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【開催レポート+質疑応答】企業内キャリアコンサルティング制度 、始めました! ~社内制度立ち上げまでの軌跡~【土曜朝8時のキャリア勉強会 #18】

毎月1回の土曜朝8時に、広い意味での「キャリア」を縦横無尽に学び、深めていく勉強会を定期開催しています。

2022年5月21 (土)に開催した「企業内キャリアコンサルティング」をテーマにした回は大盛況で、時間内では十分に答えきれないほど積極的な質問をいただきました!

ゲスト講師「まさ」さんのご厚意で、チャットでの質問に対する回答を頂きました。本編の延長・質疑応答編として開催レポートをお楽しみください。
※本編の詳細レポートも、近日中に別途公開予定です。

朝キャリ8とは

毎月土曜日の朝8時に、実務や理論、転職に関するテーマから、参加型の読書会まで開催。”轍”である広い意味でのキャリアを学び・深めていく勉強会を開催しています。

<運営者>
公式Twitter:@Asacareer8
みゆきち:@miyukichi314
NORY:@nory_career
勉強会参加チケット申し込み:Peatix

講師プロフィール:まさ

キャリアコンサルタント 中小企業診断士。金融機関勤務。営業店勤務の他、本部で企画部門、人事部門を経験。
2020年に取得したキャリアコンサルタントの資格を活用して、面接試験や論述試験の支援を継続して実施。2021年には社内キャリアコンサルティング制度を創設。今年から、キャリアコンサルティング制度の立ち上げ支援を有償にて実施予定。
Twitter: @masa1977_cc

以下、まささんからの回答文面となります。

質疑応答の補足+コメントへの回答

本日、土曜朝8時のキャリア勉強会で講師として、「社内キャリアコンサルティング制度の導入までの軌跡」のお話をさせていただきました。

あっという間の1時間でした。キャリアコンサルティング制度導入について自分の思いやノウハウが参加者の皆さんに役立てていただければと思っています。ただし、反省として、もっと参加者の方のチャットに時間をかけて寄り添って対応できればなと感じました。

ということで、この場を借りて参加者のチャットに回答していきたいと思います。

養成講座受けながらすでに具体的な活用をしているのは実行力がすごいですね!

→養成講座を会社の費用で受講させてもらったので、何かしなければという思いが当初からありました。自費で受講したら、そのような気持ちにはなっていなかったかもしれません。そう考えると、結果的には会社の費用で養成講座の受講を承認してもらうという行為が、社内キャリアコンサルティング制度導入の一歩だったのかもしれません。

この社内キャリアコンサルティング制度の業務が、業務全体のどれくらいの割合を占めてらっしゃるのでしょうか?

→費やされる時間は全体の1割から2割ぐらいでしょうか。制度導入までの間は、半分近くまで労力を割いていたかもしれません。制度導入後は、繁閑の差が大きいですね。毎月コンスタントに数件というよりは、まとめて申込があったり、申込0件や1件だけの月があったりします。
事務局としては私一人ですが、今の所、なんとかなっています。

社内CCと、社外CCの選択および調整で、何か工夫されている点がありますか?

→社内と社外のキャリコンが対応するメリット、デメリットを伝えるようにしています。どちらかがいいということではなく、相談したい内容や、相談者の年齢、性別、役職、性格などにもよると思いますので、事前にヒアリングした上で案内するようにしています。ただし、口頭であれば、これらを伝えることはできるのですが、メールでこれらを伝えるのは難しいのが現状です。

経営層にキャリコン制度導入すると提案したときの反応はどうでしたか? 提案を通すための秘訣みたいなことも教えていただけますか。

→そんな制度あるのかという反応ですね(少しは事前に話をしていたと思うのですが、記憶に残っていないようでした)。いい、悪いではなく、あまり関心がなかったという状況でしょうか。①費用は発生しないから、②私以外は誰も忙しくならないから、③プラスはあってもマイナスなことはない、この3点を中心に話をしたと思います。

社内キャリコンとして面談されているとのことですが、合格されてすぐに面談対応するために意識したこと、準備したことはありますか。合格してすぐに面談対応って勇気がいるな、と。。。


→合格後、自分の受験の際に、ロープレの勉強会でお世話になった有資格者への恩返しということで、受験生支援を続けています。実際に自分がキャリコン役をやることはあまりないですが、どんな悩みを抱えているのか、どんな展開をしたらいいのか、勉強になっています。
また、有資格者同士の勉強会で、お互いにキャリコン役でロープレをするのもいい経験になりました。ただし、どこまで練習を積んでも、やはり実際の現場経験が大切!ということで、現場経験を踏まえて、常にどうしたらいいかを自問自答を繰り返しながらスキルアップを図るということが大切な気がします。今でも、自分が実施しているキャリアコンサルティングで良いのだろうかと悩む毎日ではあります。

ペーパードライバーではなく、ペーパーキャリコンだと、20分程度のラポール形成まではできるけど、その先1時間の面談となると未知の世界ですよねー、笑

→その気持ち、よくわかります。試験勉強として15分のロープレ練習をひたすら繰り返すので、15分は慣れているけど、1時間は未知の世界でした。ただし、実践経験をすると自然に1時間でもできるようになってきました。15分間でも1時間でも、クライエントに寄り添って進めるという基本は変わらないのだと思います。

どのような社内通知をしたら1割も利用者がいるのか!気になります。口コミで広がっていったのでしょうか?

→社内文書の発信だけでなく、社内報、社内ニュース、人事面談、研修、社内行事などで地道に広報活動をしていきました。また、社内でこういった制度に理解してくれそうな人や興味がある人など味方になってくれそうな人を見つけて、実際に利用してもらったり、周囲に広めてもらったりという活動もしました。

管理者の利用比率も多いですね!管理者が利用してくれると、社内にキャリアコンサルティングの有用性を浸透させやすくなりますね!

→管理者も自身のキャリアを悩んでいると思います。特に変化が激しく、先が不透明な現代社会では、若手社員だけでなく管理者もキャリアについて話をする場が必要だと思います。管理者が利用すると部下にも勧めてくれるので、制度を利用しやすい環境が整備されていきますね。

1割も利用者がいたのは、事前に開催されたキャリア開発研修の影響もあったのでしょうか?

→残念ながら、キャリア開発研修とキャリアコンサルティング制度の利用は、相関関係にないです。キャリア開発研修でキャリアに興味を持った社員が、キャリアコンサルティング制度を利用する、というイメージで研修を設計したのですが、そのような動きにはなりませんでした。もしかしたら、研修効果を高めるためにも、キャリア開発研修の受講者はキャリアコンサルティング制度を強制的に受けてもらうという形にした方がいいかもしれません。

地方公務員なのですが、地銀さんのような地域の金融機関が「地域の人事部」みたいな事業をやっていただいたら面白そうだな~と感じました。

→いいですね、「地域の人事部」。人事部の仕事って会社の規模に関わらず、どこも同じようなことをやっていますよね。もっと、地域単位や業種単位で連携して「地域の人事部」のようなものがあればいいと思います。その中で、キャリアコンサルティング制度を運用できたら、使いやすいし、キャリアコンサルタントも複数関与できるし、内部と外部のキャリコンの両方を用意できるしと、良いことづくめの気がします。

年2回のキャリア研修の対象層は、どういう年齢層で実施されたのでしょうか?また、その狙い・目的は何だったのでしょうか?

→いわゆる平社員向けの研修、管理者向けの研修の2回です。平社員向けは、離職防止、仕事の意味づけと将来のキャリアを考えることによるモチベーション向上などを目的としています。管理者向けは、キャリアを振り返ることで自分自身の強みや興味を知り、残りのサラリーマン人生をどう過ごすのかを振り返るきっかけとしてもらうことを目的としています。

専門職(看護師)なのですが、やはり転職につながってしまう恐れがあるのですが、、転職に至るか至らないか、何か気をつけていることがありますか?

→自分自身のことや、今の会社のことを正しく理解した上で、転職するのは仕方ないと個人的に思っています。しかし、人間関係が嫌だから、やる気が下がってるから、というような残念な理由で転職を考えている人も少なくありません。
そういった人に対して、キャリアコンサルティングを実施することで、自分のことや会社のことを正しく知るきっかけとなることがあります。そうすると、転職するのではなく、今の会社で仕事の仕方や考え方を変えた方が本人にとって良いことも多くあると思います。そういったお手伝いができれば良いなと考えながら、キャリアコンサルティングを実施しています。

さきほどの地域の人事部の話を聞いて思い出したのですが、地銀と人材会社が協力して、地銀の取引先の人材採用支援をしている事例は聞いたことがあります。

→人材紹介会社が地域の金融機関と連携をして、採用支援やお取引先企業との人材マッチングを行う事例は増えていると思います。ただし、人材を紹介して終わりということで留まっているケースも多くあると思います。なので人材紹介をする前や、人材を紹介した後にキャリアコンサルティングを実施するなど、キャリアコンサルタントを活用することで、会社、個人の満足度や定着度を高める取組につながっていく気がします。

内部キャリコンを実施している他社のキャリアコンサルタントの方と繋がりは持っていらっしゃいますか?そんな方の連携があれば、双方で外部キャリコンとして支援し合う体制ができるのかな…と感じたのですが…

→キャリコン仲間がいますが、内部キャリコン同士の繋がりはないですね。確かに、内部キャリコン同士が繋がれば、内部キャリコンと外部キャリコンができる二刀流キャリコンになりますね。新たな気づきをありがとうございます!二刀流キャリコンとして活躍できるように、頑張りたいと思います!

Employee Satisfaction 向上に繋がる、とかはアピールできるかもしれませんね。

→従業員満足度は向上すると思います。制度の利用者と、制度を利用していない人で、2つのグループに分けて調査すると、その違いが出てきそうで面白いですね。

9か月で54名の面談は、本当にすごいと思いました。相談者増加に何が一番効いたと感じていらっしゃいますか?(申し込みルートなど?対面説明、メール周知、研修など)自発的に相談したいと思うタイプの方が多かったのでしょうか?

→いくつか店単位で実施できた店がありました。所属長に制度を理解してもらったり、店の社員から所属長に話をしてもらったりして、店単位で実施しました。そうすると10名弱を一気に実施することになりました。日程調整や準備作業は大変でしたが。
また、普段から仲の良い社員には、こんな制度を作ったから良かったら使ってね、と挨拶に合わせて軽く話をしたのも良かったと思います。
制度利用者は、自発的な社員はごく一部であって、ほとんどが何らかのきっかけで、制度利用を促されたから、やってみようかという感じが多かったです。

コンサルティング導入をするとこのような改善が見られるという説明は、具体的にどのようにされましたか?自分の力量がどれくらいあるか分からず迷ってしまいます。

→導入効果は、やってみないとわからないというのが正直な感想です。また、導入後も数値的に導入効果を示せと言われても難しいです。しかしながら、アンケート結果からわかるように、利用者の満足度が高い!ということは事実としてあります。全員がキャリアコンサルティング制度を利用する訳ではないので、全員をサポートすることはできません。しかしながら、利用した人の数人でも話を聞いてもらって良かった、自分自身を振り返るいいきっかけになったと言ってもらえるのであれば、本制度を導入する意義はあるのではないでしょうか。

キャリアコンサルティングを多数にすると相談者の悩みだけでなく、社内の課題も色々見えてくると思いますが、それを上司に伝えることはありましたか?

→制度導入後、半年間が経過した段階で、実施報告書をレポートとして作成しまして、社内文書として案内しました。これによって、改めて制度のことを理解してくれた人や経営陣や人事部内での理解は少し進んだ気がします。これからも定期的に社内への報告と、制度周知のためにレポートを作成したいと思っています。

社内に保健師さんがおり、悩みを抱えている社員に対して相談業務をしています。メンタル不調の相談がメインとなります。社内キャリコンとの差別化を上司にどう説明すると内部キャリコンの必要性を理解してもらえますでしょうか?

→社内に保健師さんがいて羨ましいです。ぜひ、保健師さんと連携をしながら相互補完の関係を築いてほしいですね。それぞれの守備範囲がある気がしますので、うまく連携が取れれば、社内での相談制度の充実に繋がるのではないでしょうか。上司への説明としては、相談内容がメンタル不調を抱えているのか、キャリアの悩みを抱えているのかで異なる点や、キャリア支援の観点があるかないか、など違いはいくつかあるので、その辺りを説明されてはいかがでしょうか。

以上となります。もし、社内のキャリアコンサルティング制度の導入を考えている人がいれば、下記連絡先にご相談ください。 
Twitter: @masa1977_cc 

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