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思春期に聴いてた音楽で形成されている話

音楽を自発的に聴き始めたのは確か小4の時で、TM NETWORKの「Get Wild」を買おうと思ってレコードショップに行ったらまだシングルリリース前だったらしく、とりあえず『Gorilla』のカセットテープを買ったのが最初だった。「雨に誓って~SAINT RAIN~」という曲が収録されていて、聖闘士星矢にハマっていたのもあって選んだのだった。CDがまだそんなに出回っておらず、家にプレイヤーもなかった頃、CDに限らず、自分はPCやネットが普及していく様子をリアルタイムで見ていたのかと思うと、平成生まれの推しに高額な投げ銭をしてる場合じゃないんじゃないかと若干の後ろめたさを感じなくもない。

当時は、TMが好きだというと転校先でも割とすぐに打ち解けられたような気がする。姉の影響で米米ファンだという大人びていた女の子と転校後もしばらく文通を続けていたこともある。「大人になったらてっぺいちゃんと結婚する!」という手紙に「私はUTSUと結婚する!」と返信していた。(案の定面倒臭くなって、しばらくして自然消滅した)

最近Spotifyでプレイリストを作るときに15曲以上であれば勝手に追加されないというのを知り、4時間かけて中高時代に聴いていたプレイリストを作った。小学生だと全曲TM NETWORK(たまに岡村靖幸と松岡英明)になってしまうので、中学生からにした。中1からやり直したい、そんな気持ちの表れもあったのかもしれない。2曲あるのは、その後の人生に大きな影響を与えたアーティスト。

TMN「RHYTHM RED BEAT BLACK」
TM NETWORKが好きすぎたせいか、『CAROL』までの曲の物悲しい感じが薄くなってしまったせいか、TMNになってからはいまいち馴染めなかった。今聴くと、転調とかいかにもTKだし、曲の展開とかよく考えられてるな〜と普通に格好良い。ライブにも1回行ったが、2階席の後ろの方だったせいか巨大ロボットの着ぐるみが出て来たことしか記憶にない。

SOFT BALLET 「BACK LASH」
SOFT BALLET 「AFTER IMAGES」

深夜の歌番組に「NO PREASURE」で出ていた彼らを観て、「なんだこれは……」と衝撃を受けてすぐにCDショップに走った。当時2ndが出たばかりの頃で、出ている音源を全部揃え、中1の秋に初めてライブハウスにも行った。小室哲哉作品のDigitalian is eating breakfastでニューウェーブな成分を抽出して、煮詰めて行った先にあったのがソフトバレエだと考えると、ない話でもないと思う。藤井麻輝作曲なのに意外すぎるノイズでもインダストリアルでもない「BACK LASH」といい『3 (drai)』は大好きで初回限定のボールチェーンキーホルダーを鞄に付け、ロゴが入ったシャーペン(札幌の新星堂が独自に作っていて、買い物する度にやたらと貰っていた)を愛用していた(古参アピ)。「DANCE 2 NOISE」というコンピレーションアルバムを001から005まで買ったが、収録されていたBRAIN DRIVE(Spotifyになかった)なども聴いていた、今考えても相当にセンスが良い中学生だった。もちろん周囲に同好の士は皆無だった。

平沢進 「スケルトン・コースト公園」
これもまた深夜の音楽番組でSOFT BALLETと平沢進がフィーチャリングしたライブ映像が流れていた。(遠藤遼一の手持ち無沙汰からのローエンコーラスが最高なのでニコ動とかに上がってるので観てください)楽屋トークで一番衣装が派手と言われ、はにかみながら胸のプロペラを回す姿とライブ中の格好良さのギャップにやられて、丁度P−MODELが解凍後(Spotifyになかった)のタイミングだったのもあって聴いていた。

Guniw Tools 「モラリストの事」
Guniw Tools 「STEEL LEAF」

何きっかけで聴き始めたのか定かではないが、雑誌か何かでデビュー前の記事が載っていたからだったような。ジャンルし難い音楽性とその尖りっぷりに、きっと当時のヴィジュアル寄りサブカル少女やロリータ好きはみんな傾倒していたはず。ギターのJakeが脱退してから、曲が洋楽モロパクになったりして離れてしまったが、曲だけでなく、アートワーク、衣装、MV制作まで自分達(というか古川とも)でやるという姿勢とそのクオリティ(当時)に衝撃を受けた。独学で服作って着たり、デザインと映像とDTMを学べる専門にその後進んだり、公務員か地銀勤務を目指して余暇は小説を書いて過ごそうと思っていたのに「わたし、クリエイターになる!!」というモラトリアムと承認欲求を爆発させることになった。未だにこの選択が正解だったのかはわからない。

Cutemen 「Never Land」
ミュートマジャパンのEDか何かで、超格好良い曲だな……と思っていたものの曲の詳細がわからず、高校で入った部活の部長から勧められたアーティストの曲だと2年越しに知るというドラマティックな曲。存在を知った時には時既に遅し、もう活動休止してしまっていた。メンバーのCMJKと元M-AGE梶原(超絶イケメン)によるConfusion(Spotifyになかった)はリアルタイムだった。

Japan 「Ghosts」
好きなアーティストが影響を受けたアーティストをdigる、ということを当時はよく試みていた。私のセンサーの当たり判定がシビアなのか、これも良いな〜となることは滅多にないのだが、Japanは好きだった。

David Sylvian、坂本龍一 「Forbidden Colours」
毎年12月になるとラジオから戦メリが流れてくる度に泣いている位物悲しいが、この曲のおかげで更に物悲しくなっている。ジャケットを開いたとこにあるデヴィット・シルヴィアンが美形すぎて辛い。

Orbital 「Halcyon On and On」
Cutemenを教えてくれた部長は、海外のテクノやハウスのおすすめ曲や、人生などのレア音源を入れたカセットテープを定期的に私にくれた。持つべきものは面倒見の良い古参ファンである。

access 「Lyin' Eyes」
access 「SCANDALOUS BLUE」
そんな部長も「最近アクセスにドはまりしまして……」と言ったら「ソフトバレエファンで見込みのある後輩だと思ってたのに……」とあからさまに落胆していたが、「そもそもTM好きだったんでサウンド的には直系ですよ。あと貴水博之の顔面が好き過ぎるので仕方なくないですか?」と言ったら「それもそうね……」と納得して卒業して行った。「Lyin' Eyes」の後半の英語ラップ部分を友達の友達に頼んで解読してもらって完コピしてカラオケで披露したり、黒ジャケットにヒラヒラ襟のシャツばかり着ていた。そういえばこの友達は他校の人だったけど、CMJKと出身校が同じだったので、当時の卒業アルバムのコピーを見せてもらったりもした。

Jamiroquai 「Virtual Insanity 」
貴水博之がソロになり、地元のラジオにゲストで出た時にかかっていて、初めて聴くジャンルの音楽で、格好良さに衝撃を受けこれも速攻CDを買いに行った。道路に面したスタジオで、長蛇の列になったファンが10人10秒刻み位の入れ替え制で中の様子を観察していた。私のいたグループが観察するタイミングで丁度CMに入り、ヒロはファンの方を向いて手を振ってくれていた。私はご尊顔ありがてぇ〜と思わずお辞儀してしまったが、向こうも笑ってお辞儀し返してくれて、一生着いて行こう、その時はそう思っていた。昔から推しに対してやっている事が変わらない。

Marilyn Manson 「Coma White」
この辺はソフトバレエのインダストリアルな系譜だと思う。CDショップで展開されているのを聴いてこれも衝撃を受けた。暗くてメロディラインが物悲しくて、ベースが半音ずつ移動するようなとこを考えれば、好きな音楽は昔から一貫している。

七尾旅人 「萌の歯」
長期休暇には伯母(良い人の方)の家で3匹の犬の世話と美容室の手伝いをするというバイトをしていて、夜は犬達と店舗のある家(白いワンピースを着た幽霊が出る)に泊まり込んでいた。民放が2局しかないクソ田舎ながらWOWOWに入っていて、スペシャでMVを観たのがきっかけだった。初期の「戦闘機」とか『雨に撃たえば…!disk2』(Spotifyになかった)とかが好き。何年か前にスナックしろくまの店長さんとこのアルバムは最高だという話になり、聴いていないという吉田くんのために次の来店時に寄贈したことがある。今でもあのCDはしろくまにあるんだろうか……

最近は就寝前や出勤時にこのプレイリストを聴いているが、当時の流行りシンセサウンド全開のTMNとaccessはともかく、今聴いても全然20年前だと感じさせないオシャレさだと思う。本当に落ち着く。

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