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見渡すかぎり春のみどり 英国旅行2016その1

2016.04.21
1日目 羽田-ロンドン

 早朝の六時前だというのに地下鉄もJRも混んでいることに驚いたが、羽田空港の国際線ターミナルは人けもなくガランとしていた。
「いっそ徹夜で荷造りして、そのまま出発して機内で寝ればいい」という家族の提案どおり一睡もせず出てきたため、朦朧としながら搭乗し、着席してすぐ意識が飛んで気が付いたら離陸していた。とりあえず機内食だけは食べて、あとはこんこんと寝ていた。
 七時間くらい寝たところでようやく意識がはっきりしてきたので、「リリーのすべて」を観た。夫婦だった二人が、同性の親友になっていく過程が印象的だったけど、悲しい話だったなあ……
 機内でランディングカード(※2019年5月より、イギリスへの入国時の入国カードは廃止されたとのこと)を書き忘れ、ヒースロー空港であわてて書こうとするも筆記用具が手元になく、アイブロウペンシルで無理やり記入したりしつつなんとか入国。

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 初日のホテルは空港から地下鉄のピカデリー・ラインで三十分くらいのアールズ・コート、乗換なしで楽だった。チェックインしたのが十六時すぎで、あまり見られるところもなさそうだったけれど、とりあえずロンドンに来た! という気分になりたくてトラファルガー広場へ行ってみる。大道芸人や、ロックを演奏しているお兄さんや、浮いているヨーダや、いろんな人がいる。
 ナショナル・ギャラリーに入ってみたけれど、とにかく広く、部屋が多くて一時間ではまったく見学しきれなかった。近現代のモネやゴッホまでたどりつけなくて残念。名前を聞いたことがない画家の宗教画が多いな、と思っているとデューラーやレンブラントやルーベンスがあってびっくりする。ダ・ヴィンチの「岩窟の聖母」もあった。
 十年以上前に大英博物館を訪れたときも思ったことだけど、開放的で自由な雰囲気でとても居心地がよい。子どもがはしゃいでいても気にならないし、イーゼルをもってきて展示されている絵画を模写している人もいた。

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 チャリング・クロスからピカデリー・サーカスまでひと駅ぶん歩いた。劇場がたくさんある一角は見覚えがあって懐かしい。以前に来たとき「オペラ座の怪人」を観たハー・マジェスティーズ・シアターは工事中だった。
 書店を冷やかし、フォートナム・アンド・メイソンでお茶をしこたま買い込む。十九時をまわっても外が明るく、いくらでも遊んでいたくなるのをこらえてスーパーでツナときゅうりのサンドイッチ、クスクスのサラダ、水を買って地下鉄でホテルに帰った。結局、暗くなったのは二十時半ぐらいだった。

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