EMDR治療#14 クラスの全女子に無視されたトラウマと向き合う②



※①の続きです


先生は静かに頷く。

「クラスの女子が10人とか15人だから、幼少期に性被害に遭った人は(統計上)クラスには他にいないかな」


え?そうなの?

頭のなかをハテナが渦巻く…



「心身共に変化が大きい思春期女子達がこの子は自分達と違うの違和感を敏感にキャッチしたんじゃないかな。
性被害者がいじめに遭うケースはとても多いから」



…すごくショックで

すごく腑に落ちる言葉だった。



私自身みんなと違う、をいつも感じてて、

でも頑張って、みんなと同じを演じながら生きてきた


演じれば演じるほど、みんなと同じは難しくて、


気付けばハブかれたり、私以外で仲良くなってるパターンの繰り返しで、

ああ、またコレか…
どこが違ったのかな…

でも誰にも聞けなくて
誰も正解は教えてくれなくて



イジメはいじめる側に原因がある、という現代的な考え方を信じて来たし、まさか、わたしの側に原因や理由があるとは

いや、そう思いたくなかったし、
本当の意味で自分に向き合うなんて、ずっとムリだったし…



半年かけてPTSDの治療を受けてきて、先生の言葉もだいぶ理解できるようになってきた。

私の側に原因があると言っても、
決して私が悪かったわけではない。

私の置かれた環境や、周りの人たちに原因がある、ということだ。



もちろん性加害者であるAの影響が大きい。

そして、その土壌を作った両親や周りの大人たちの存在もある。



誰かのせいにするのは、昔から大嫌いで、

周りの大人からは、不満を言うことも禁じられてきたけど、

やっぱりみんなと違った!
私はみんなと違ってた!


やっと、ちゃんと言ってもらえた。



あなたの環境はおかしかったんだよ。

1人で踏ん張って、
周りを理解しようと頑張ったけど、


親から大切にされなかったことや、
Aから受けた性被害が、

ひとりの友達(味方)も作れないわたしを作っていた。



その頃、怖い顔で母は言ってた
「みんな大変なの!あんたみたいに文句言わないで頑張ってるの!」
(やけどの件で母もPTSDだったらしい)


子どもの私は、
じゃあ、わたしとは違う大変な事がみんなきっとあるんだな?

いちいち言わないだけで、どこの家にも、どこの子にも、同じくらい大変な事がきっとあるんだな?

頑張って母の言葉を信じてきたけど…


先生いわく、
親に大切にされなくて、
性被害にまで遭う子なんて、
クラスにはいなかった。

まして、すっかり大人になってから
フラッシュバックで苦しむようなトラウマ体験を抱えてる子なんて、いなかった…



母の言葉はウソだった。

クラスのみんなは、私が思ってたより親に大切に育てられたらしい。

性被害を許す環境でもなかったらしい。

わたしの大変と
みんなの大変は
同じしゃなかった、らしいよ。


先生は静かに淡々とEMDRを進めていくけど、

時々、ズドン!と刺さる言葉がある

すごくショックだけど、
ど真ん中をしっかり射抜くから

数十年モヤモヤしてたことの
正解が聞けて、すごくスッキリもする。

めちゃくちゃ遠回りしたけど、
これが真実だったと胸に落ちた。


みにくいアヒルの子、みたいだな

たしか黒いアヒルは、大人になったら自分の群れに帰るんだったっけ?

うーん、
帰る群れがない所は違うか…

ま、いいけど


私みたいに女子グループが苦手だった人が、治療後に平気になって活動的人なる事も多いそう。

わたしはまだそうしようとは思えないけど、同じ事を繰り返さなくていいなら、それで十分。


思春期のあの子達は
あの子達のやり方で、群れを守ろうとしてたのかかもしれない?

頑張ってトラウマ治療もしたし、
もうあの人達を恨まなくて済めば、それだけで肩が軽くなる。


当初の予定になかったトラウマ治療だったけど、収穫は大きかった。

わたしはなぜか嫌われる

という思い込みから

幼少期に理不尽を複数体験した人は、群れを守ろうとする集団からハブられやすい。

という、客観的な理解に変化した。


お疲れ様わたし。

これから出会う人たちを、必要以上に怖がらなくてすむといいね。


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