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【中学校理科】 オオカナダモって何植物??

 オオカナダモは南米原産の植物です。魚の飼育のためや鑑賞用の”アナカリス” として日本に輸入されました。いらなくなったオオカナダモを野外に放す人がおり、現在では野外に多く存在し、要注意外来生物に指定されたり、日本の侵略的外来種ワースト100にも指定されています。

 オオカナダモは日本に生息するものは全て雄株で、雌株はありません。したがって、有性生殖で増えているわけではなく、雄株だけで増える無性生殖、いわばクローンで増えていっているということです。日当たりのいい小川などでは、一気に異常繁殖し、増えすぎて光合成できなくなったりしたものから腐っていき、ヘドロとして川底にたまることがあります。その結果、水質汚染水辺の環境破壊につながり、魚が生息することができなくなってしまうこともあります。

 

 このようなオオカナダモは理科の教材多く用いられています。理由は扱いやすいからです。だからこそ、このオオカナダモについてよく理解を深め、「オオカナダモってこんな植物なんだ」と生徒が考えられるといいなと思い、この指導案を考えました。


1.オオカナダモについて

 オオカナダモは、維管束植物 単子葉類 トチカガミ科 に属する植物です。水中に生息しているにもかかわらず、単子葉類なのです。花は雄株のみでも咲きますが、有性生殖はできません。無性生殖で異常なまでに繁殖していきます。

 理科の教科書にはオオカナダモ が多く活用されている場合が多いですが、生徒は何のために活用しているの、オオカナダモってそもそもどんな植物なのか、などよくその生き物について学ぶ機会がありません。したがってそういった内容の学びを少しでも行うことで、生徒の記憶に残る他、学んだ知識を最大限活用しなければ考えることができないので、知識を用いて思考する学習にもつながります。


2.指導の流れ

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3.解説

 この指導案は、2年間自分の理科の授業の中で扱っています。分類の最後の確認としてレポート課題にしています。一見すると抽水植物は藻類などのようですが、実際には異なります。単子葉類などの被子植物は陸地に生息しているもの扱うので、まさか水中にはいないだろうと先入観を持ってしまいがちです。ここをついたレポート課題になっています。

 様々な知識や観察する力を必要とし、それらを活用することでレポート課題に取り組むことができます。生徒から「え?何?」「よくわかんないけど、ひげ根っぽい?」のような声がよく聞こえてきます。そういった興味をひかせる教材を用意することでテストだけでしか測れなかった知識・理解の定着度なども測ることができるのかも知れません。

 ※わたしは、思考判断のレポートとしてまとめさせています。また、プレゼン発表会のようなものも取り入れ、全員が理解し、説明できるような授業をつくることを意識しています。


 ただ、日本には雄株しかないことや、ひげ根が分かりづらいことなとさまざまなことに考慮した資料を使わなくてはなりません。資料を作成する際にあまりにも丁寧に作りすぎると、答えがみえてしまいますし、逆に資料からどうとでも読み取れてしまうものであれば、本質に気がつかなくなってしまいます。ですので、この資料作りは生徒の実態に合わせてどのレベルにするか考えて作る必要があります。

 ※日本に生息するオオカナダモは雄株のみなので、有性生殖で殖えるのではなく、無性生殖で殖えます。つまり、クローンです。

 レポートの最後にオオカナダモは単子葉類であることを伝えますが、その時雄株しかないことを伝えること、外来生物であることを伝えること、またどこに生息していることなど伝えることで、学習効果が日常生活にも少しはいかせるのではないかと思います。点で終わる学習活動ではないことに意識し、「見つけたら教えて!」というだけでも生徒の日常の視点を増やすことができるのでおすすめです。






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