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スクワットを解剖学で考える!正しくできる運動面・運動軸の意識


【はじめに】

簡単な自己紹介

あるくん歩行体操教室、姿勢トレーナーの東 史(アズマ フミ)と申します。

大阪府枚方市の体操教室では、ミドル世代シニア世代の姿勢矯正と歩き方矯正トレーニングを行っていています。

スクワット運動とは

スクワット運動のイメージ

上図のように立つ⇔しゃがむ を繰り返して行う足腰強化に効果的とされている運動です。太腿の表・お尻・脹脛といった下肢を鍛える運動として、よく用いられています。

この記事では、スクワット運動を正しく行う時に必要な、運動面・運動軸について書いています。

【解剖学の運動面と運動軸】

解剖学の運動面・運動軸

人の体の運動面と運動軸は上の図の通りです。

解剖学では、体を左右で分ける面と、前後で分ける面と、下半身と上半身に分ける面を運動面と言い、次の3つになります。

①矢状面:正中矢状面とも言い、体を左右で分ける面
②前額面:正中前額面とも言い、体を前部と後部で分ける面
③水平面:上半身と下半身で、体を二分する重力方向に垂直な平面

そして、運動面に対して垂直に、3つの運動軸があります。

A垂直軸:③水平面に対して垂直で、正中矢状面と正中前額面が重なる軸
B矢状‐水平軸:②前額面に対して垂直になる前後方向の軸
C前額-水平軸:①矢状面に対して垂直になる左右方向の軸

歩行など、空間における運動は関節を中心とした体節の回転運動で、その回転中心が運動軸になります。

これらは、体の水平垂直が守られていて、初めて正常に働きます。



【スクワットを行うための運動面・運動軸】

スクワットで使う運動面・運動軸の意識

スクワットを正しく効果的に行うには、水平垂直を保って、運動面と運動軸の意識で、体の止める場所と動かす場所を明確に意識できる力が必要です。

スクワット運動のイメージ
スクワット運動に必要な運動面・運動軸

〈スクワットで意識する順序〉

  1. 水平面で分けられた、上半身は静止して、下半身だけを動かす意識

  2. 股関節を通る前額面と、股関節中央を通る矢状面の意識

  3. 膝関節を通る前額面と、膝中央を通る矢状面の意識

  4. 足首関節を通る前額面と、足首中央を通る矢状面の意識

  5. 前額-水平軸①で、股関節から上体を斜めにして維持する

  6. 足首・膝・股関節を、左右の脚を矢状面でつなげて踏ん張る意識

  7. 前額‐水平軸①②③で、それぞれバランスを取りながら屈曲する

  8. 前額‐水平軸①②③で、それぞれバランスを取りながら伸展する

  9. 水平面で分けられた下半身と上半身を垂直軸でつなげる意識で立つ

スクワットを正しく行うためには、1~9までの感覚や意識できる力が、必要があります。


スクワットが効果的にできない条件

〈膝関節が伸ばせない〉

膝関節が、日常的に屈曲して伸ばせなくなっている場合は、スクワットで立った時に、膝を伸展して使うまで達することができずに、膝屈曲したままで繰り返すので、屈曲を強める運動になります。

〈変形性股関節症や変形性膝関節症〉

スクワットは、脚関節にとって負荷の強い運動です。変形性股関節症や変形性膝関節症の時は、脚関節を庇って使うことで、腰に負担をかけて痛めるなどが考えられます。

〈脚の長さが違う〉

脚の長さが違う時は、傾いた下半身で運動することになるので、上半身で背骨の弯曲を強めることや、腰や背骨で部分的に負荷を強くかけてしまうことが考えられます。下半身でも、片側の脚の負荷を強く運動することになります。

〈円背や猫背で背中が固まっている〉

スクワットでしゃがんだ時に、胸椎が伸ばせない円背や猫背で固まっている時は、骨盤を後傾や前傾することで調節してしまいます。骨盤後傾や前傾を強める運動になってしまう可能性が考えられます。


【まとめ】

スクワットは、運動面・運動軸が守ってできると、運動効果の高いトレーニングと言えます。しかし、運動効果の高い運動を、間違ったまま続けるとリスクも高いことが言えます。

正しく行うには、ハードルが高い運動なので、状態によっては避ける必要があります。もしくは、個別に入念な準備運動を行って、運動負荷を少しずつ上げて進める必要があります。

高齢者向けに、手すりにつかまって行う方法でも、同じようなリスクがあります。

負荷の強い運動をたくさんできることが、決して健康につながるのではなく、正しいフォームでできる運動を選んで丁寧に筋力アップすることが大切です。

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