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「ユニコーン企業のひみつ」 今後薦めたいと思うのでかんたんにメモ

いい本でした。
お薦め本を聞かれた時にちょくちょく話すことになりそうなので、自分用のメモも兼ねて。

どんな本

Spotifyの組織体系の紹介をとっかかりに、それを支える文化・思想・目標の設計について、1~2時間くらいで読めるようにコンパクトに紹介した本。
スタートアップとかテック系の会社によくある、界隈の前提になってる文脈や考え方を軽やかに語ってる。

初めて触れる人であれば何か学びが、もう知ってる人でも改めて考えさせられるとっかかりがあるんじゃないかな〜

こんな人にすすめる

- 主にスタートアップだけど、ユーザーに何らかのプロダクトを提供する会社の人はわりとみんな読むといい
- 新入社員とか別職種からはじめてプロダクト開発に関わる人は特にお薦め
- 組織づくりをする人は入門書として、それ以外は組織づくりをする人の考え方を知りたい人の基礎資料として

感想

自分はfreeeという会社で5年くらい生きてる、非技術系のバックグラウンドのプロダクトマネージャー(別職種からPMにきたのでPM経験は3年)という立場だが、ある意味当たり前にやってきたり目にした構造・その背景と近い事が書いてあった。

いわゆるSpotifyモデル的な組織構造の内容も(自分の所属組織もこの構造に近いっちゃ近い)、その根底にある「チームはミッションだけ与えられてて、何をどの順番でやるかを決める権限を持って自律して動くのが大事」という基本理念もそうだし。

それをちゃんと結果に結びつけるための運用方法として、シンプルに共有された全社の戦略目標があって(本文中ではカンパニーベット、と呼ばれてる)、個々のチームがそれを見てミッションに沿うように調整していく、という動き方も分かりみが深い。

で、この構造を効果的にするために、透明性とか、データの活用とか、それぞれの企業の文化がとても大事なんだよ、だってそこに納得感や気持ちよさがないと自律的に働くなんて無理でしょ、文化大事だよね、と。
ここで一同深く頷く、という感じ。

全体的にベストプラクティスをそのまま真似てみよう!みたいな気持ちで読みすすめてしまいそうだったけど、結論として示されているのは、やり方よりもその背景の思想が重要、ということ。
企業はチームへの信頼と権限移譲を強化すること、個々のメンバーは自分が大きな役割を果たしているという気持ちで、責任を持って成果を出して信頼と権限を勝ち取ることで働きやすくなる。
あとはやっていくしかないんだ!みんな頑張ろう!という内容でシメ。
身も蓋もないが正論であり、説得力はある。

いわゆる「SpotifyはSpotifyモデルをもう使ってないよ」というやつの詳細も、勉強不足でいまいちピンときてなかったのだが、本書の内容と合わせて読むと理解できた。
おおむね構造は一緒、規模の拡大を踏まえて調整の煩雑さを取り除いたり、マネジメントの質を向上させるためにリード的な役割が増えている、ということらしい。
それも結局、根本の思想がベースにあって、状況に合わせてやり方を進化させたよ〜というだけのことなんでしょうね。
(なんとなく本書で描写されてるSpotifyのプロダクトマネージャーは調整役に近い感じで動いてる印象を受けたんだけど、上記のように変化していく流れとあわせて考えると腑に落ちた)

ということで、こういう働き方だよっていう紹介と、大事なのはやっていく気持ちなんだよというエッセンスを伝えるのにとても良い内容だなと思ったので、今後機会があったら人に薦めていきたいなと思ったのでした。
いざやっていく時の(短距離走ではなくマラソン風な)頑張り方についても、もっと引き出しが増やせたらいいな〜

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