社会人経験1年という看板
働き始めて、もう2週間が経った。
あっという間。
びっくりするくらいあっという間。
あっ、って言ったっけ?
ってくらいのあっという間。
最初の研修はびっくりするくらい楽ちんだった。
なぜか。
2回目だからだ。
職種も環境も内容も違えど、初回よりは全然楽ちんだった。
周りの新卒の子たちが、日に日にやつれていくのを横目に
喜々として座学を受け、初回の土日には日帰りプチ旅行に行き、「2回目って楽だなあごめんね」と上からすぎる目線になるくらいには余裕だった。
前の職場と比べても天国だった。輝く星と石ころくらい違う。石ころにも失礼なくらい前の職場はひどかったんだなあと思う。
ーーーちなみに前の職場はこんな感じーーーーー
謎に私にだけ支給されない電子機器など。
パソコン(半年)、電話(1年つまり全期間)。
電話がないなら、先輩の電話を奪いに行くくらいのつもりでいったら?
みたいな声をかけられたこともあるが
そんなことしたら、お互いに立ちふさがるアクリル板が毎日粉々になっていた。
というか、今思ってもパソコンなしでどうやって半年も過ごしていたのが疑問だ。
表(のようなもの)を作る仕事を任された際おそるおそる言ってみた。
「これって…パソコンのほうがはやいですよね…?」
「でも提出は手書きだから。トータルは一緒だから。手書きで苦労するほうがためになるよ。」
は?は?は?
そんなわけない!!
なんせ表のその枠も全部全部手書きと
枠組だけでも電子で印刷するのとでは全然違うだろ!!
というバリバリの罵詈雑言を飲み込んだ。
「ははっ。そうなんですね〜」
乾きすぎた内容のない返事をして、私は工作に励んだ。
パソコンがないということは、メアドもないということで
私には回覧も見ることができなかったし、必要な書類がメールで送られてくることもなかった。
先輩に印刷してもらったり、口頭を必死でメモした。
あるとき、先輩が印刷してくれた必要書類が、1枚インク切れだかコピー機の不具合だかで薄くて見れなかった。
その旨を伝え、もう一度印刷を頼むと
「紙がもったいないから、私のパソコンの画面見て写して」
先輩のパソコン画面を覗き込みひたすら文字を写す私。
え、私いじめられてた?
今思ったらいじめられてた??
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とまあ、前の職場はこんな感じの話が底抜けにあって、いくつかは「それが社会だよ」の鼻白まれてしまうことかもしれない。
でも、今回の職場は違う。
入社初日からメアドが付与パソコンもすぐさま支給。
文房具もろもろも支給。
なんて天国!!!
私は恵まれ感を噛み締めていた。
でも、ということは私の経験した1年は、これから経験する1年の足元にも及ばないんだろう。
お茶やコーヒーばかり入れていた日々。
ここには急須もポットもない。
はて。
私はやっていけるのだろうか。
「社会人経験1年アリ」
という重いんだか軽いんだかわからなかった看板。
重すぎるということに今気がついた。
私には重すぎる。
「社会人1年やってたならビジネスメールは〜」
「社会人1年やってたなら電話くらい〜〜」
私の経験には重すぎる。
前の職場での1年なんて、たぶんここでの10日にも満たない。
やったことがないなんて信じられないだろうし(自分でも信じられない)、
たぶん言い訳にもならない気がする。
前と違って質問や雑談なんでもござれの雰囲気だけど少し怯えて週末を過ごす私。
地獄のような前の職場で学んだたった1つのことは、できなくてうじうじしている間よりも
やってから失敗したあとのほうが、気づきも助けも多い。
えいやっと飛び込む方が勇気は何倍もいるけど、その分何倍も救われる。
と、言い聞かせてるうちに2回目の土日が終わる。
平日と土日の時間の進み具合って異常じゃない?
とは、他の何人もの先人たちが言ってきたことだろうけど、なぜこんなに時代が進化しても変わらないんだ!
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