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【あっさじーん伝記】 すごろくトリップ その先へ

 6月22日 月曜日。
 給料をツモって豪遊モード中のあさちゃんに待望の休日が訪れる。

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 これまで森くんと私の2人は
「給料が出たからって豪遊するのは良くないよ」
「ここで使ったらまた次の給料日前に金欠で困ることになるよ」
「遊ぶヒマあるならnote書け」と畳みかけてきたが、これは北風と太陽で例えると北風作戦である。

 はっきり言って散財は病気の一種だと思う。
 散財病の人に「散財はよくないからやめよう」と言ってやめるなら誰も困りはしない。大事なのは「もう金欠になんてなりたくない」と心の底から恐怖し、「絶対に無駄遣いしないようにしよう」という強い意志をもつことだ。

 あさちゃんはこれまでなんだかんだで圧倒的な金欠状態だけは回避してきた。ゲームソフトや調理器具を売るといった緊急手段ではあるが、安い食材や米で食いつないで給料日まで生活することは出来ていた。これが逆に良くなかった。

 彼が散財病であるという前提で、まずはその病を自認し、支出を減らして資産を増やす重要性を理解することができれば、きっと底辺地獄を抜けだす近道になるに違いない。あるいは、彼なりに何か別の考えがあるのかもしれないが・・・。

 


 以前から「すごろくやろう」とあいさつしていた私に対し「カネがないです」の一点張りでまったく話を聞いてくれないあさちゃん。

 しかし、給与ゲットの報告ツイートをしたうえでセットで1万負けも自己申告しているのだから、今回ばかりはカネナシは言い訳にならない。それを追求すると悲しいお気持ち表明が返ってきた。

あさ 「はっきり言ってすごろくは頭を使わないから楽しくなさそうです。単純にやりたくない」

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 カネがない、仕事が忙しい、腰が痛い、澤田さんに煽られたストレスでガンがキツイ、そういった理由ならば弾丸論破して突破できるが、「ゲームが楽しくなさそうだからやりたくない」と言われてはそれまでだ。やはり本音というのはどんなときも強いのである。頭使うゲームは絶対勝てないやんという言葉を飲み込み「それは残念です」と返す。

 ここで困り果てている私に助け舟を出してくれたのが稚児さんだ。稚児さんはあさちゃんに会うたびに「二人静」という砂糖のカタマリをプレゼントするほどの熱狂的なあさじファンだ。前回のすごろく後のエビスバーで共に会食することも期待されていたのだが、なんらかの事情であさちゃんがドタキャンし、すれ違いになってしまった。

「どうにかしてあさじんさんと遊びたいです」
「僕もトリップを生で見たいんです」
「いままであさじん伝記を読んできて、トリップに遭遇したすぎて蕁麻疹になりそうです」

 稚児さんからトリプルバレルをいただいた私はこれをそのままあさちゃんにお伝えし、最後に「また会えないとなると、稚児さん悲しむでしょうね・・・」という叙情的な一文をペタリと貼りつける。

 するとこれが見事にクリーンヒットし、「そこまで言うのなら行かないわけにはいきませんね」の言葉を引き出すことに成功。無事セットが約束されたという次第だ。

私 「すごろくは運100%と思っている人は絶対に負けます」
あさ 「というと?」
私 「逆です」
あさ 「逆?」
私 「すごろくは腕100%です。駒を選ぶところから勝負は始まっているのです。魂こめた駒を選んで、あとは勝負の日までお祈りをします」

    あさちゃんからは「はぁ・・・わかりました」という気の抜けた返事が返ってきた。

(こいつは負けるな) そう確信した。



 6月24日(水) 11時30分 セット当日。

 稚児さん、森くん、私のトリオは五反田に舞い降りた。あさちゃんから「すみません大幅に遅れます」と連絡が入ったのは予定調和である。

 駅近くのカレー屋に入って4人掛けテーブル席に案内された我々は、黙々とカレーをかっこんでいた。

すると空いている私の隣席に、一人のおっさんがいきなり座ってきた。

 おっさんは席に着くや否や、水の入ったピッチャーをよいしょと持ち上げ、私のおしぼりの上にズドンと置いた。とんでもない客がいたものである。

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 おいおい五反田はすごい街だなと感心して見上げると、凄まじいオーラを放つおっさんがそこにいた。



 そのおっさんとは




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もちろん、あさあさのじんである。



あさ 「すみません遅れました」
森 「おつかれさんです。結構遠いんですか?」
私 「あさじ星から3時間くらいだよ」
森 「宇宙旅行やん。え、実際はどれくらいなんすか?」
あさ 「えーと、、、厚木の職場を出たのが9時です
私 「2時間50分やん。ニアピン。
森 「バケバケのモン」

 非常識な客は五反田のおっさんではなく厚木のおっさんであった。
 このカレー屋はけっこうな有名店だったらしく、我々が席についてからはお客が次々に来店し、あっという間に客であふれかえった。あさちゃんの注文したカレーが届くころには店外に十数人も並ぶほどの大盛況だ。
 食べ終えた我々がこのまま残るのは店にも他のお客にも悪いので、カレーを召し上がっているあさちゃんには大変申し訳ないが、我々3人は先に雀荘へ向かうことにした。

 ここで1つ約束を思い出した。私はあさちゃんを誘うときに「お昼はカレーに行きましょう。五反田まで遠いでしょうからごちそうさせてください」と余計な一言をつけてしまったのだ。

 あさちゃんのカレーの値段はわからないが、ここは低価格の店だ。

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 私は財布から千円札を取り出し「すみませんが先に店を出ます、これでカレー代をお願いします」とあさちゃんに渡す。すると「ありがとうございます」と1ミリも期待していなかったお礼の言葉が返ってきてとても嬉しい気持ちになった。

私 「美味しいですか?」
森 「あさログで何点ですか?」
あさ 「・・・・・・いまは店内なので後で」
森 「それだけで大体わかるやん」


 席を立って店を出ようとすると、今度はあさちゃんが私を呼び止める。

あさ 「あの・・・」
私 「なんでしょうか?」


さらなるお礼か?という私の期待は1秒で砕かれる。


あさ 「1034円なのであと34円足りませんよ?」


私 「 灰 」


絶対に消し炭にしてやろうと決心した。




 我々3人は近くのコンビニであさちゃんの分のビールも購入し、お目当ての雀荘へ向かう。

森 「34円足りませんはさすがにやばいな」
私 「言われるとは思ったけどね」
森 「ああいうガジリ根性は本当に良くない。根本から変えないと貧困もゼロ貯蓄も抜け出せないだろ」
稚児 「素晴らしい貧困芸だね」
森 「俺はああいうガジリには厳しくいくよ。場代もエビスバーも1円単位でワリカンにするよ」
私 「1円で割り切れなかったらウォン使えばいいしね」

 1ウォンは0.1円だがそれでもゴネるならこのあいだ実家を掃除して見つけた5銭札も使ってやる次第だ。



 今回の戦場は三鷹遊図ではなく五反田が選ばれた。やや無法地帯気味の遊図をもってしても、お祭りゲーであるすごろくの騒ぎには耐えられなかったのである。

 そこで森くんおすすめの雀荘を選出してもらうことになった。

 フリールールは三麻と四麻があり、和気あいあいとしてアットホーム的な素晴らしい雰囲気のある雀荘だ。かといってマナーが厳しいわけでもないようで、フリー卓からは「ロンロンロンロンロンロン!!!」という汽笛のような発声が聞こえてくるスラム街的な良さも持ち合わせている。

 ここでハプニングが起こる。せっかくあさちゃんにビールを買ってきたのだが、こちらのお店はアルコール類の持ち込みが禁止されていたのだ。あさちゃんのアルコールトリップは非常に面白いけれど残念ながら今回はお預けだ。これを読んで来店しようと思った方は、アルコールの持ち込みにはぜひ気をつけていただきたい。

 店内はこのご時世のせいか全体的に客が少なく、フリーでもセットでもすぐ遊ぶことができるだろう。私たちが入店したときもセットスペースはすっきり空いており、一番奥のゆったりした卓に案内していただいた。

 そしてこの雀荘には他店にはないオンリーワンの要素がある。ゴールド牌シルバー牌の存在だ。

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 黄色い背の牌だけではあるが、全種類をゴールドorシルバーに変えることができる。今回は森くんの提案で、ゴールド7mとシルバー1pが採用されることになった。

 すごろくの基本ルールは以下参照。

・ゴールド7mの効果は7マス進んでサイコロをもう1回振る。
・シルバー1pの効果はその場で100点オール。

 このルールに、あさちゃんとあらかじめ約束していたレート低減化の要素を付け加えることになった。

【 あさちゃんルール 】
・レートは1点5気持ちポイント。
・開幕白ポッチ2連続の500オール払い次回100倍は無効、2回目も50オールのまま。
もらいor支払い上限はそれぞれ500オールまで

 ゲームの性質上、1点1気持ちポイントであってもゴール付近にドラ三元牌とポッチが固まっていたら、国家予算レベルのお気持ちが動く可能性もゼロではない
 しかしあさちゃんルールなら1万気持ちポイント動くことすらさすがにないだろう。貧困のあさちゃんでも十分にお楽しみいただけるお遊びレートだ。
 もしお手持ちを超えた場合は、フィリフィリファイナンスの無利子コースをご利用いただければ何の問題もない。

 私たちが席に着いてドリンクを注文したところで、カレーを食べ終えたあさちゃんがちょうど店に駆け込んできた。それではゲームスタートだ。


私 「あさじんさん、駒もってきた?」
あさ 「ああっ!!すみません忘れt
私 「知ってる。小銭とか使うといいよ」
あさ 「わかりました」

 財布を取り出したあさちゃんはすっと1円玉をつかんで卓上に置いた。

私 「1円でいいんですか?あなたの気合いはそんなもんですか?」
あさ 「いや、1円以外だと卓の隙間の落としたときに期待値が悪いので
私 「そうですか」

 期待値と言いたいだけのあさちゃんはこれが正解だという表情で卓を見つめていた。しかしすごろくはそんなに甘い競技ではない。たとえ落とすリスクを取ってでも500円玉でやるくらいの気合が必要なのだ。


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 先発に決まった稚児さんがサイコロを振る。7pを踏む。ドラドラ7pでいきなり28点オール。

あさ 「エッ?28点?えーと1点5円だから・・・えーと・・・」
森 「140円っす。ジュース代っす」
あさ 「はぁ・・・高いなぁ」
森 「いや全然高くないだろ」
稚児 「むしろ安い」
私 「そうやってイチイチ円換算してたらキリがないですよ」
あさ 「灰」

 続いてあさちゃんの投球。出た目はなんとドラドラ9s。36点オール。

あさ 「ん?ソウズは?」
私 「ソウズは払いっす」
森 「180円オールっす。ジュースごちそうさまです」
あさ 「はあ・・・高い・・・」

 確かに平均値より高い打点ではあるが、こういうドラドラタイプのマスはどのプレイヤーもそこそこ踏むことになるので、結局は行ったり来たりになる。一人だけソウズを引きまくるということはほとんどない。

 点棒を払うたびに円換算し、現在いくら負けているのか?過払い金がいくらあるのかアディーレ法律事務所のように考えながら戦っていたあさちゃんは、当然そんな姿勢で勝てるはずもなく最初の3ゲームは負け続けていた。

 4ゲーム目の終盤、ようやくビッグチャンスが訪れる。
 あさちゃんの駒1円玉はドラの發に着地。つまり次回4倍である。

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森 「4倍きたぞ!!腕の見せどころだぞ!!!」
あさ 「ハ、high ↑!!!」
私 「魂こめろ!!!あさじ!!!」
あさ 「highっ ↑!!!」

あさ 「うう・・・ソウズはやめてくださいっ・・・」
私 「そんな考えじゃ勝てませんよ!ピンズ来い!って思わなきゃ一生奴隷ですよ!」
あさ 「は、はいっ!ピンズ!えーと・・・3か6で9p!サンかロク!!サンかロク!!」
私 「ねえねえ、すごろく楽しいでしょ?」
あさ 「サンかロク!!」
森 「まったく耳に入ってないやん」
あさ 「フー・・・!!いま期待値計算をしています、黙っていてください!フー・・・!!!」
私 「そうなんだ」

 期待値と言いたいだけの猿は深呼吸して気合を入れ直した。3年以上前にZOOで倍満チートイを親指強打でツモあがり同卓拒否を食らったときのような渾身のパワーでサイコロボタンをブチ抜く。

 出た目は・・・・6。

あさ 「うおおおお!!!・・・・!!!!!

 ついに念願のトリップかと思いきや、雄たけびを1秒ほど放ってすぐさま静かになった。何が起こったのかと彼の顔を見てみると、顔を真っ赤にしてプルプルと震える仁王像がそこにいた。

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 長いこと支払いばかりで抑制されていた感情が一気に放出。トリップを超えたトリップに達したのだ。おそらくこれ続けてたらクモ膜下出血になると思う。

稚児 「あさじんさんおめでとうございます!」
森 「9は18は4倍で72オールもらいっすね」
私 「あさじんさんやったよ!72オールだって!」
プルプル 「・・・・・・!!!!」

 突然の事態でカメラに収めることはできなかったが、おそらく撮れていても貼るのはちょっといろいろな団体から抗議されるようなそんな表情をしていた。

稚児 「100点からで、28バックお願いします」
プルプル 「ハイッ!!!」

おもむろに目の前の28点をつかんで放り投げた。

稚児 「あの・・・点棒投げないでよ」
プルプル 「・・・!!!!!」


 ここからあさちゃんのRUNが始まり、負債は完済、微プラスまで戻った。


ところが

次回8倍からのトリプルドラ3sを踏んで、8×24=192点オール払いで一瞬で爆散した。

pass : asj192





 ピロリロリロリロリロ
 森くんの電話が鳴る。

森 「オラゴンが観に来たいっていうんだけどいいかな?」

 全員が即コール。20分ほど経って皇帝オラゴンが到着。


あさ 「あの、じゃあ僕は見学しますよ」
私 「あさじさんいまのチョイ負けで済まそうとしてるでしょ。すごろくは5人でも十分楽しめますよ」
森 「どうせだからドラ8枚にしよう」
あさ 「いや、ドラ増やしたらレートあがるんじゃ・・・」
稚児 「と思いますよね、でもドラが増える分、コースも短くなりますから実質レートは変わらないんですよ」
あさ 「なるほど」

 コースが短くなればゴールが早くなる。東南戦が東風になるようなものなのでレートは上がっているような気しかしないが、あさちゃんが納得しているならツッコむのは野暮だ。

 皇帝オラゴンの初参加ゲーム、あさちゃんの挨拶がわりの開幕ポッチ50オール払いではじまり、皇帝はサイコロを振るまでもなく50点を勝ち取る。やはりこのゲームは腕である。

 皇帝のお家芸スーパー盲牌が開始され、あさちゃんもそれを真似して盲牌しながら絞るように牌をめくりはじめた。

 等倍のときは普通にめくるあさちゃんだったが、2倍、4倍となればまた気合が入る。

 ふたたび仁王のような表情で中指盲牌し、「うわ!!ソウズだ!死んだわ!!」と叫んでたたきつけるとなぜか6p「あれ?ピンズは貰いかぁ?」とボケ老人のような煽りで場を盛り上げてくれた。

森 「4倍からのドラ6pで6は12は24は48オールっすね。240円おめちゃんです」
あさ 「おおおおおおおおお!!!!!」
私 「5人になったから48点が1人分増えたねぇ。よかったねぇ」
あさ 「そ、そうか!5人だと期待値上がってるのか!!
私 「いや期待値はあがってないです」

    あさちゃん、馬鹿の一つ覚えみたいに期待値って言葉使うのやめなよ。

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 これ以降も指先の神経が死んでいるハンデを背負ってあえて盲牌を繰り返し、ピンズをつかむと100%の確率で「うわソウズだ!」と叫んでいた。もはやソウズ引くイメージをしすぎて彫ってあればすべてソーズだと思っていたのかもしれない。

森 「あさじさん指先壊死してるんだから盲牌しなくていいですよ」
あさ 「い、いや、そんなことはないですが、なぜか僕は指先の感触があまりないんですよね」
森 「だからそれは壊死してるってことやろが」
あさ 「 灰 」



 しかしあさちゃんが盲牌すると毎回ピンズを引き、このラッシュによって持ち点は大幅に回復した。

 そして10回戦目、マンズマンズマンズと連続で快進撃をキメ、サイレンススズカのような大逃げで他4人を置き去りにし、念願の初ゴールへ。

森 「うお!あさじさんめちゃめちゃ早いやん!これ休みチップもあるから相当でかいぞ」
あさ 「うおおっ!うおおっっ!ゴ、ゴール!!キタァッ ↑!!!」

 健常者では絶対できない表情で卓を見つめるあさちゃん。ぱっと見でも全員と80マス以上の差を広げてのゴールイン。

 それに加え、皇帝、稚児さんの2人は休みチップが7枚も残っている。

    これを発見したあさちゃんはチップを指差し、仁王から怪鳥に変化した。

pass:asjwin


2着 私  82マス
3着 オラ 84マス+休み7回
4着 森  86マス
5着 稚児 90マス+休み7回

82+84+86+90+140+140=622点。
これに優勝の30点オールを追加して合計742点の大トップを収める。


私 「あさちゃん祈祷が通じてよかったねぇ」
あさ 「うおおおおっ!うおおおおっ!!」

 本人も久々のトリップだったのだろう。蒸気機関車のように鳴るあさちゃんの耳には私の声はもう1ミリも届いていなかった。



 17時30分 ゲーム終了。お気持ち表明タイム。

 集計表の計算を終えた私が皆にスコアを伝える。

稚児 +7000KP
森  +4000KP
オラ +3000KP
あさ -7000KP
ふぃり-7000KP

 私は500オールを引いて+2000ポイントあたりまで飛翔するも、通常ありえないことが起こってなぜか-1400ポイントにまで暴落。
 稚児さんと皇帝のインフェルノによってあさちゃんもあれよあれよという間に負債が積み重なりこの結果。

 ちょうど予算として宣言していた7000KPでピタリ賞を決めたあさちゃんは意外と意気消沈していなかった。やはりすごろくは楽しかったのかもしれない。

 帰り際、セットのために買ってきて飲めなかった缶ビールの存在を思い出し、負けてしまったあさちゃんに差し上げることにした。

私 「あさじんさんビール飲む?さっき2本も買っちゃったんですけど、持ち込み禁止だったようで。もしよかったら貰ってください」
あさ 「え?いいんですか?ありがとうございます」

 昔のあさちゃんなら「え?まぁ要らないならイタダキマス」と感謝0%の返事をしていただろうが、森くんと私がしつこく言ったせいか、きちんとお礼を付けるようになってくれた。
 しかしあさちゃんはいつものショルダーバッグを持っていない。おそらくどこかに忘れるだろう。



 帰りは5人そろって山手線新宿方面へ。
 皇帝オラゴンは予定があって途中下車。いつもの硬い握手、熱いハグで別れを告げる。
 恵比寿を出発したころ、あさちゃんが路線図のほうを見てそわそわしだした。次は渋谷である。どうせフリー雀荘か映画だろう。

あさ 「あの、それじゃ僕はここで・・・」

    案の定、あさちゃんは渋谷で降りて遊びに行くようだった。

森 「あ、そうなんですね、おつかれさん」
稚児 「今日はありがとうございました。またお願いします」
あさ 「ハイ」


稚児 「あさじんさんしぶとん行くのかな?」
森 「間違いなく雀荘行くでしょ。麻雀打ちに行く顔してた」
私 「これは賭けにならないレベル」


 その夜。あさログからカレーの評価が通達される。

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 あさちゃんの時給よりも高いカレーなのに、お話にならなかったようで残念だ。



 そして・・・

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 ここだけの話、給付金が入ってからフリーへ行ったほうがいいです。そもそも給付金の申請書をきちんと書けているかどうか心配だ。


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 なぜ負けてレートを下げるのか?これはフォロワーの皆様も不思議に感じることだと思う。私も不思議に思っていた。

    冒頭の散財の件もそうだが、なぜ金欠生活に陥った経験があるのに散財を続けてしまうのか?なぜ資産を増やすムーブをまったく取らないのか?しばらく考えて私はその結論にたどりついた。

 簡潔に説明すると、それは彼が逆マーチンゲール法を採用しているからである。マーチンゲール法とは古来からあるベッティングシステムで、勝率50%以上、配当2倍以上のところにベットし、外れたら額を倍にしてベット、それが外れたらさらに倍にしてベット、これを当たるまで繰り返すやり方だ。当たったところでやめれば最初のベット分だけプラスにすることができる。相手が受けてくれさえすれば超高確率で資産を増やすことができる。カジノでのバカラやルーレットに向いている。

 これに対し逆マーチンゲール法とは、絶対に資産が増えないベッティングシステムだ。
 とりあえずピンで打ち始め、勝ってしまったら豪遊し、負けたらテンゴに下げて打つ。テンゴで勝ったら豪遊し、負けたら次はテンサンに下げて打つ。こうすることで、相手が受けてくれさえすれば安定して資産を減らすことができる

 彼の言う「負け始めたらレートを下げた方が無難です」というのは、負けてレートを上げたら勝って資産が増えてしまう危険があるから、下げたほうが無難に負けられるという意味である。


その後。


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 そうでしょうね。


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    今日も安定して資産を減らし続けています。







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