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利用者との出会いや別れ

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ケアマネのお仕事の中での出会いや別れ。 特定の情報には配慮しています
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ありがとう

ケアマネ経験長く、ガン末期の方の在宅看取りはほんまに多く関わらせてもらったけれど、今回のお看取りはご本人とご家族がACPを完璧に行っていた。 関わりからちょうど2週間。 この方、ご家族との関わりは感謝でしか無い。 一人ぐらしで家族が毎日連絡取り合ってたけど連絡がつかず、警察が入ったときには脳幹梗塞で意識不明の状態。 発見時にはほんまに死を覚悟していたと。 なんとか一命を取り留められたが、言語野、嚥下機能がダメージが大きく寝たきり状態で意思疎通も困難。 手足の麻痺は

生き様

ご家族と緊急事態宣言があけたからと一泊旅行を楽しまれ、2年近くぶりにお孫さん達にも会えた5日後に自宅で亡くなられた。そして亡くなる日に訪問診療からケアマネに電話。 先月末にちょうど介護保険の更新で要支援認定になったばかり。ガンの痛みは出ていたけど、電動車椅子を使って近所の公園へ散歩に行かれたり妻との穏やかな時間をとても楽しく過ごされてた。食欲は夏頃から徐々に落ちてはいたけど、ここまでの急激な低下は訪問診療の先生も予測してなかった。 前日にやっとの思いで病院の診察(がんの定

ありがとう

入院されて、そのまま娘さんの家に行かれた利用者さんが亡くなられ、49日が過ぎたからアルパカに会いたいとその娘さんから突然の連絡。 会った途端、娘さんが泣き出され、ありがとうをどうしても言いたかったと。 実はこの娘さん。一般的に言うところのいわゆるクレーマー。感情で物事をすすめる人で何度事業所とかとトラブったことか。 私は理詰めで、娘さんが疑問に思いそうなところや引っかかりそうな所では資料を用意し、先回りで提案。必ず選択肢を用意した上で決めるのは本人や家族。周りは提案者で

桜の季節

以前特定事業所をとっていたため、24時間電話の対応は継続中。また、ケアマネ仲間が増えたら再開したいというのもあってね。 別れが多い季節。 ご家族、先生、看護師さんから「亡くなりました」って連絡が続いている。 いつも思う。 私の支援者としての立ち位置、そして相手にとってどう現れていたのか? 振り返りが必要。 この支援で良かったのか?あの場面でどうすれば良かったのか? 終結ケースを片付けながら振り返り。 いろんな利用者、そして家族にありがとうって言われる。 こち

間に合った?

あとどのくらい?って聞かれた方が亡くなった。 見立てが当たってしまった。支援だけで言うと、認定調査も今日入り、なんとか間に合った。 ほんま数日の関わり。 最期の場面でうちが現れるって言う重さを常に考えてる。 見立てが当たった事以上にその方や家族にとって支援者がどう現れたのか? その方の生き様の最期の瞬間を考えている。その方や家族にとっての私の支援の意味。チーム支援の意味。 死ぬって事は生きるって事を支えるってことをやっぱりとても考える。 その場面で現れる意味。そ

あとどのくらい?

初回で入ってくれた訪問診療の先生に、本人尋ねて聞かれた。 それに対して先生ははっきり本人に伝えられた。 今の状況はかなり悪い。週単位で状態悪化しているから月単位でも厳しいかもしれないですよって。 聞けて良かったと。本人。 先生や看護師さんが帰ったあと、ウチに夫婦共に話してくれた。 やっぱりかなり悪かったんやね。コロナの事もあるから、入院はなるべくしたくない。ここで死にたいって思ってるんだ。って。 妻も就労してるけど、介護休暇の申請も相談してみますと。 始まりはい

ある人からの手紙

年末に亡くなられた40代のガン患者さんの書き置き。 お母さまが介護者で部屋を片付けていたらノートが見つかり、開けたら1ページ目に私あてのメッセージが書いてあったと。次のページには訪問看護師さん、リハビリさん、ヘルパーさん、用具さんって関わった人一人一人にメッセージをかいてくれてた。お母さまに断りをいれ、私宛のメッセージをあげさせていただくことにしました。彼女からの最初で最期のプレゼント。 さすがにね。これはきちゃいました。 この方と、訪問看護師さんとはメールで散々や

約束は。

4日の夕方に呑むって約束した利用者さん。 緩和ケア科の入院が明日に決定しました。 自宅に戻ってからもやはり身の置き所の無い苦しみに支配されている。 肉体的な痛みより、気持ちの不安や苦しみが強くなっている。 彼は今日、高校時代からの友人に会いました。大切な時間を過ごしました。夕方、私と電話をしました。彼との約束。 4日には呑むことが出来なくなったけど、痛みが取れれば、退院したいと。退院したらその日に一杯呑んでくれないか?って。 私は彼の前、このご夫婦の前ではケアマネ

利用者さんとの約束

今日、ある利用者さんとプライベートのお約束をしました。 末期ガンの利用者さん。 治療困難といわれ、本人、家族とたくさん話をし、在宅を選択され、先月末からバタバタと調整し、緩和ケアや訪問診療、訪問看護でやっとチームができて、ここ2週間くらいは安定したかな?と思っていた矢先。 彼は手首を切りました。 お会いしたときから辛い・早くお迎えに来ないかと、身の置き所の無い苦しみ、不安を話されていた。 傾聴に努め、医療の支援も整えて、正直こちらが安心してしまってた。ラポール形成出

スピード感

つかまらないケアマネで有名なアルパカ。 朝イチから訪問に出たっきり、終業時になっても帰ってこない。 看護師さんやリハビリスタッフさんにも同じ所内やのに、一瞬しか会わんねって笑われてます。 管理者なんで残業代は手当に込みやからこういう日もあるさと割り切ってるけどね。 入院や急遽の新規の対応が多い。 季節の変わり目やね。 あっちの病院こっちの病院とのやり取り。在宅戻るための相談を病院の相談室に繋げ訪問看護やら診療やらの相談をかけ、お得意の即日納品出来る?とか用具さんに

写真はとても良くしてもらってる訪問診療の先生の地元のぶどう🍇をお裾分けいただきましたー。 一つ前の記事の方、お亡くなりになったと連絡を受けました。 昨日病院で音楽会があり、その時に娘さんも面会に行かれてて、大好きなテレサテンさんの曲を生演奏してもらい、その時には目を開けられて、ニコッてされたと。 それが!最期の表情だったと。 今日の朝家族到着し、死亡確認されたと。奥様が持っていった大好きな洋服に着替えさせてもらって、自宅に戻りましたと。 感謝しかないと。 短いお付

家で死ぬ(看取る)こと その⑥ 死ぬことは・・・

ここ2日でお二人、地域の緩和ケア科に入院。 1人は関わって1週間。 もう1人は関わって20日間。 20日間の方は数日内に息を引き取られると思う。ギリギリの状態で病院に入院された。本人と家族が望んだ事。 20日間とはいえ、かなり濃い関わりをさせてもろた。出会いに感謝。この方はとても素敵な方。 初回アポ取りをして、行く日の前々日、奥様から意識が朦朧としている、吐いているって緊急の電話。血圧はかったら上が60ってかなりヤバイレベル。某大病院(高速でタクシーで40分くらい?

家で死ぬ(看取る)その⑤アドバンスケアプランニングその②

今日は研修。 うちの関わった事例の紐解きしてた。 自由診療でギリギリまでいわゆる高濃度ビタミン点滴ってのを行ってて、いざターミナルって段階にはいわゆる標準治療を受けてないからエビデンスに乏しすぎてさ、初めて行った時痛くて痛くてっていう状況。要は紐解きの紐が紐なんか、鉄なんか、こよりなんかわからへんくて正直訪問診療の先生や看護師さんとかと毎日のように話をし、そしてそれを本人や家族に柔らかく伝えたり、時にゆれに付き合ったりしたケースの振り返り。今日の事例検討はある意味グリーフ

ゴミ屋敷

フォローして頂いているかたからテーマを頂きました。 ゴミ屋敷と言われるお宅。もうね、今現在も数件抱えててちょっとやそっとじゃ驚かなくなったね。匂いが酷いのは苦手やけど、まあ、数々のゴミ屋敷と言われるケース関わらせてもろてます。 気の良いアル中おっちゃんのお宅ではようここまで積み上げられたねーっていうゴミの上に上がってみると以外と頑丈!ってなったり、元々ブリーダーをされてた家では、ペットのグッズやひまわりの種の皮が散乱してたり、何か未知の生き物の気配を感じたり。圧倒的に男性