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まっすぐ

誰に対しても飾ることないただの自分で話すことができたらなぁと思う。

対人援助の仕事や接客の仕事をしていると、いろいろな人と出会う。今までの人生で関わってこなかったような、家族や友人知人にもいないような、多種多様ないろんな人々。

知っている話題も違えば生きてきた時代も違う。怒るポイントも笑うポイントも悲しくなるポイントも何もかも人によって違っていて、「世界(人間)ってこんなに複雑なのか」とちょっと切ない気持ちになったりする。


だから、自分と全く違うタイプの人と関わるとき、自分を作ってしまう場合がある。普段はまったくそんなことがないのに物分かりが良いフリをしたり、自信なんてないのにはきはきとしゃべってみたり。きっと素の自分で話しても伝わらないし相手のこともわからない。そんな風に諦めて自分を作って、自分じゃない自分で誰かと関わる。
本音を隠して相手に合わせること。それは別に悪いことではないと思っているけれど、でも、なんだか最近すごく憧れる。とてもまっすぐに人と向き合っている人に。



よく行くお店の店主さんは、書く文章を読んでも、発する言葉を聞いても、そこにはしっかりとその人の心が入っていると感じる。とてもまっすぐな人だ。

お客さん相手に話すということは、気の知れた友人と話すこととは別次元で気を遣う行為だと思う。けれど、その店主さんは、払ってくれている気遣い以上に、「この人の発することは、ちゃんとほんとの心から出ているな」と思わせてくれるような、まっすぐさがある。

このまっすぐさが、ほんとうに素敵なのだ。



誰と話しているときでも、その関係にほんとの自分を出せる要素を見出したい。きっと、どんな人であっても、まったくひとかけらも通じるところがないなんて、そんなことはないはずだ。何か好きになれる部分や、共感できる部分、興味がそそられるところがあるはず。相手にしっかり向き合って一生懸命知ろうとすれば、ほんとの自分で関係を築けるのかもしれない。難しそうだし、面倒そうでもあるけれど、そうあれたらとても息がしやすそう。

そんな風に思って、またさらに店主さんへの尊敬が増すのだった。


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