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幸せになりたい男子が集まる居酒屋 vol.17~僕「婚活アプリ」に詳しくなったんです、の巻。


[ここまでのあらすじ]
その居酒屋では、ガチで婚活をしている男子4人、
カウンターで、猫背でハイボールを飲んでいる。
婚活の愚痴をはく日々。
常連客は、酒の肴で4人に茶々を入れる
「観察日記」もとい、
「温かいかい叱咤激励日記」なのだ。
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夏は、甲子園とともに終わる。
もう暦の上ではSeptemberだが、
4人から、誰も夏の思い出を聴かされていない。

いつもの居酒屋は、しばらくお休みをしていた。
久しぶりに会う佐藤君。
また、カウンターで、猫背でハイボールを飲んでいた。

常連客の大槻さん(仮名)が
佐藤君の肩を叩きながら、大声で言った。
少し、お酒が進んだようだ。

「佐藤くーん、幸せになって欲しいんだよ、君にはね」

これは、常連客、みんなの願いだ。
こうやって、彼らを観察しているのも、
私が「見るに見かねて」
ついつい助言をしたくなるから、だ。

佐藤君は、こう答えた。
「僕、婚活アプリ、めっちゃ詳しくなった」という。

今の時代、
オンラインで相手を探すのは、普通のこと、のようだ。
コロナで、会えなかったりするし。

1点問題があるとすれば、
「女性の写真に、偽りがあること」

『盛りすぎ』ているのだ。
ほぼ100%、女性たちは、写真に修整を入れている、という。

実際に会ってみると、
「あの、excuse me, ◎◎さんですよね?」 と
確認が必要な事もあるらしい。

でも、そんなものは、とっくに折込済み、なのだ。

佐藤くんは続ける。
「僕、婚活アプリ詳しくなっちゃったんですよ。
 婚活は上手く行ってないけど、
 アプリの構造は詳しいです」

おや?
そうだ、佐藤君はIT企業にお勤め、なのだ。

例えていうなら、「釣り堀」だ。
釣り堀、はお客様に魚を釣る喜びを提供している。

佐藤くんは、本来
「釣り人」だったはず、だ。
素敵なお魚を釣るために、釣り堀に来ていた。

ところが、
「この釣り堀、良くできてるな~」と

職業病で
「この水のポンプどうやってるんだろう?」
「このエサ、どこで仕入れているんだろう?」

など、「釣り堀を経営する側の視点」になってしまった、ということだ。
彼は凝り性なので、
「釣り堀のフランチャイズ展開」も考えてくれそうな位、だ。

佐藤くんよ、
釣り堀経営は、老後にとっておこうじゃないか。
若い君が、今集中するべきは「一匹でも釣ること」だ。

何と、本末転倒ではないか。
「本末転倒」の辞書に、佐藤君の事例を載せたいぐらいだ。

【本末転倒(ほんまつてんとう)】
【意味】:物事の結果と過程、あるいは目的と手段など、重要なことと瑣末なことを取り違えること。

【用例】
「僕、自分の婚活より、婚活アプリの仕組に詳しくなっちゃったんです」
「佐藤君、それは本末転倒じゃないかね?」

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これからも、観察を続けたいと思う。
現場からは以上です。

私は、そういえば、小学校1年生の時の
「ホウセンカの成長観察」が好きだった。

この時から、観察の癖がついている。
しかし、ホウセンカと、婚活男子4人の違いは、
「収穫期が見えないこと」だ。

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