EMDR治療#10 初めての夫婦面接で夫の発達障害を掘り下げる


いつもは車で送迎してくれる夫と、初めて2人でカウンセリングに来た。

夫の発達障害の話しが出てから、私は沈んだ気持ちで過ごしていた。

もうフラッシュバックが起こったからといって、夫に気づいてもらったり、慰めてもらうことは期待できない。

そのキッカケが夫だったとしても、、、
夫の特性だもんな、仕方ない、、、

これまでより孤独を感じてしまい、泣いてばかりいた。


がっつり診断を受けるつもりの夫は少し緊張していた。

仕事の話題など、世間話程度の質問に仕事人間らしく、自信を持って話していく。

徐々に生い立ちや原家族など、夫の人生を掘り下げて、私も知らない話しもある。

発達障害の中でも、やはりASのグレーゾーンのようだ。

簡単に言うと、仕事には支障はないが、マニュアルがない個人的な人間関係は苦手。
本人も自覚あり。

そして、先生がいくつか引っかかるところを掘り下げる。

すると、ふだん私が困る夫の反応が出てくる。


・突然石のようになり、YESもNOも、わからないもなくなる。

・妙なタイミング(大事な話し)で笑う

すごく嫌なので
「これもASの特性ですか?」
と質問すると、

「うーーん、、、」

と考えながら、夫への質問が続いた。


しばらくして、
「これは発達障害というより、旦那さんのPTSDから来る反応みたいだね」とのこと。

夫の家庭環境や生育歴を掘り下げると、日常的な暴力があったことがわかる。

それは私も何度も聞いたことがあって、でもそれを明るく話す夫は強い人なんだと思ってた。

まるで笑い話のように、家でも学校でも毎日殴られた話しを聞いていた。

少し不思議だったけど、私のように1人で抱えることもなく、夫は笑いながら力強く生きてきたんだと理解していた。


でも、PTSDの専門家の見解は、明らかに異常な子ども時代で、逃げ場もなく、笑い話にするしか回避する方法がなかったんじゃないか。とのこと。

つまり、夫が真剣な場面で笑ってしまうのは「解離」のひとつ。

辛い日常から心を切り離す為に、笑うという手段を身につけたんじゃないかと。


夫自身は「かいり???」とピンとこない顔をしてたけど、私は長年の謎がひとつ解けた。

もう一つの突然石のようになり、何時間でも黙る現象も、何かから自分を守る為の反応かもしれない。


この反応はEMDRで治療することもできる、との話しだけど、まだ夫自身がついて行けてない。

50歳をゆうに過ぎてから、発達障害が判明し、まだ飲み込めないところでPTSDと言われても、普通に生きてきたつもりの夫が、前向きに治療しようとは思えない。

まずは理解することから。


私もそれでいいと思う。
PTSDの治療が簡単なものでないことは私が今体験している事だし、

治療中に一時的にでもフラッシュバックが酷くなれば、

しかも夫婦でとなると、、、

ほんとに終わる、、、


まず、今は私の治療を進めたい。

私の治療を通して、夫の発達障害やPTSDにも良い影響が出ればOK。

時々また夫婦カウンセリングも入れていきましょう。

という方向でカウンセリング終了。


夫は人生初のカウンセリングで、手応えを感じていない様子。

きっとペーパーテストを受けて、発達障害は数値化してもらえる。と思ってたらしい。

その方法もあるけど、私達夫婦の場合、数値化よりもカウンセリングでじっくり掘り下げた方が良い、との判断だったと思う。

数値化してほしい夫には、物足りなさが残ったようだ。


とはいえ、私もどうしていいかわからないのは変わらない。

止まらないフラッシュバックのキッカケになったのも夫。
治療の支えになりたいと言ってくれたのも夫。

でも共感性を持たず、一方通行のコミュニケーションしかできない特性があることがわかり、

夫自身もPTSDを持ち、その影響で違和感のある反応をして、日常的に私は傷ついている。

1年かけてやっと状況を理解できたものの、あまりにとっ散らかってて、、、


ほんと、言葉にならない。

今はどうしようもないけど、少し進めば希望が見えるかな?

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