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「プラトン立体と象徴」

 本件は『魔女の写経:作図』の続きです。前回はフラワーオブライフに保存されたプラトン立体を作図し、この世に5つしか存在しない立体がどういうものかを経験していただきました。面が何角形で何面ある、角が何個ある、線が何本あるなど、ざっくりとイメージ出来たかと思います。

 なぜ作図をして頂いたかと申しますと、これはひとえに慣れてもらう為。大人になってからプラトン立体を作図した事なんてありませんでしょ?象徴の解釈には正しい連想が不可欠ですが「立体」は「円や三角」のように簡単に連想は出来ません。例えば、三位一体と言われれば「三角」が、東西南北の四方と言われれば「正方形」が容易に結びつきますが、それは三角形と正方形の特性を知り慣れているから。一方プラトン立体では、四面体が火を、二十面体が水を象徴しますが、プラトン立体の特性を知らず慣れていなければさっぱり結びつきません。ましてや十二面体の意味などは「立体の特性」と「上の如く下も然り」を理解していませんと絶対に理解できません。

 また、「三角形は三つの角がある図形」という「数学的視点」と、「三角形は父母子の三位一体」という「象徴的視点」の二つの視点でプラトン立体を見ることも重要です。我々の住む現実は「魔術」と「科学」が分けられているため、両者間の繋がりを常に意識しなければなりません。本件ではプラトン立体の「数学的視点」と「象徴的視点」の二つの視点でDecodeし、その過程から古き賢人の考え方も学んでゆきます。

 本件はわたくしの本『As above So below』と一緒に読み進めることで理解の助けになることと思います。お持ちの方は是非ご利用してくださいまし。では始めましょ〜


ピタゴラス学派の宇宙論

 ピタゴラスはあらゆる物を三つに分け考えました。万物は「3」から成っているという考えからです。したがって宇宙も「至高世界」「上位世界」「下位世界」の3つに分けました。その詳細は以下です。少々硬い文章ですがマンリー先生の言葉をそのまま引用します。

 最高の「至高世界」は精妙な互いに浸透し得る霊的本性で万物にくまなく行き渡っている。それ故そこは「最高神」そのものの真の領域であり、あらゆる意味において、あらゆるところに存在し、あらゆる活動の原因であり、あらゆる力をもち、あらゆることを知っている「神」なのである。その下にある二つの世界は、この至高なる領域の本性の内部に存在する。

第一世界:至高世界

 「上位世界」は神々の住まいである。それはまた原型つまり封印の存在する場所でもある。その本性はどのような形でも決して地上的な物質を取り入れることはない。むしろその影を下位世界へと投げかけ、人間はその影を通してのみ、その本性を認識し得るのである。

第二世界:上位世界

 「下位世界」は物質をまとった生き物の住まいであり、生き物はそこで物質とともに、また物質に対して働きかけている。

第三世界:下位世界

 ちょっといきなり難しい文章ですので簡潔に置き換えましょう。セフィロトの「天使が線を引いている部分」で区分けし三つの世界を当てはめれば同じこと。

わたくしの本も古き慣習に従い「数10」で構成した魔導書ですので同じ事。

「Number 0.1 2 3」= 第一世界
「Number 4 5 6」= 第二世界
「Number 7 8 9」=第三世界

 ここからおさらいも兼ねて「第一世界」から順に下って行きます。少々長いですがそれ相応の理解が得られるよう綴りました。下り切った「第三世界」にプラトン立体が待ってますので頑張って下さいまし。


はじまり

 我々の住む世界は、点から始まり、2点の線、3点の面、4点の立体で構成された世界で、そこに時間という動きが加わった無限に繰り返す世界。換言すれば、1次元(線)、二次元(面)、三次元(立体)に時間軸を加えた四次元が我々の住む世界ということ。この永遠普遍の原理を、わたくしは「理」と呼びます。そして「理」を伝える言語は「数・幾何学」。何故なら、この世にこれしか無い「理」が現れるものは、同じくこの世にこれしか無い「数・幾何学」のみだからです。故に「数・幾何学」には「理」がそのまま現れていると言うこと。

 では順に形の成り立ちを追ってゆきます。その過程で見える”繋がり”に注意して下さい。"現れ"は変われど"同じもの"が一貫して存在しプラトン立体まで繋がっていますので。また、冒頭で申し上げた「数学的視点」と「象徴的視点」もお忘れなく。今あなたが読んでいるものは、ただの算数の勉強ではなく、いにしえの魔術の勉強なのですから。



点 / 円

 この世の始まりは「点 / 円」。円は「中心点」「半径」「円周」の単独の「三位一体」で形をなす「唯一無二の図形」です。円周と中心点を結ぶ「半径の線」は、円周上の「どこからでも等しく」なります。視点をかえ、直径の線を中心で区切れば、全く同じ長さの半径で「対をなしている」ということ。故に以下のように書き表すことができます。

「点 / 1」 + 「対 / 2」 = 「円 / 3

 この視点で見れば、円周率が3.1415…(四捨五入したら)なのも偶然ではないと分かるはずです。円周率とは直径と円周の比であり、値は直径の約3倍です。



正多角形

 正多角形は「辺の長さ」と「角の大きさ」が「全て等しい」多角形です。それゆえ一つの角から垂直に分割すると「似て非なる対」になります。"円の特性が形を変えて引き継がれている事"に注意して下さい。また、正多角形は角が増えれば増えるほど円に近づきます。この数多い正多角形の中で最も重要な形は三角形です。

 円の力を拡張させるには3点が必要です。1点では力はとどまり、2点では往復してしまいます。円の力は3点で初めて循環し拡張されます。故に形の始まりは「三角形」であり最も重要な形なのです。

 また、形の形成には常に何らかの形で円と黄金比が関わっていることも忘れないでください。第一世界の「1 / 最も古き者 / π」と「2 / 最も古き父母 / ±Φ」は、形の形成のどの段階においても必ず関わります。故に根本原理と呼ばれます。

「最も古き者 / 大円 / 1」+「最も古き父母 / 小円2つ / 2」=「三角」
または
「最も古き者 / π」+「最も古き父母 / Φ」=「三角」



プラトン立体

 プラトン立体は、全ての面が「同じ正多角形から成り立ち」、全ての頂点で接する「面の数が等しく」、中心点から「各頂点までの線も等しい」凸多面体のこと。また、全てのプラトン立体は「双対性」を有し、特定のプラトン立体同士は「双対関係」にあります。

六面体と八面体
十二面体と二十面体
四面体は自己双対



特性のまとめ

 ではこれまでに述べてきた「円、正多角形、プラトン立体」の特性をまとめます。

  1. 「点と線」= 原理 = 円・黄金比 = 至高世界

  2. 「三角」= 叡智 = 面 = 上位世界

  3. 「四面体」= 量的 = 立体 = 下位世界


 円は「中心点」「半径」「円周」の単独の「三位一体」で形をなす「唯一無二の図形」です。円周と中心点を結ぶ「半径の線」は、円周上の「どこからでも等しく」なります。換言すれば、直径の線を中心で区切れば、全く同じ長さの半径で「対をなしている」ということ。

 正多角形は「辺の長さ」と「角の大きさ」と「中心点から頂点までの長さ」が「全て等しい」多角形です。それゆえ一つの角から垂直に分割すると「似て非なる対」になります。

正多角形

 プラトン立体とは、全ての面が「同じ正多角形から成り立ち」、全ての頂点で接する「面の数が等しく」、中心点から「各頂点までの線も等しい」凸多面体です。また、全てのプラトン立体は「双対性」を有します。

プラトン立体


 第一世界の特性が、第二、第三と下へ行くにつれ、"現れ"は変われど引き継がれていることを記憶して下さい。第一世界の力は万物に浸透しています

 第一世界の特性を受け継いだ第二世界から「角度」が現れます。点と線に角度が加わり二次元の様々な面を生み出し形を作ります。第一世界の「神 / God」の使いが「天使 / Angel」⇄「角度 / Angle」の理由がわかりました?

 第二世界の力は「高さ、幅、深さ」からなる第三世界で物質化します。第三世界は「第一、第二世界からの力」と「物質同士」で均衡を保ち形をなす完璧な調和の三次元世界。その調和の元となるものがプラトン立体と結び付けられ象徴化されているもの。

 

プラトン立体と象徴

 形あるものの住む三次元世界は「第一世界の原理」と「第二世界の叡智」により形作られた「量的・物質的世界」です。第三世界の物質の形成は「第一世界」「第二世界」の力と「第三世界の力」である「五大元素」の働きによりなされます。そのため、この世に5つしかないプラトン立体と元素が結び付けられ象徴化されました。


元素

………でも、、、正確には「4元素+1」の「5」なんですよ。

 プラトン立体の象徴を学んだ人なら気付いたはず。十二面体に結び付けられた元素は「エーテル」や「ユニバース」「アカーシャ」など曖昧な表現で定まっていないことを。それでも間違いではありませんが、きっと解釈は間違ってます。並びを正しく置き換え元素の作用を理解すると共に、数学的視点でも読み解かなければ十二面体の意味は理解できません。では元素を正しく置き換えてみましょう。

プラトン立体と元素と正しい配置

 元素とプラトン立体の象徴の結びつきについてはマンリー先生の言葉を引用します。

 ギリシア人は物質的宇宙を四大元素「地・風・火・水」から構成されていると信じていたので、必然的に各元素の原子の形は正多面体(プラトン立体)の形をしているという結論に達した。

 「地の原子は立方体」である。最も安定性を保っている正多面体だからである。「火の原子は正四面体」であった。正四面体は最も単純であり、最も軽い正多面体だからである。水の原子はまさにその反対の理由で「正二十面体」である。また、風の原子は水と火の中間的存在だから「正八面体」である。

 「正十二面体」は古代の数学者にとって最も神秘的な立体であった。正五角形を正確に描くにはピタゴラスの定理を巧みに用いた比較的複雑な手続きが必要である。そのことからプラトンは「正十二面体を使って神は宇宙の設計図を引いたのだ」という結論を打ち出している。

 これら4つの元素の影響の拮抗状態で物質は形をなします。4つの元素からなる4つの影響。以下の図に見覚えはありませんか?視点を変えたなら一緒なんですよ。

4つの元素と4つの影響
または
『As above So below』の Number 8

 第三世界の物質界は4つの元素「火・水・土・風」からなる4つの影響「熱・冷・乾・湿」の拮抗状態により、4つの形態「プラズマ・液体・固体・気体」で形をなします。

 さて、4つの元素は「火・水・土・風」とすぐに連想できますが、中心に位置する十二面体はどうでしょう?もう一度マンリー先生の引用を思い出して下さい。

正二十面体

「正十二面体を使って神は宇宙の設計図を引いた」

 これを象徴的にいうなら「最も古き者の手足、または道具」であり数学的にいうなら「Number 7」です。物質界の地上に降り立った上位世界の女神。「武装したアテナ」。最も古き者の特性である「繰り返し」を持つ「地上の力」。これらが正十二面体と結び付けられたものを表す言葉。

それは黄金比

 それは近代科学が仮定しているエーテルに密接に関わりを持っており、あらゆる他の元素に行き渡っている浸透的実態であり、他の元素に共通する融剤であり、共通な要素である。

マンリー・P・ホール

 古き賢者は黄金比について語らないため文献は残っておりませんが、わたくしは正十二面体に黄金比が結び付けられた理由は構造にあると考えます。二次元の面を見ても、三次元の立体を見ても、黄金比がはっきりと顕現している形は正十二面体以外にありませんから。

 思い出して下さい。「第一世界」の力は「第二世界」へ現れるとき姿を変えました。「第二世界」から「第三世界」へ現れるときも同様です。「πとΦ」は形の形成のどの段階においても関わってます。第三世界においては、πは目に見えない球となり範囲を制限し、その範囲内でΦは4元素に浸透する融剤となり物質を形成し無限に繰り返します。前述の「4元素+1」がご理解いただけましたでしょうか?また、以下の二つの画像を重ねて考えれば、中心に位置する十二面体の意味がはっきりと分かるはずです。

上から下まで延々とこの繰り返しで物質化したものが宇宙です。

銀河の中の太陽系と黄金比

太陽系の惑星の黄金比

月と地球と黄金比

子宮と赤子と黄金比

 上の如く下も然り。子宮は小宇宙ですから仕組みは一緒です。子宮という範囲が定められ、その範囲内で様々な元素が黄金比に則り調和し物質化します。中でも一番重要な事は、銀河の中の太陽系の場所と、母と子を繋ぐへその場所の重なり。本当に大切なことは「時代」も「類」も、そして「スケール」さえも超え重なります。

 そういうものこそが、この宇宙のルールである「理」だから。古き賢人が「神」と定義した「理」だから。古き人々が伝える大切なことはいつも同じ「理」です。

 松果体が「松ぼっくり」や「目」で象徴化される理由も、上の如く下も然りの理を伝えるため。


まとめ

 プラトン立体が示す象徴を読み解けば、やはりいつもと同じ「理」が現れます。「あらゆるものは他のあらゆるものと繋がっている」とのダヴィンチ先生の言葉通り、この世にこれしかないものは理に繋がります。また、そういうものは古くからしっかり結び付けられてもいます。しかしながら「正しい読み方」が意図的に失われているため正しくDecodeできません。古き賢人の言葉を正確に読み取る為には「数学的視点」と「象徴的視点」の双方が必要です。現代的に言うなら「科学」と「魔術」の視点と言う事。この視点でしか古き智慧はDecodeできませんので、「知りたいのなら知るに足る人になれ」の言葉を忘れないで下さいまし。

 では本件はこれまでといたします。あなた様の心にわたくしの魔術が届きましたなら引き続きお付き合いをお願いいたします。

お知らせ

 本件ではプラトン立体と元素との結びつきをお伝えしましたが、この世に5つしかない立体の神秘は「形」だけではなく「数」からも見えます。その繋がりを本件で綴ると文字数が凄いことになってしまいますので次回の記事に持ち越しとなりました。至高世界からの繰り返しは「数」からもはっきりと読み取ることが出来ますのでお楽しみに〜 

本:『As above So below』



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