幸せになりたい男子が集まる居酒屋 ～クリスマスイブ、恐る恐る店を覗いてみると、の巻。

＝＝ここまでのあらすじ＝＝
その居酒屋は、街はずれにある。
６席しかないカウンターは、
通常「独身＆婚活中男子４人が占めている」
その日はクリスマスイブだった。
私たち夫婦は、コッテリした料理は食べる気にならず、
「そういえばさ、今日って２４日だよね」
「まさか、２４日、あの居酒屋に４人が揃ってないよね」
と話す。

まさか、そんなはずはないだろう。
怖いもの見たさもあるが、
本当に全員集合だった場合、何と話しかけたら良いのか？
そんな気遣いをしてしまう。

私たちはただの居酒屋の常連だが、
身の上相談に乗ってしまい、
４人が婚活をしているがサッパリ
上手くいかないことを知ってしまい、
婚活アプリやら
結婚相談所の情報交換をしていることも知っている。

その重い居酒屋のドアを開けてみた。
・・・カウンターには
普通に４人が飲んでいた。
普通の平日と同じだ。

いつもどおり、猫背で４人でハイボールを飲んでいた。
田中君（仮名）は、なんだか微妙な関係の女子
のことと悩んでいた。
この店の常連全員が反対する女子。
でも、田中君は、吹っ切れない。

・・・オヤ？
何たる有様だろうか。
誰一人として、クリスマスまでに、
「ゴールを決めた男子」はいなかった。
サッカー日本代表なら、
監督は解任ではないだろうか。


「ちゃんと、監督がいたほうがいい」
「ちゃんと、他流試合（合コン）など、
組んで、機会を作る人がいないと」
と言う夫。

いやいや、そもそも、
「強化合宿」
「海外から、すご腕コーチを呼んで徹底トレーニング」
など、プロの力を借りて、
【戦力】を上げる必要があるのではないか。
田中君、あなたは戦略を変えた方が良いと思う、
とみんなに言われている。
私も同感だ。
そうだ、この男子チームには【総監督】が必要なのだ。
ある診断テストで、私は「プロデューサー気質」と言われた。
そうなんだよ。
「ザッケローニ」の右腕として、
チームの一員を、一人ひとりプロデュースすれば
いいのではないか。

ザッケローニ＝監督も、何なら私がやった方が良いか。。。

そもそも、田中君。
「優しい男」マーケティングは、即刻停止するのはどうか。
もっとワイルド路線を提案したい。

男子たちは、誰かが持ってきた「赤いサンタの帽子」
でピースで写真を撮り始める。
ピースをしている場合ではないが、
ピースでもしていないと、やってられないのだろう。
この写真のフレームに収まっている男子の
誰かに幸せが来たら、
この居酒屋全員で、盛り上がるし、
なんなら、披露宴まで行ってしまいそうな勢いだ。
私たち夫妻、いつでも出席する準備はできている。