見出し画像

配信ライブについて考える話

ライブに行けないので建設的な話が全く出来ない。
仕事をして余暇はプレステでゲームをするかアマプラで映画を観る。この繰り返しをしていると、自分という人間の生産性のなさが浮き彫りにされてアイデンティティが崩壊していくようだ。今まで平日休日問わずライブに鬼のように行っていて気付く余裕がなかっただけで、元から自分は何も生み出してはいなかったけれど、良いライブを体験して情緒を刺激されたり、友人と感想を言い合ったり、推しと話してキャッキャしたりして、なんとなく充実している感を醸し出していただけではあるけれど、その位ぬるま湯に浸かっても良くないですか、チケット代分位は。

誰に投げるわけでもない手榴弾を抱えながら、この半年間配信ライブをいくつか観た。頻度の高い順にYoutube、ツイキャス、Streaming+、ZAIKO、PIA LIVE STREAM、ライブナタリー、Twitch、Vimeo、あとはライブハウスやアーティストのHPの隠しページに動画が埋め込んであるものなど……有料/無料(投げ銭制)含めて、大体のプラットフォームは網羅したんじゃないかと思う。
5月とかの配信黎明期は、配信していただけるだけでありがてえ〜という気持ちだった。私は基本、初回視聴は家で一番メモリを積んでるMac miniをテレビにつなぎ、Wi-Fiではなく有線LANでネットにつないで7.1chサラウンドヘッドホンを装着するという万全の体制で臨んでいる。なので環境的にそんなにイライラさせられた事はないのだが、外出先でスマホ(2年前位のXPERIA)でアーカイブ配信を観ようとしたらそもそもアプリの画面操作自体が激重だったりしたこともあった。ライブのこの曲から再生したいと思ってもスライダーをスマホ上で動かすのって結構難しくない?個人的に配信をスマホで観ようとは思わないが、世のスマホはもっと高性能なんでしょうか。昨今の若者はPC持ってない人も多いと聞く。スマホサイズでライブの代替になっているのだろうか他人事ながら心配になるが、そもそもリアルでライブ通いしていたのも大人ばっかりだったじゃないか……と思い出した。

配信ライブで新しい音楽に触れる機会も増えるかも……と半年前は思っていたのだが、そもそもチケ代が現場とそんな変わらない価格設定だし、アーカイブがないと視聴タイミング合わない人も多そうだし、新規開拓にはそれほど繋がらないのかもしれない。今までの現場コミュニティ(アーティストやハコの活動含め)を継続させていくため位にしか過ぎないのかもしれない、という気がしている。吉祥寺NEPOの配信のサブスクはその点、ハコとアーティストの存続と、新しい音楽との出会いを考えられていて、さすがNEPOだな~と思ったけど、この位環境整えないと「配信のフットワークの軽さを活かした新しい音楽との出会い」みたいなものが機能しないのかと思うと、そうそうやれた話ではないよね。

配信をディスってばかりだけど、私は配信に合わせて予定を調整するので困らないし、本当に「アーカイブあれば嬉しいけど、リアタイ視聴のみでも、生きてる推しが仕事してるのを見れるだけでありがて〜〜」精神なので、無理難題を言うつもりはない。観客の有無でそれぞれ撮影の勝手が違うというのも承知しているが、未知のアーティストのライブへの入口になりえる配信だからこそ、もっとちゃんとしたらいいのに……と熱心なファン目線で思う事がたまにあったのも事実。

「テレワークも終わってる時期に週始め20時から配信、アーカイブ翌日(平日)まで」という根本的に視聴のハードル高くない?という日程的なものから、「楽器ソロのタイミングでなんでわざわざ代わり映えしない他パートの映像流してるの?」という曲の盛り上がりを全く気にしないスイッチングや、「手持ちでライブ感出したいのかもしれないけど動きを追えてなくて全ブレする位なら固定でいいよ……」というカメラの台数アピールするくせにカメラマンの腕が着いて行ってないものや、「生誕祭なのに正面バストアップのショットが全部顔周り後ろのサポートメンバーが被ってるのはファンの人怒らないの?」とか「何もない空間とか画面の半分譜面台とか身体の一部を映してるのは何か意味あるの?」という画にセンスがないものとか……もう以前のように推しのソロパートでヒュ〜ヒュ〜かけ声をかけることもないだろうし、最前とかスタンディングとかいう概念もなくなってしまうのかもしれないのだから、もっと配信にファンの目線を取り入れてほしいと思う事がちょいちょいあった。ファン目線というと途端に素人は黙っとれ的な感じになってしまうけど、そもそも熱心なファンじゃないとライブと一緒で何度も何度も配信は観ないし、魅力を知っているファンだからこそ気付ける点とかは絶対あるはずだと思うんだけど、まあ誰も聞いちゃくれないよね。

スイッチングにアタフタ感が出てるのとかは本当に良くない。リアタイ映像切り替え→動画編集になってしまったら費用も時間も違うし難しいんだろうなとは思うけど、ライブ当日に配信しないといけないものなんだろうか。リアタイでコメントできてもライブ中の本人が拾うわけじゃないし、クソリプは湧くし、良い事なんて一つもないので、後日週末とかに録画配信で全然良いと個人的には思う。
基本音は、ライン録音なのでどこも問題ないように思える。挙げるとすれば、ダイレクトな分ミスタッチとかが結構気になってしまったけど、あんまり関係ないからいいや。

「この曲のこの部分はこのパート盛り上がるので映してください」とか「この曲の間奏でメンバー紹介するので順番にメンバー追ってください」みたいなのって、技術的に全然難しい話じゃないので、ちょっとの準備でやれる話だと思うんだけど、配信内容のディレクションとかビジネスチャンスにならないですかね。リハ1回観れば、曲のポイントわかると思うんだけどね……

観た中で個人的に一番カメラワーク/スイッチング共に「アーティストの良さを伝えたいという熱意」と「ファン目線での格好良さへの理解」を感じたのは、つくばロックフェスでのトリプルファイヤーだった。
気軽に観れるYouTubeで、外部ドネーションサービスと連携しててGoogleアカウントやクレカなしでも気軽に投げ銭できたのも良かった。

どのプラットフォームを利用するかは、会場のライブハウスやプロモーターと提携している関係もあり、YouTubeはそもそも規約で有料配信はできないとかもあるので、全部ここにすれば良いのに……と一概に話が出来る程簡単ではないが、リアタイ視聴してコメント拾ってもらって投げ銭アイテム投げて交流するのが醍醐味のものも、「ライブの代替」を目指して撮影込みでクオリティ重視のものもあるし、結局住み分けて、過渡期を迎えるんだろう。

ここ数ヶ月は、音質にこだわった配信や、VRなど配信ならではの演出をやっているアーティストも出て来て、やはりスマホ視聴をターゲットとするのではなく、PC視聴をメインとし、少人数の現場+アーティスト色を出した配信がスタンダードになって行くのかもしれない……と思う。(ありがてえ〜)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?