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かわいそうなひと

夫が亡くなるというのは、人のストレスの中でもっとも負荷がかかる出来事と、言われているらしい
確かに、病院に行かなくてはいけないくらい私も辛かったのだから、そうだと思う
夫がいない喪失感が、最初の頃はすごくあった
次にきたのは、自分が人から"かわいそうな人"と見られているんじゃないか、ということだった
"かわいそうな人"だと思われているということは、この人は不幸だ、こうはなりたくないと思われているということで、そう思うと、なんとも恥ずかしい気持ちになった
夫を亡くしたこんな私が、どういう風にみんなに接するのが正解なのか
皆目、見当もつかなかった
でも今思うのは、正直、夫の死は過去の一つの事象に過ぎない。
一緒にいた25年間はもちろん懐かしいし、その思い出が、今も慰めてくれるところは、多々ある
しかし、死んだ人は死んだ人。接することが、できないのも現実。
ならば、自分が変わるしかないのでないか
人は、習慣化されると、どんな困難なことでもやり遂げられるそうだ
久しぶりの独身の身になって、昔とは違う生き方を、模索するのも、楽しいのかもしれない
"さみしいひと"、人からそう思われてもいいではないか

人はみんな、どこかさみしい所が、あるんだから
それが、私は、ちょっと目立つ形で表に出ているだけ
私は私。未亡人のさみしい独り身です、と胸を張って言えばいいのではないか
と、今は思ってるけど、まだ言えてない


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