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ここから「ともにつくる」を始めよう #TokyoOSSParty 優秀賞を頂きました!

こんにちは、Arumon の倉澤です。東京都は 2021/10/27 に東京都オープン・ソース・ソフトウェア公開ガイドラインを発表しました。それに合わせ、11/20~12/4に"地域課題をハックする" 共創プログラム〜Tokyo OSS Party!! 2021 が開催されていたので、高橋、三宅、倉澤の3人で参加してきました。なんと光栄なことに優秀賞(Hazard Map 賞)を頂くことが出来ました!そして更に光栄なことに我々が作ったオープンソースは"東京都の Github リポジトリ"に fork されるとのことです!

本記事はそのハッカソンの参加レポートです。
※記事内の画像は Tokyo OSS Party イベントサイトより引用しています。

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Tokyo OSS Party!!とは
多様化する社会課題の解決には、都政と市民・民間・NPOなど
多様なセクターでのオープンな共創を進めていくことが欠かせません。

2020年3月にリリースされた東京都新型コロナウイルス感染症対策サイトの制作プロセスでは、ソースコードをGithub(※1)にOSS(※2)として公開することで、多くのプレイヤーとの協働が実現、刻々と変化する状況に対する迅速な対応と、行政サービスのQOS(クオリティ・オブ・サービス)の向上につながりました。

Github上での改善提案の中には、台湾のデジタル担当大臣・唐鳳(オードリー・タン)氏からのものもありました。
彼女は言います。

大事にしている3つのFがあります。
それは「fast(速さ)」「fair(公平さ)」「fun(楽しさ)」です。
唐鳳(オードリー・タン)氏

速さ・公平さを実現することはもちろん大切で、
さらに「楽しさ」が困難と向き合う時に実はとても重要な要素だと私たちは考えます。

Tokyo OSS Party!!は、東京都と共に「テクノロジーを活用して」「オープンに」「楽しく」様々な地域課題を解決するための、1年に一度のイベントとして今年初めて開催されます。
ぜひ私たちの仲間(=Party)として、ともにつくりましょう!
(イベントサイトより引用)

「自助、共助、公助」という考え方がありますが、周りの人たちと助け合う「共助」に市民として、エンジニアとして参加することが出来ることに共感しました。行政と市民がオープンな共創を進めて出来たその仕組みを、オープンソースにして公開し、別の地域の人の暮らしを助けることが出来るのであればエンジニア冥利に尽きますね。

ハッカソンの様子を少しだけ

イベント初日はオンラインで開催され、日本各地から様々な背景を持った人が参加してきていました。Rebako(オンライン会場サービス)や Mural(オンラインホワイトボードツール)を使いイベントはスムーズに進んでいきました。運営のみなさまありがとうございました。Arumon はみなとみらいの WeWork に活動拠点があり、そこに集まって課題を議論していました。

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さて、ここからは行政から提示されたハッカソンの課題テーマをかんたんに紹介します。

■八王子市
「防災ハザードマップのデータ化」です。風水害等の危険から身を守るには、事前の準備や安全行動が不可欠ですが、それに加えて我が家の周辺がどんな状況なのか知っておく必要があります。
現在PDFのみで存在するハザードマップをデータ化し、様々な属性の方が日頃から災害に備えることができるサービスの開発を目指していきましょう。

■練馬区
 「障がい者の皆さんとのコミュニケーションバリアフリーにする」サービスの開発です。身体をうまく動かせない方、視覚・聴覚に障がいがある方がお困りの場面で助けになるようなサービスを皆さんと作成できればと考えています。
<具体的なお困りごとの声>
・買い物をするとき、高い位置にある商品を見たいけど、車いすなので一人だと難しい。
・コンビニなどでコーヒー注文するとき、サイズや種類が言葉だと分かりにくい。
・視覚障害のため商品を選ぶとき、触って確かめたいけど、コロナ禍だと周りの目が気になり、できないことがある。
(イベント発表内容より引用)

どちらのテーマも切実な課題で、考えれば考えるほど一朝一夕で解決できるものではないと思いましたが、私たちのチームでは八王子市の防災ハザードマップをテーマにしました。

誰の何の課題を、どう解決するのか

私たちは、災害時の「備蓄」に着目しました。
2019年の台風19号はまだ記憶に新しいことかと思います。私も「荒川が決壊するかもしれないという不安」「友人の家が避難指定エリアに入った」「多摩川が氾濫し友人が被災(*1)した」という体験を今も覚えています。恥ずかしい話ではありますが、当時は荒川が決壊するとどうなるのかを台風が近づきつつある中で初めて調べるような状態でした。区から送られてきた災害時パンフレットを引っ張り出したり、Youtube で荒川が氾濫した時のフィクションドキュメンタリー(*2)を見始めて、これから起こるかもしれない事実に恐怖を覚えました。

(*1) 友人は今は元気にやってます。
(*2) フィクションですがショッキングな内容なのでご注意ください。

当時いろいろと調べていくと、どうやら自分が住んでいる家は避難しなくても命の危険は無いエリアとされていることを知りました。しかし、荒川が氾濫してしまうと交通・水道・電力インフラが広域に渡って被害を受けてしまい、普段の生活は送れないことになるのだとわかりました。その時に備蓄が全く足りない事実に気が付きました。家に備蓄も無いし、避難するほどの場所ではないらしい、そもそもいざとなったら備蓄食料や水を貰える場所ってどこなんだろう...??わからないことだらけで、せめて、風呂に水を貯めるくらいはしようと水を張ったのを今でも思い出します。

※ちなみに東京備蓄ナビによると、大人2人家族の場合は水42リットルを備えておく必要があるそうです。そんなにペットボトル置いておくスペースない。。。NHKで実際に検証している人がいました。

当時の私のように自助の備えはしていないが、行政の公助(命の危険がある人への助け)が必要ではない人は多くいるのではないかと思います。そんな当時の私や家族、友人たちを共に助けあえることができるようなものに取り組みたいと考えて、今回は「みんなで備える防災備蓄マップ」をテーマに開発をスタートさせました。

Let's Hack!!

11/21~12/3 は開発期間です。個々人で開発を進め、Tokyo OSS Party!! の Slack で開発状況を共有していると、他の参加者の方からアドバイスを頂けたりして「ともにつくる」を実感する出来事もありました。

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平日の仕事が終わった後に、Zoom 繋いでゆるゆると開発を進めておりました。オンラインのおかげで時間と場所の制約が無くなり、クリエイター同士のものづくりがとてもスムーズになっていますよね。

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私が担当していたオープンデータの地図周りの技術調査については Qiita にまとめましたのでよかったらご覧ください :)

イベント最終日

(当日の朝に執筆しています)
いよいよ最終日です。はたして各チームがどのようなものを作ってきたのか気になります!

この2週間あまりはたぶん、人生で一番防災について真面目に考え、学びの多い期間でした。行政や地域市民が支え合って社会が形成されているという、当たり前だけどなかなか普段は見えないことに気付かされました。

さて!それでは最終日も楽しんでいきたいと思いますー!

Arumon チームの発表内容とサイトはこちらです。
https://bichiku-map.web.app/

HackMD にも詳細説明を掲載しています :)​

全チームの発表資料はこちらです。

(イベント終了後に追記)
なんと賞を頂くことができました。ありがとうございます。
このハッカソンを通じて、オープンソースの考えの下、市民一人ひとりが協力しながら社会課題を解決するシビックテックのボランティア活動はとても意義のあるもので、これは良い趣味になる予感がしていますのでこれからも続けていきたいと思います!

当日の Youtube 配信はこちらです。Arumonの発表は 1:20:45 辺りから
https://www.youtube.com/watch?v=FivWsvLAAyE

▼ Arumon 公式サイト


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