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真夜中に呼ばれる緊張感【介護チャレンジ  5】

焼肉外食の日から親父は全くの寝たきりになってしまった。

お袋がリハビリを終えて、自宅介護になってから顕著に弱っていく親父。
そんな親父を見てると、その一年前にお袋が骨折、脳梗塞になっていなかったら、もっと早くに衰えていたかもしれません。

気持ちとか思いって本当に大事なんだなぁ。お袋に世話してもらいたい一心で元気になった親父。(のちに「夜と霧」で読んだ”態度価値”という考えが親父に当てはまると深く共感した。)

今は自分で動くことも出来ず、お風呂も全部ヘルパーさんにお願い。

そういえばこんなこともあったなぁ。
深夜2時に携帯電話がなり、寝ぼけまなこで受けると、一階から親父が電話。

「今からカレーうどん作れ」

ほぼ料理をしたことない私。もちろん作ったことのないカレーうどん。
冷凍うどんを温め、レトルトカレーのルーを掛けただけで出したらどエラく怒り、

「出汁から取らんかい!そんなことも知らんのか!お前はあかんのぉ」

とぺろり。食べてすぐ寝ました。
なんなんやろ、と呆気に取られながら2階へ戻った。

そうやった。親父は宵っぱりで。晩飯を晩酌だけで済ますことが多いが、深夜に腹が減るのかカップラーメンやカレーをよく食べてたなぁ。それがしたかったんやな。

実家に寝泊まりしていた私は、こういったこともしたかったと言うことでしょう。その役目役割を担っていたのだと思います。

深夜メシはしょっちゅうでは無かったが、
紙オムツを嫌っていたので、トイレに向かわなければなりません。
なので、深夜であろうが朝方であろうが全く関係なく、携帯電話で呼ばれトイレに連れて行く。そんな毎日でした。

話しは前後しますが、
親父の病状は2年ほど前にC型肝炎から肝がんに進んでおり、2度受けた放射線治療も限界で、阪大病院の医師と相談して苦しまずにゆっくり過ごす選択をしました。がんで弱っていく親父に寄り添いながら、自分に何ができるだろうと考えながらの同居と介護に日々でした。

⚫️東川哲也 official web site
http://asone-labo.com

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