガン無視するかのように突然このタイトルでユーロビートが流れてきて、聴いた瞬間爆笑しました。このサークルこのタイトルこの歌詞でユーロビートなのはコンセプトがハマりすぎてて優勝ですよ。強いて言うならもうちょいボーカル大きくて良いかなと思いつつもこれはこれでホストにドはまりしてしまう喪女(死語)感が強くていいのかも…と思ったり。


My bloody valentine "loomer"

https://youtu.be/ASg275COMjg?si=W3O7HaTJgAeT8OFP

シューゲイザーは以前rideを聴いたことがあったのですがなんとな~く好みではなく、もっとダウナーな感じのが聴きたい!!と思ってた拍子にたまたま聴きまして、ドハマりしました。ドローンやアンビエント、電子音楽系に通ずる轟音と、浮遊感のあるボーカルがすこすこのすこです。音響の処理が本当に凝っててシンセサイザーは全然表に出てないけど電子音楽的な思考が見えます。というかこのアルバムかなりお金がかかったらしいのできっとスタジオで死に物狂いでエフェクトなどの調整をしてるんでしょうね。地味にサンプラーとか使って再加工・再構築したりもしているようですし。曲自体も結構落ち着いた感じ、ビートルズのLet it beやacross the universeに通ずる腑に落ちたような雰囲気があってすごく好きです。いつか自分でもやってみたいですね。ギター弾けないけど。


4-D mode1 "件"

今年はついに念願の中野ショップメカノ実店舗に行くことができました!メールでの通販は利用したことがあるのですが、やっぱりCDはCD屋さんで買いたいよね!ってことで昔から欲しかった4-DのCDを買いました(本当は横川さんのソロとか電卓が収録されてるクラフトワークのコンピューターワールドの旧日本盤とかも欲しかったけどおこづかいが足りなかった…)。実は店内物色中に元p-modelの秋山さんが来てビックリしてました(今考えると何かにサインでもしてもらえば良かったなぁ…)。さて、この曲ですが、基本的には少し脱臼したリズムに乗せてラップ調で進むAメロと美しいサビの対比が心地いいです。またサビのボーカルはたんにオートチューンがかかってるだけでなく、一音一音が音程が飛んでて(一回録音したのを切ったり貼ったりして編集してるのか、オートチューンで無理やり飛ばしてるのか…)、独特な質感が出ていて面白く、参考になりますね。声の質感に対するこだわりを感じます。これが収録されてるアルバムは比較的ずっと入手しやすかったんですけど最近アマゾンでも在庫がなくなってるみたいなので中野のショップメカノにあるのが在庫限りなのかな。気になる人は中野へ行こう!

サン=サーンス "ピアノ協奏曲3番第1楽章"

https://youtu.be/nZM3YZJ9vx0?si=HGbFsPEJtmh3AsGS

個人的に11月頃から精神的にひどく圧迫されており、アッパーな電子音楽を聴くのがしんどくなってクラシックを聴き漁っていました(今考えるとなんで音楽を聴くのをやめなかったのか謎)。昔から僕はサン=サーンスの動物の謝肉祭が好きなので、サン=サーンスの他の作品も聴こうと思ってCDを買ってきて聴いてました。この曲は結構モチーフの使い方が好きで、手を変え品を変えモチーフを啓示したあとにどんどん展開して、起承転結を作っている感じがして好きです。というか分かりやすくて聴きやすい(苦笑)。あんまりクラシックは詳しくないんですけどサン・サーンスって結構ピアノを清流みたいにとぽとぽと流していくイメージがありますね。


坂本龍一 "Merry christmas Mr.Lowrens(live@nhk)"


教授の訃報は本当にショックでした。ただ、当時はそんなことを言ってはいけないと思って言いませんでしたが、NHKでのコンサートをテレビで見たときに死が近いというのは感じていました。多分あれを見てた人はみんな同じことを思ったのではないのでしょうか。このコンサートはなんというか、もうすぐ死ぬ人間がどれだけこの世に爪痕を残せるか、みたいな雰囲気が感じられて、ピアノの音色も、殺気だったものを感じました。生き物の生と死が直に出ているような恐ろしさがあるんです。昔読んだ文章で、岡本太郎の作品について「生命の生々しさを極限まで表現したために生き物の気持ち悪さや恐ろしさが作品に出てくるのだ」みたいなことが書いてありました(本人の文章だったかも)が、音楽でも同じで、生と死という生き物の核心かつ人が普段目を背けている部分をそのまま表出させた、生命への、ある意味プリミティブな畏怖の気持ちを抱かざるを得ないような演奏で、テレビで見て僕は怖くなりました。その辺のホラー映像なんかよりもよっぽど怖くてなにか恐ろしいものを感じたのです。人が死ぬときに奏でる音、あるいは自分が死ぬときに心から発せられる音はこんなにも鋭く、醜く、美しいものなのだろうかと、今でも考えてしまいます。

I.W "work, sleep, work, sleep, work, sleep, die [I want to quit everything and be closed to you]"

https://youtu.be/g3mfVEMG81Y?si=n2ul9qkI3S-oqhxz

今年はBandcampも結構漁りました。主にダブテクノやディープテクノ、ブレイクコアを漁ってました(あとmaidcore)。その中でも特によく聴いたのがLostflog Productionからリリースされているシリーズコンピ、emo,genに収録されているこの曲です。まぁブレイクコアとかロリコア、ナードコアなどのインターネット音楽ではよくあるブートレグや非公式リミックスの類いで、ねこぼーろ氏の「さよなら4月のドッペルさん」というボカロ曲が元になっているようです(ボカロにわかなので今回調べて初めて知りました)。原曲はゆったりとしていて、かつ少し重厚な質感のあるエレクトロニカ系の曲調なのですが、僕は正直このリミックスの方が原曲よりも好きです。エレクトロニカ的な部分とブレイクビーツの刹那的な部分がうまく組み合わさって淡く暗く切ない空気感(端的に言ってしまえばまさに「エモい」感じ)がうまく出ていると思います。アルバムの中でも特にお気に入りで今年の学祭でDJ(その場で繋げずにmixを流しながらエフェクトをかけたりしてただけなのでDJもどき?)をしたときも最後にかけました。DJ的な観点から言うとスライサーでブレイクビーツをさらに刻んだり、ピアノやボーカルだけの部分でディレイやリバーブを多用したりと結構エフェクトでその場でアレンジを効かせやすい曲だとも思いました。


ということでめっちゃ遅くなりましたが2023年に特に気に入った曲についてダラダラと書きました。繰り返しで恐縮ですが2023年は特に11月の後半あたりから私の心身の調子が悪く、年が明けても引きずってたりしてなかなか大変でした(一応今は休みなので落ち着いてますが学校に行ってる期間は薬に頼らないと落ち着くことすらできないくらいでした…)。2024年もとりあえずマイペースに生きていこうかなと考えてます、健康大事だからね。もしかするとM3等のイベントでお会いするかもなので、そのときはよろしくお願いします。

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