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【展覧会】日本の巨大ロボット群像@京都文化博物館

日本の巨大ロボットといえばガンダムを想像する方が殆どだと思いますが、実はガンダム登場の十数年前からTVでは沢山のロボットヒーローたちが活躍していました。
そんな巨大ロボットの歴史とメカニズムやロボット内部透視図等の美術に焦点を当てて全8章で構成されたのが本展覧会でした。

私は子供の頃すごくtomboyでお人形遊びよりもロボットや少年アニメのほうが好きでした。なので、今回の展覧会でマジンガーZやコンバトラーVに再会し幼少期の懐かしい感情が蘇りとても嬉しかったです。
来場者も私と同じ年か年上の方達、それから外国の(アニメ)マニアな方が多かったです。

マジンガーZはそれまで遠隔でロボットを操っていたスタイル(鉄人28号)から、ロボット本体に主人公が乗り込み操縦するという形にした初めてのアニメです。しかも、ロボットが敵からダメージを受けたら、頭部のホバーパイルダーで脱出できます。次の戦いでは改良された新しいロボットに乗り込めるのです。
マジンガーZを駆動させるエネルギー「光子力」、本体を構成する「超合金Z」および「ジャパニウム」を管理する光子力研究所は富士山麓に建っており、アニメ用の美術ボードにはイオン採取装置・太陽炉・小型原子炉などが描かれていました。(こういう制作の裏側が見えるのは展覧会の良さですよね。すごくワクワクして見ました。)
図録によると、これらは70年代最先端の夢であったとの事です。
あの頃は日本も高度成長を経て大人も子供も沢山の夢で溢れていましたね。

マジンガーZを格納しているのは研究所付近(?)にある汚水処理場で、出撃時には水面が真っ二つに割れてなかからマジンガーZが出てくるのです。
この登場の仕方は、当時子供の私にとっては衝撃的でした。なんというか、現実でもあり得そうな設定であまりファンタジーさを感じていなかったと思います。
それから、マジンガーZの超合金人形を持っていた気がする。(うろ覚えですが。)ロケットパンチで片手をどこかへなくしたりしていましたね。


会場は一部を除いて撮影okでした。

コンバトラーVなんて、5つの乗り物が一つのロボットになるんですけど登場した時はけっこう衝撃でした。

ガンダムは、2つ下の弟がプラモデルにはまって、足の踏み場がないぐらい部屋いっぱいにプラモデルとジオラマを作っていました。ガンダムは沢山のモビルスーツあったもんね。
今回もミュージアムショップにプラモデルが売っていましたが、え?!プラモデルってあんなに高かった?!というぐらい高価でびっくりしました。

展覧会で面白かったのが、ガンダムのデザイン成立過程を見られたこと。
アートボードに描かれたデザイン案がどんどんブラッシュアップされて私たちが見る現在のガンダムになるのですけど、当初のデザイン案は全く別物でした!

それからロボット内部メカの成り立ちも面白かったです。
80年代になると製品化(模型化)を前提にロボットデザインがされることとなり現在では内部メカも含めて元のデザインが再解釈される事が頻繁に行われているそうです。アニメでも複雑な内部メカを表現するようになっていったそうです。
夢の70年代からよりリアリティを追求する時代へとなっていったのですね。
展覧会にも多数のロボット内部透視図が展示されていました。メカ好きにはたまりませんね。 

見どころいっぱいの今回の展覧会ですが、入場してすぐに目に入ったのが下記の作品です。

メカニカルデザイナー・イラストレーター・コンセプトデザイナーの宮武一貴さんの巨大原画「巨大ロボットを巨大に描く―1970年代編―」。
迫力ありました~。絵具がきらきらして特殊な感じでしたよ。
宮武さんのインタビューが会場の最後に映像で流れていましたが、印象的なお話がありました。
芸術家は頭にあるものを見る側にいかに視覚化できるかだと思う。それには経験値が必要。自分が沢山の経験をすることによって表現することが出来るのだと思う。
(今、思い出して書いていますが、言葉は少し違っていたかもしれません。)
うん、たしかにそうですよね。
人生様々な経験をすることによって良いことも悪いことも作品に反映されていきますよね。
もちろん作品制作の技術を上げることも大切ですが、見る人の心を動かす作品は技術だけじゃないと思います。
素敵なお話だなと思いました。

京都での本展覧会は9月1日まで。是非足を運んでみて下さい。


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