アートはビジネスで、ビジネスもアート

令和元年皐月16日 毎日ARUYO通信第271回
アートはビジネスで、ビジネスもアート
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日本で唯一の現代写実絵画のみを展示している、ホキ美術館に行ってきました。
今日は明日より開催される、スペインの現代写実絵画のプレス発表会にお邪魔していました。
美術館というと、正直、あまりなじみがありません。
もちろん、ヴァチカン美術館やルーブル美術館など、観光の一環として行ったことはありますが、日本では記憶にありません。

海外の美術館では、いずれも西洋の宗教画の印象が強く、確かに「すごいと思うことがあっても、感情を移入するようなことはできずにいました。
しかし、今日生まれて初めて見た、現代の写実絵画に心を揺すぶられました。
相対的に自分が知っている世界と近いものが表現されているから
というのが大きいのではないか?そんな気がします。
例えば、街並みの絵でも、バイクが描かれていたり、知っている会社のロゴが描かれている。人物画も、衣装や髪型といったものも馴染みがある。
などなど。
しかも今日はそのスペインから作家が10人ほどやってきて、ギャラリートークをしていましたので、いつも以上に一つの画を見る時間がなかったわけです。
逆に言えば、恥ずかしながら、絵画を見に行ってもそこまでじっくり見たことなんてなかったのです。
写実絵画と言っても当たり前ですが、同じようなものは一つもありません。
本当に十人十色。
例えば、人物画でも、老人を描く人もいれば、子供を描く人もいる。男性も女性もある。顔にフォーカスするのか?体全体を描くのか?ポーズも、表情も…そう描き方は無限になる。
風景画でも同じ。森を描く人がいれば、川を描く、海を描く人…
無数にある。
しかし、どれもがアートとして成立している。
価値があるとされ、ビジネスとしても成立している。

だから、遠くバルセロナから千葉までやってきている。

よくよく考えてみたら、めちゃ凄いことだなって思いました。
当たり前ですが、作家は人に言われて書いている訳ではなりません。
自分の心の奥底からあるものを表現しています。
ギャラリートークを聞いていて、それが良くわかりました。
8ヶ月、1年。長ければ数年、一つの絵に向き合い続けている訳です。好きじゃなきゃやっていられません。
自分の内なるものをえぐり出してビジネスをしているわけですから、そこには、一人一人の突き抜けた世界。代替不可能な世界があるわけです。それが個性なのではないか?とすら思いました。

では、自分自身はどうか?
ビジネスをしているという点では、一緒だが、個性と呼べるものを打ち出しているか?
あれほど、自分の内側のものをむき出しにしているのか?
自分とどこまで向き合ってるいるのか?
残念ながら、全然やっていません。
もっと攻めなきゃいかんと思ったわけです。
もっとガンガンに、極端にやらなきゃいけないと思ったのです。
逆にいうと、そこまでやるからキラッと光る何かが生まれるのではないか。価値だと思ってくれる人が生まれるのではないか?そこにビジネスが生まれるのではないか。
置きに行っては全然ダメなのです。

個性を打ち出して、ビジネスをすれば、それはアートと呼べるのではないか。

少なくとも今日見たアートの世界に、誰かと同じ、代替可能なサイバイマンはいませんでした。
それは、ビジネスの世界も一緒。サイバイマンでは生きていけないんです。

さて、明日からスタートされるこの展示会はめちゃくちゃ素晴らしいです。いずれも日本初お披露目の作品のみ。
東京からはちょっと遠いですが、足を伸ばして見に行く価値ありです。
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アーティストは、自分の内なるものをえぐり出し、それを表現し、人々に価値を提供している。
価値があるから、展示され、ビジネスにもなっている。
内なるものをえぐり出すから、そこに世界が生まれる。それが個性なのではないか?
ビジネスでもそうなのではないか?
個性を打ち出すからこそ価値が生まれるのではないか?それが出来ればアートと呼べるのではないか。
どの世界でも、誰かと同じ、代替可能なサイバイマンでは生きていけないのだ。



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