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過保護母さんの健康管理

娘がちょうど1年前に受験生で、過保護母さんのわたしはとにかくもうありとあらゆる心配をした。特にこの時期、追い込み。あと1か月と半分で彼女のこれまでの人生の中でナンバー1といっても過言でない挑戦がはじまる。

母さん、本気で健康問題に取り組みました。

朝な夕な、みそ汁にせっせと生姜をすっていれた。家族が起きる1時間前に室内の暖房を入れ、洗濯物を干して高温多湿なジャングル状態をたもった(インフルエンザは高温多湿に弱いとの説があり)。

「笑顔が万病の薬」ときき、毎秒、お笑い芸人さん並みのパフォーマンスとトークを披露し、ちょっとでも彼女が笑おうものなら「その笑顔、イイね!」と往年のアイドル撮影カメラマンのような世辞を繰り返した。

体育の授業で跳び箱があると聞いたときは本気で休ませようとして連絡帳に「娘に跳び箱をとばせないでください」と書きかけて本人にとめられた。階段を一段抜かして飛ぼうとしている姿に本気で怒った。遅刻しそうになって走る後ろ姿に「遅刻でいい!転ばないで!!お願いだから歩いて!!!」と大声で叫んだ。

予防注射のたぐいをせずに、とにかく免疫力アップと自衛を!とクナイプの入浴剤を大量に購入し、好きなだけ湯につからせた。マスク、のど飴、カイロにいたっては、誇張でなく一生で一番、備蓄した(今でもまだ残っている)。

暑がりな彼女が夜中に布団を蹴っ飛ばすので、何度も毛布を掛け直した。もはやわたしより大きな背中をみるたびに、あの小さかった女の子が・・・と鼻がつんとしながら、夜中や早朝に何度も娘の部屋にはいっては、ひたいに手をあて熱はないか、確認して布団を整えていた。

・・・ここまでくるともう何が効いたのかわからない。

結果、体調を崩すことなく12歳の挑戦は終わり、春から念願の学校に笑顔で通う娘。好きなだけ走れ、好きなだけ転べ、とようやく母はおもう。全盛期の十分の一も体調を気遣っていないが、おかげさまで彼女は咳ひとつせずに成長している。

今週で彼女は13歳になる。

過保護母さんは職場に休みを申請した。
大好きな韓国のアイドルグループのグッズを買いに、二人で大久保に行ってきます!

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トリスと金麦と一人娘(2023 春から大学生になり、巣立ちます)をこよなく愛する48歳。ぜひどこかで一緒に飲みたいですね。