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保育園が就労していなくても使えるようになる??

政府が『無園児』と呼ばれている両親が就労していない家庭の乳幼児も保育園を利用可能にすることを検討を始めたニュースを目にしました。

これを受けて、喜んでいる人、残念に思っている人、両者のTwitterを目にしました。
それは現場寄りの立場では、人員配置基準の緩和や保育士不足の問題の対策なしに対象範囲を広げてしまっているからです。保育園と調べたら、虐待というニュースも多く見られるようになってしまいました。

しかし、就労状況問わずに保育所を利用可能になること自体はとても良いことだと私も考えています。何故なら、乳児の時期に就労していないからサポートを受けられないのは現代社会ではあまりにも酷で、1人で子育てをするリスクは以前から言われていました。

また、待機児童が解消されつつある今、保育園によっては定員割れに苦しむ園も少なくありません。そんな背景から、定員割れのところに就労していない家庭の子どもをお預かりすることが現実的には可能だという判断があったように思います。

来年度からモデル園で実施する予定で、週1から2程度で定期的にお預かりしていく

現場視点から見ると、人員に余裕があれば対応可能だと思いますが、毎日利用している園児の中に週1、2程度の園児が登園してくるとなると、その園児が慣れるまでは1人保育士が付く形になるのでなかなか大変な状況になるなと感じます。

また、無園児と言われる年齢は0歳から2歳ぐらいのまだ大人の援助がより必要な低年齢のお子さんだと思います。3歳以降は、就労していなくても幼稚園という場に子どもを預けることができるからです。

集団で子どもを見ること

安全にお子さんをお預かりする」園としてまず保証しなければいけないことです。しかし、存在するすべての園がこれを意識して保育できる環境にあるかといえば、残念ですがそうではない園もあります。

集団の中で乳児を保育するには、安全な環境と知識を有した保育士が必要です。待機児童対策で急激に増えた園の保育の質の確保も意識しながら国として支援してほしいと思っています。

保育園、幼稚園は、子どもたちにとって人生初の社会に出るきっかけになります。子ども達は大好きなママやパパと離れて不安がいっぱいです。それと同じぐらい親も不安でいっぱいです。
そんな状況の中で、家庭以外にも暖かい人がいて過ごしやすい場所がある、親以外にも我が子を可愛がってくれる人がいる、そんな場所を作ることのできる保育士がいる園をたくさん増やしてほしい、そして私たち保育士もプライドを持ち専門職として仕事をしていくことが大切だと思っています。

保育は、“子どもを世話をするだけ“と勘違いしやすい職業です。しかし、年齢によって発達を理解し、個を観察し、1人1人を理解した上その子にあった援助をすること、様々な視点から保育計画をたて、日々の保育に落とし込んでいきます。

保育園と呼ばれているところは、すべてそんな場所であって欲しいと願います。

この新しい試みに、現場の保育士たちはどう反応するのか個人的に興味があります。園によっては、働いていない日は保育園をお休みしてくださいと声掛けしているところがあるからです。保育士自身も、保育という概念を改めて見直すきっかけになる気がします。

子育てと保育は同じと捉えがちですが、家で子どもが見れる環境であっても保育という専門的な知識を持った人が子どもを見ることは子どもにも良い影響を与えると思っています。

しかし、子どもにとって親との関わりは必要不可欠です。預けやすい環境を整えていくことで、子育てを完全に保育園に任せ朝から夜まで利用する長時間保育が問題にもなっているのも事実としてあります。

親は子どもの視点も考える必要がある

保育園が子どもの面倒をみてくれるから預けよう!ではなく、親が子どもの面倒をみてくれるから家庭でずっと見てね!でもありません。

親も子どもを見ること!
社会も子どもを見ること!

私は、母として、保育士として、これからも子どもたちを育んでいけたらいいな思っています。



もし、サポートしてくださる方がいたら、自信のない今の自分を変える事ができるかもしれません。宜しくお願いします♫