「復興祈 11-21」多数視聴御礼!(前編)
大正大学は、東日本大震災追悼イベント「復興祈(ふっこうき)11-21」を2月27日(土)にYouTube Liveにて生配信しました。このイベントは、「サービスラーニングD」の授業の一環で行い、「現地で感じた想いを風化させない!」と学生が本気になって企画したものです。この記事では、当日の様子や開催までの裏話を全体統括の視点で、2回に分けてご紹介します。前編は準備過程の顛末を書きました。
企画が決まらない・・・!
本企画は、昨年8月に着想しました。当初の目的は2つ。1つは大正大学構内にある「南門前広場」を今まで以上に活用すること。そしてもう1つは、東日本大震災から現在まで関係が続いている宮城県南三陸町の復興イベントを「東京で」開催できないか、という担当教員の一言。この2つの目的を達成すべく、南三陸町とかかわりのある学生をはじめ、「サービスラーニングD」の受講生全員が「何ができるか、どんなことができるか」を考えた結果、3班合同でのイベントを企画・実施することとなりました。
キャプション:本イベントの企画運営を行う学生・教職員、会議の様子
11月から本格的に動き出します。各班の進捗状況を共有する「3班合同会議」を毎週開催。その会議に備えるため、授業外でもZoomを活用し、何度も学生同士でオンライン会議を行いました。私たちが受講している「サービスラーニングD」は、学部・学年関係なく参加できる反面、今年度はコロナ禍であるために、一度も対面したことのない学生と、オンラインだけで話を進めていかなければなりませんでした。こういった状況は、本企画にかかわらず、多くの学生が悩み、苦戦したことと思います。
さらに参加した学生の中には、南三陸町について知らない、まだ一度も行ったことがないという学生もいました。今回のイベントの目的をいかに共有し、どのように皆の意見を反映していくべきか。筆者自身、大きな課題になるな…と感じました。
というのも、大学1年生の夏から継続的に南三陸町に訪れ、「サービスラーニング」での活動を通して、南三陸町と接してきた筆者としては、自分たちに何ができるのか、どんなことをしてこれからに繋げたいのか、ある程度イメージを持つことができていたからです。しかし、南三陸町を訪れたことのない学生にとっては、それまでの経緯を知ってもらうところから始めなければならないと感じました。この「差」を埋めていくことが最初の課題でした。
ときには方向性がうまく定まらず、今の状況では開催するのは難しいという意見もあり、くじけそうになることもありました。それでも、全員の意見をすりあわせる機会を何度も設けたり、前例のないことを企画したりと、イベントを成功させるために、みんなで努力してきました。
準備を進めていく中で、実施会場をどうするかといった課題が浮き彫りになりました。当初は「南門」を活用するためにも、南門前広場で実施する予定でした。しかし、第3波の猛威の中、集客型の開催は難しいと判断。完全オンラインのイベントに切り替えることが決まりました。この決定以降もさらに会議を重ね、それぞれの場所からどうやって復興を考えるか、「祈り」を届けるのかを考えました。配信方法なども何度もリハーサルをおこない、課題として挙がった点も修正し、2月27日(土)に生配信という形で開催しました。
キャプション:対面のミーティングの様子。3班全員が対面で会うことができたのは、12日に行ったリハーサルが初めてでした
「え、それも自分たちで作るの?」
イベントを企画するにあたり、3班(南門活用計画班、東北復興活動班、祈りのまち班)に所属している学生一人ひとりの役割を決めていきました。本番に向けた広報活動やイベント企画の検討、当日の進行担当など…やることは多岐に渡ります。そんな中、我々が特に苦戦したことが2つあります。
1つは映像作品の制作です。学生の中に、表現学部で映像関係を専攻している学生がいました。普段の授業で得た知識を活かすべく、オープニングとエンディングの映像を担当してもらいました。しかし内容を詰めていく中で、オンライン開催となることが決定し、事前収録したインタビュー映像を放送に加えることに。実際に作業に取りかかることができたのは1月に入ってからでした。そのため時間と人手が足りず、急きょほかの学生も作業に関わることとなり、筆者も今回初めて動画編集に挑戦しました。正直、作業を始めたときはどのように操作すればいいのか全くわからず、すべてを投げ出したくなるような気持ちでいっぱいでした。それでも、先生や表現学部の学生からアドバイスをもらい、コツを掴んでいくうちに、なんとか作業が軌道に乗り、楽しくなったのを覚えています。
キャプション:動画編集の様子
もう1つは、コロナ禍で街頭や店舗を回っての広報活動ができなかったことです。そのため今回は、SNSの運用や口コミを重点的に行い、参加を募りました。本イベントは南三陸町を知らない学生や、卒業生が主なターゲットでした。オンライン開催となったことで、対面で参加してもらうのとは異なり、誰でも参加できるという特徴があります。これをもっと広報に活かすことができたのではないか、告知しただけになってしまったのではないか。参加者に繋げることができたのかどうか、明確に示すことができなかったことは課題として残りました。
このnoteでの連載も広報活動の一環でしたが、こうして自分たちの活動を外部に知ってもらい興味を持ってもらうためには、工夫を凝らす必要があることに気がつくことができた点は、今後のイベント運営に役立てていきたいです。
苦労したことや話し合いを重ねた結果、実行できなかったこともありますが、なぜできなかったのかを分析し、次回に繋げ、社会に出て応用できる経験ができたのは大きな成果でした。
明日は、イベント当日の様子についてご紹介します。
キャプション:前日リハーサルで行ったカメラワーク等の打合せの様子
記事:南門活用計画班 石橋郁乃