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理系大学院の基礎知識とキャリア支援 (3)博士ポスドクの悩みとキャリアの考え方

博士ポスドクの置かれた状況と悩み

ご本人の悩みとしては、研究を続けたいという気持ちがあっても、業績が少ないとか、後輩の方が論文数が多い等で競争の激しい無期雇用の研究職につける見込みが立たないとか、有期雇用のポスドクのポジションでさえも取れなくなりそうとか、そういう仕事や収入の不安を感じながら生きるのが辛いとか、そういう状況で悩んでいます。同年代の友人たちは着々と結婚したり子供ができたり家を立てたりしてるのを見てしまって一層辛いと言う方も多いです。
でも、研究以外に何ができるだろうと考えても、研究のことだけを考えて、研究の世界の中にいたから、他にやりたいことやできることがわからない。

こういう状況のご本人に対して、周囲も状況を理解できる人が少なく、せっかく研究やってきたんだから続ければいいのに、研究やめるなんてもったいないと声をかけてしまう人がいます。いや、続けられるなら続けたいけど・・・という気持ちで一層落ち込んでしまいますよね。
また、大学教員に時々いらっしゃいますが、研究を諦めることを負けだとか、ドロップアウトだとか言う人がいます。ご本人こそが、続けたいけど続けられないと悩んでいるのにこういう声がけはないですよね・・・。
さらに、いい歳して定職にもつかずに好きなことやって遊んでるようなものだよね。うらやましいな、とか。親戚から言われることもありますね。全然悪気はないと思いますが、どんなに好きで楽しくて研究を続けていたとしても、厳しい競争にさらされて、消耗してやめることを考えているのだから、ご本人としてはとても苦しい状況なわけです。

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