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「復興祈 11-21」多数視聴御礼!(後編)

大正大学は、東日本大震災追悼イベント「復興祈(ふっこうき)11-21」を2月27日(土)にYouTube Liveにて生配信しました。このイベントは、「サービスラーニングD」の授業の一環で行い、「現地で感じた想いを風化させない!」と学生が本気になって企画したものです。この記事では、当日の様子や開催までの裏話を全体統括の視点で、2回に分けてご紹介します。後編は本番当日の一部始終になります。

「関わり」と「祈り」

 イベント当日、東京の天気予報は曇りでしたが、なんとか晴天の中さざえ堂前にて司会の挨拶でスタートしました。

 大正大学と南三陸町の10年のかかわりを写真で振り返り、最初のプログラム「東京からの追憶~被災地との10年~」がスタート。大正大学がなぜ南三陸町で活動を開始したのか、なぜ今もかかわり続ける学生が多くいるのか、東京の学生から被災地がどう見えていたのか、などがわかる内容です。震災直後から現在に至るまで、それぞれの期間で活動内容が変わっていくのも印象的でした。

 最初のプログラムは事前収録・編集したものを放送。この間、本部ではこの後のライブ放送に向けて映像管理やカメラワークを綿密にチェック。すべて時間通りに放送されるよう、常に時間を確認しながら、南三陸町との中継準備や法要で出演する学生が最終調整を行うなど、かなり緊迫していました。


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キャプション: 本部では多くのモニターを確認しながら指揮をとりました

 続いてのプログラム「変化する復興~震災と震災から10年」では、南三陸町復興祈念公園との中継開始。なんと、現地の方との連携はぶっつけ本番でした! このプログラムで、初めて語り部の話を聞くという運営側の学生も多かったのですが、復興の様子を知ることができた、実際に行ってみたいという声が聞けました。過去に南三陸町を訪れたことのある学生にとっても、着実に変わってゆく町の復興を知ることができたのではないでしょうか。 筆者自身、知らなかった話も聞くことができ、現地へ行けなくても南三陸町を身近に感じることができました。

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キャプション:語り部中の様子

 中継が終わり、「うちで祈ろう~復興祈念追善法要~」が始まると、会場の空気は一変。いつもの大学とは違い、厳かな雰囲気を感じました。 今回はさざえ堂前での法要に加えて、仏教学部の在学生や卒業生を中心に、「オンライン出仕」として各地から参加いただきました。参加者のみなさまと画面の前で祈るというニューノーマルな法要となりましたが、離れていても気持ちや想いをともにできたことは、初めての経験でした。


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キャプション:「さざえ堂前」での法要の様子

 最後のプログラムである「未来へ歩む人~震災からの10年とこれから~」では、南三陸町で活躍されている方々のお話を伺いました。これまで現地で長く復興に関わってきた方だからこそ、震災後の生活がどのように変化していったのか、町を支える方の視点で語っていただいたことは、とても貴重でした。

 イベントの最後、司会の2人から総括をしてもらい無事にイベント終了―…となるはずが、ここでハプニングが発生。当初オープニングと同じ場所で撮影する予定が、司会者の立ち位置が日陰となってしまい、顔が見えにくい事態に。放送3分前に、急きょ場所を変更しました。想定外の事態に、一瞬全員が戸惑いましたが、すぐに写りがよい場所へカメラを移動。配線などを微調整したうえで、無事エンディングを迎えました。


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キャプション:急きょ立ち位置を変更したエンディングの様子

東京でできる10年目の復興支援

 画面の向こう側で、どのような反応が得られるか。未知の世界に不安すらありましたが、当日の同時接続者数100名と述べ視聴者数が713名と多くの方にご視聴いただくことができ、とても励みになりました。このような新しいイベントを開催することができたのは、学生たちにとって大きな経験となったと思いますし、筆者自身にとっても、またひとつ成長できたイベント企画・運営になりました。

 完全オンラインでの開催のため、参加された方の声を直接伺うことはできなかったのですが、イベント終了後の実施したアンケート回答を一部ご紹介します。

・10年インタビューで、学生さんたちが南三陸のファンになり、何人もの方が、恩返しをしたいというのが印象的でした。良い学び、良い出会いがあったことが分かりました。

・うちで追悼セットと共に参加しました。映像だけでなく蝋燭の灯と香りがあることで、思っていた以上の一体感を感じることが出来ました。

・語り部のコンテンツで、以前訪れた時とまた違った景色が広がっている南三陸町の変化を生放送で見ることができて、嬉しいなと思いました。しかし何度聞いて、見ても、震災当時の様子は胸が痛みました。また、いつ来るかわからない中、忘れてはいけないなと思います。(一部抜粋)


 このイベントの成果の一つとしては、ターゲットである20代の視聴者数が全体の約45%で、本学在学生・卒業生が60%以上の半数を超えたことです。このイベントを通して、自宅からでも被災地とかかわり、身近に感じてもらう、という目的を達成できました。もちろん、初めての試みで思うようにいかず、本番が終わった今でも反省点はたくさん出てきます。それでも無事にやりきることができたのは、学生全員が地震の揺れや津波の恐ろしさを知っているからこそ。過去に「サービスラーニング」でかかわってくれた南三陸町の方々の「震災の経験を風化させない」という想いと我々の気持ちが、一度もぶれることはありませんでした。

 今回はオンラインイベントとして開催しました。映像配信するにあたって、機械やテレビ番組がどのような作りになっているのか、という疑問から自分たちで調べ、模索していきました。自分たちの専門知識を活かしながらも、新しいことに何度でも挑戦できるのが「サービスラーニング」の最大の魅力です。
このイベントをきっかけに、地域とともに生きる大正大学で、新たなことに挑戦する学生とたくさんのことを学び、活動を続けていきたいと思います。

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キャプション:「復興祈 11-21」企画・運営者集合写真


                   記事:南門活用計画班 石橋郁乃


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