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理系大学院の基礎知識とキャリア支援 (4)支援する側の認識を広げる必要性

博士だから博士らしい仕事?

博士だから博士らしい仕事、博士らしい待遇で仕事が見つかれば良いと思います。でも、全員がそういう仕事を見つけられるだけのポジションはたぶんありません。なぜなら、研究開発職以外で博士向けの待遇を用意している企業は少ないですし、研究開発職はポジションがとても少ない。もともと中途採用も新卒一括採用に比べると少ないですし。
理系博士であることは事実ですが、こだわりすぎると出口がとても少なくて、アカデミアの研究職でも行き先がないと悩んできた人が、企業でも働けない、と悩むことになります。

でも、博士の人たちは企業で働くと業務内容にかかわらずかなり優秀な人が多いです。長い研究生活で、専門性以外の部分、汎用性スキルがとても鍛えられているからです。本人には全然自覚がないことが多いんですが、それは周囲もみんな鍛えてるからなんです。

最近、これを筋トレに例えるととてもわかりやすいと気づきました。大学院とかポスドクのアカデミアの世界ってボディービルダーの大会に出ているイメージだと思います。みんなガッチガチに鍛えて一流を目指している。一流にならないと仕事がないからです。そして、自分は入賞できなかった・・・とか、あの人より体が小さい・・・とか悩んでいる。
もちろん、悩むのは当然なんですが、一歩アカデミアの外へ出てみると驚くほど鍛えられています。これは博士が少ない職場で働いた博士がみんな経験することですが、ちょっと資料を作っただけなのに、ちょっとデータをきれいにしただけなのに、なんで周囲の人がこんなに驚くのだろう、という経験をすることがとても多いです。

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