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歴史弱者の理系大学院生が歴史ポッドキャストにはまった話

私は数式に触れることが多い理工系大学院生なのですが、実はこの春から、専門分野とは全く関係のない歴史ポッドキャストを聞き始めました。
その名も、『歴史を面白く学ぶコテンラジオ』 (以下、コテンラジオ) 。

聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。ジャパンポッドキャストアワード2019 大賞&Spotify賞 ダブル受賞ということで、私が言うまでもなく既に世に知られた良質番組です。YouTubeでも公開されています。
聞き始めて4ヶ月ほどになりますが、完全にマイブームです。ハマっています。

ちなみに、私は歴史について全く詳しくありません。最後にゆとり時代の授業を受けて10年以上となる今となっては、一般常識レベルさえあるかも疑わしいです。
そんな私がこのポッドキャストを通して歴史を学ぶ面白さに気づくなど、予想していた以上に自分に影響を及ぼしています。
そんな個人的に激アツなコンテンツなのですが、残念ながら身近に同士がいないので、noteにまとめてみました。お読みいただけると嬉しいです。
…とは言いつつ、 上のリンクから番組を聞いていただければ、もはやこのnoteを読むまでもなく素晴らしさがすぐわかると思います笑

出会い

コテンラジオを見つけたのは、たまたま新しいポッドキャストを開拓しようと思いたったとき。普段は (勉強も兼ねて) 英語の番組を聞いてばかりなので、たまには日本語のものもいいかなと思い、なんとなくブラウジングをしました。
そして、とある歴史番組が目に留まりました。『コテンラジオ』です。

iTunesの番組トップページを見ると、高評価のレビューばかりでした。エピソード一覧を見てみると、教科書のように年代順に並んでいるわけでもなさそう。
これなら、ゆとり世代の中学歴史止まりな私でも大丈夫そう...?
ものは試しということで、とりあえず聞いてみることにしました。

実際に聞いてみた

第1回を聞いた感想をひとこと。面白い。

コテンラジオの登場人物は

・歴史を愛し、歴史を知りすぎてしまった歴史GEEK (株式会社コテンの深井龍之介さん楊睿之さん)
・歴史弱者のパーソナリティ (樋口聖典さん)

となっています。歴史に詳しくない方がパーソナリティを務めていて、素朴な疑問を歴史GEEKのお二人にぶつけていきます。このスタイルも非常にいい。
タイトルにもつけていますが、私自身は相当な「歴史弱者」です。真面目に勉強したのはゆとり世代の中学歴史止まり、歴史漫画も大河ドラマも見ないという歴史弱者の王道人生を送ってきました。

そんな私でも聞ける、わかる。そして面白い!

歴史コンテンツに対して「面白い」という感想を持ったのは初めてで、私の中ではかなり衝撃的な出来事でした。

Season 1は吉田松陰に焦点を当てた計4回のエピソードからなります。
恥ずかしながら私は「吉田松陰って何の人だっけ...?」と思いながら聞き始めました。ですが、このシーズンを聞き終わる頃には「吉田松陰すごい!他のエピソードも知りたい!」に変わっていました。
※さらにその後のSeason 14で、関連する高杉晋作を取り上げています。

とにかくあっという間に引き込まれ、その後は暇さえあれば (耳が空いていれば) コテンラジオの続きを聞くという生活になりました。1ヶ月ほどで過去のエピソードを番外編も含めて聞きつくし、今では配信日の月・木曜日に新規エピソードを聞いています。

ちなみに現時点までで公開されている中で私が一番心惹かれたのは、三蔵法師・玄奘を取り上げたSeason 13 (#79~87) です。三蔵法師の知的好奇心の高さや真理を探求し続ける精神力に、いち研究者として深く感銘を受けました。心にグッとくる話でした。

なぜ面白いのか?

コテンラジオで学ぶ歴史は、私が学校で学んできた、いわゆる"教科としての歴史"とは全く印象が異なります。
1つのテーマ (人物・国・概念など) について数回のエピソードにわけて学んでいきます。そのなかで、時代背景から出来事や人物のより詳細な描写まで、ミクロ・マクロの視点を切り替えながら話が展開されるのです。よく練られているなぁ、と感心するばかりです。
さらに、案内役である株式会社コテンのお二人による解説も必聴です。特に、過去の出来事や考え方を現代社会や会社経営に喩えることが多く、断片的にしか知識がない私にでもイメージしやすいのです。パーソナリティの樋口さんも含めた3人のウィットに富んだ会話は非常に聴き応えがあります。

また、深井さんはよく「歴史 = 過去の事例を学ぶことで、物事を相対化できるようになる」とおっしゃっています。この視点はまさに目からウロコでした。たしかに、相対化によって自分とは異なる立場・考え方・文化の人や社会が理解がしやすくなるし、少なくとも心理的ハードルが下がると思います。多様化が進む社会で生活するためのヒントになるかもしれません。
​コテンラジオを聞いていると、歴史が人間による様々な活動の蓄積であることを実感します。

私と歴史

実は、少し前にも世界史を勉強しようと思ったことがありました。
大学院生になり、国際学会のための海外出張が増えたことが主な理由です。せっかく新しい土地を訪れるのであれば、その国・その場所のことをもっと知りたいと思いました。
あとは、一般常識として歴史方面が圧倒的に不足していることは自覚しており (何しろ相当な歴史弱者ですから)、それを補いたいという考えがずっと頭の片隅にありました。周りの先生方は専門以外のことにも博識な方だらけで、形だけでもマネするにはとりあえず多方面の知識を増やせばいいだろう。――そういった、単純に「知識を増やしたい」という、ある意味打算的な考えがモチベーションでした。

このような歴史学習に対するモチベーションが、コテンラジオを聞くなかで覆されました。歴史を学ぶことの意義や面白さを知り、「歴史が面白いからもっと知りたい」という考えに変わったのです。中学生の頃に知りたかったなぁ。

さらに、コテンラジオを聞いてからリベラルアーツ全般にも興味が出てきて、読書量がかなり増えました。本で出てくる内容が、コテンラジオで聞いた知識と結びつくこともあります。そのようなつながりを発見したときは嬉しくなりますし、話の内容そのものやバックグラウンドがわかるので楽しいです。

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とにかく、百聞は一見にしかず (この場合は一聞?) ですので、ぜひ番組を聞いてみてください!本編だけでなく、番外編もまた面白いお話がたくさんでオススメです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。よろしければスキしていただけると、励みになります。

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